じゃじゃ馬ならし 公演情報 じゃじゃ馬ならし」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
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  • 解りやすく親しみやすい
    独特の観客層とのことで多少覚悟しつつ観劇に赴くものの、平日マチネの博品館劇場ということもあってか、普段とは違った客層のようであった。というより、役者さんが確実にやりにくそうなほど冷め切っている。後半にはアドリブで「ずいぶん静かな観客席だな」と言われてしまうほど。こういう公演は楽屋で「今日のお客さん怖いよ」と話題になっていそうだ。ラストでようやく手拍子が入り、僕までホッとした。

    作品について。何より良かったのは、古典劇とはかけ離れたシェイクスピアになっていたということ。最初と最後に脚色が入っただけで、松岡和子さん訳の台詞もしっかりシェイクスピア調なのだけれど、そこには持って回った古臭さがない。作品自体はさすがにプロットの組まれ方が上手いので、物語に自然と入り込める。脚色も機能していたが、終盤はもっとスマートに終えて欲しかった気はする。あと、やはり『じゃじゃ馬ならし』の脚色は『Kiss Me, Kate』に敵うものはないかな、と。

    劇中のナンバーはともかく、音響はどうしても馴染めず。親しみやすさやポップな感じを出そうとしているのかもしれないが、安っぽさというか「ハチャメチャ劇」みたいな感じが苦手。個人的な好みの問題ではある。

    何より気になったのは、通じないギャグ?をあまりにもしつこく繰り返していたこと。「ファラウェイ」とか「ジョイナス」とか。全然わかんなくて、そのくせ後半になるにつれ使用頻度が多くなって、困った。客席でも理解している人がいなさそうだったから、途中で捨てた方がいいネタだったんじゃないかなあ。。

    役者さんは岩﨑大さんのダンスと林勇輔さんの歌が周囲を圧倒していた。上手い人が一人でもいるとその人に自然に目がいくので楽しめる。

    この劇団のアットホーム的な雰囲気はファンにとって嬉しいはず。終演後、主演がロビーに物販しに出てくるあたり、規模がなかなか大きい割には凄いこと。余計なお世話かもしれないが、今後どういった客層にアピールし、マーケティングを進めていくかが大切だと思う。

  • 満足度★★★★★

    観て良かった!!
    正直、この年齢でスタジオライフに行くのはかなり勇気がいります。
    この劇団のファン層は、独特なので…。
    でも、倉田さんの骨太な作品作りのファンだし、今回は、山本さん御出演なので、久々勇気を出して、行きました。

    行って良かった!!
    何しろ、以前から、その演技力の虜になっている、林勇輔さんが大活躍される舞台で、スタジオライフの演技派俳優、石飛幸治さん、山本芳樹さんと、役者力のある方が、メインの役のため、久々、ハラハラせずに、スタジオライフの世界を満喫することができました。

    いつもながら、倉田さんの演出は、巧い!!
    今時の女性には、反感買いそうな「じゃじゃ馬ならし」を、最初と最後に、オリジナルのエピソードを付けることで、見事に、現代女性にもそっぽを向かれない作品に再構築していて、さすがでした。

    今まで、いろいろシェークスピア喜劇を観ましたが、案外、これが一番、その時代の空気を再現しているのではとさえ思いました。

    この舞台で、益々、林さんのファンになりました。ベテラン女優さんにしか見えません。歌もとてもお上手。林さんの歌うシャンソンとか、無性に聴いてみたくなりました。

    ネタバレBOX

    開演ギリギリに、博品館の1階に着いたら、そこに、おばさん姿の石飛さんがスタンバってて、ビックリ。
    私の乗ったエレベーターには乗らず、どうされるのかと思ったら、開幕して出てらした石飛さん、「中国の団体にぶつかっちゃって、間に合わないかと思った」と、アドリブ。そうでした、私の乗ったエレベーターに、どやどやと中国の観光客が乗って来たので、本番目前だと言うのに、遠慮したんですね。
    こういうアットホームな感じが、この劇団のいいところ。

    「じゃじゃ馬ならし」だというのに、最初は、その石飛さんの猫おばさんと、林さんの売れない女優の場面から始まります。
    この林さん扮するリージー・ディクソンという女優のキャラクター設定がとても素敵で、林さんだけでなく、このリージーのファンにもなってしまった私は、終演後、彼女と別れるのが、とてもお名残惜しく感じました。

    「じゃじゃ馬ならし」って、夫が、じゃじゃ馬の妻を調教するのに成功するというお話だから、今の女性が見たら、冗談じゃないわと思うような芝居ですが、それを、この猫おばさんと女優をストーリーテーラー的に配することにより、実は、調教されたと見せかけて、男をうまく操縦するという女性目線のストーリーに作り変えていたところが、お見事でした。

    歌は、いつも歌謡曲チックで、イマイチな感じではあるものの、メンバーの踊りが楽しく、その中でも、やはり山本さんの魅力が充分発揮され、ファンとしては、大満足でした。
    キャストは、ほぼ好演でしたが、3人の他は、客演の、坂本岳大さん、穂積恭平さんが印象に残りました。別チームで、ぺトルーチオ役の曽世海司さんが、今日は、女優をコケにするプロデューサー役で、ちょこっと御出演でしたが、その僅かな出番で、存在感を残し、さすがでした。
    この方、「トーマの心臓」で、初めて拝見した頃は、苦手な役者さんでしたが、近年観る度、演技派になられて、今ではすっかりファンになりました。

    まだまだ、当分、勇気を出して、スタジオライフには通うつもりです。
  • 満足度★★★★

    楽しめます!
    原作を読まず、あらすじだけをみて観に行きましたが、かなり楽しめました!
    前半はベテランの方の締まったお芝居、後半になるにつれ徐々にスタジオライフ版シェイクスピアの真骨頂、身体を張ったドタバタ。
    オリジナルの音楽も楽しいです。

    ネタバレBOX

    でもよーく冷静になって観てしまうと、女性なら複雑な気持ちにさせられるのではないでしょうか。
    救いは女性演出家の作品である、ということかもしれません。
    確認する意味でも、もう一度観てみたいお芝居です。

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