幸せまであと少し 公演情報 幸せまであと少し」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-4件 / 4件中
  • 満足度★★★★

    終盤の減速が惜しい
    猫っかぶりでなかなか本音で人と接することができないアラサー女性(合コン場面の心の声が特に愉快)が三十路を迎えて“脱皮”し、本音を口にするラストとコミカルな前半はイイが、交際相手に想いの丈をぶつけて止まらなくなるクライマックスからラストにかけて急に減速…どころか停滞感まで漂ってしまうのが惜しい。
    そこもテンポ良く見せれば満点だったのに…

  • 満足度★★★★

    ビンケのよさを再確認
    なんというか、本当に力のある人達がヘタウマに徹している凄味を感じた。
    や、あれをヘタウマと見るかは人それぞれだと思うけど。

    でも、個人的にはあれを違和感なく
    成立させることができるのは相当難しいことだと思った。

    たぶん今回やっているようなことは
    一見するとどこでもやっていそうに見えるが、
    あれは力のある俳優陣が本気で場に飛び込んでいるからできることで、
    そこいらの凡百の劇団には決して真似はできないなと思う。

    ネタバレBOX

    心の声を予め録音されたものを使って流すとか、
    携帯電話の着信が音響でスピーカーから出ているとか、
    メールの文章をプロジェクターで壁に投影させるとか、
    本来舞台でやったら痛い目に会ってしまうような手法を
    あえて率先して選択しているところに、創り手の強い意志を感じた。

    あえて舞台表現における禁を犯すということは、
    俳優に対する演出の絶対的な信頼がないとできないし、
    俳優達にも相当な自信がないとできないことだと思う。


    結果としてそれが他では決して出せないような
    なんとも不思議な世界観を創り出しているように感じた。

    しかも観ていて全く危なげなく見えたのがすごい。


    たぶん、演出も俳優もスタッフも皆何が一番大切なのか心得ていて、
    その上でちゃんと場に殉じてるからできることなんだと思う。


    それにしても、うっしーの役は、あまりに意外過ぎて笑った。

    明らかに色々とおかしいはずなのにえもいわれぬ説得力があって、
    見ているうちにいつの間にか納得させられてしまっていた。

    ほんと、こういうとこがうっしーの凄いことなんだよな。

    個人的には、こういうポジションのうっしーって
    結構効果的だと思ってたから、ナイス起用だなって思った(笑)
  • 満足度★★★★

    悩み多き女三十歳を活写
    今回このお芝居を観に行ったのは、フライヤーを手にしたとき、長らく消息がわからず気にしていた松村慎也さんのお名前があったからで、同姓同名の別人かもしれないけど、とにかく行って確かめるしかないと。で、結果は探していたご本人でした。中大二劇出身の俳優さんで持ち味がよくて注目していたのです。しばらく演劇活動から離れていたそうですが、復帰されたそうでまずはおめでたいことです。
    主役のかたが体調不良のため降板というハプニングがあり、公演が1週間延期されたようですが、同じ劇場で無事公演できてよかったですね。
    等身大のテーマの現代の芝居って苦手なほうなのですが、本作はなかなか面白い作品で楽しめました。作・演出の鈴木優之さんは男性なのに、三十路目前の女性心理をよくこれだけ描けたなぁと感心することしきりでした。

    ネタバレBOX

    古川ゆきこは30歳を目前に「結婚したいなぁ」と思い始めて、 幸せになるために考えたいろいろなことを手帳にメモしている。両親が離婚し、郷里の茨城にはとんかつ屋で働く母(大内涼子)と独身で32歳の姉の夏樹(森住亮子)がいる。ときどき上京してくる母は2人の娘の結婚を心配し、ゆきこに見合い写真を持ってきて勧めている。姉の夏樹は会社を辞めたばかりで、ゆきこの部屋に住み着いてしまう。
    ゆきこの部屋は職場の同僚の篠崎美知子(細田秋菜)、篠崎が想いを寄せる酒飲みの川谷(前田将甫)、後輩の上野(奥野瑛太)らの溜まり場になっている。仕事ができるため、職場で頼られ、恋愛もままならない先輩の藤浦和枝(朝倉亮子)は婚カツに意欲をみせ、合コンを計画。ゆきこも参加することになり、親友の瑞樹(松永恵)に婚カツのノウハウをアドバイスしてもらう。瑞樹は失恋を機に積極的に男性と交際するようになった肉食系女子で、彼氏はいるが、ゆきこと一緒に合コンに参加すると言い出す。瑞樹いわく「3高の時代が終わり、いまは低姿勢、低リスク、低依存の3低男が狙い目」だとか。合コンの当日、仕事が忙しく、藤浦は遅刻することになる。会場へ行くと、男性幹事が仕事の都合で欠席とのことで、2対2の合コンとなる。やたら高飛車な態度が鼻につく倉山(信田素秋)と同じ会社の先輩の30歳の遠藤(松村慎也)。ゆきこは3低の遠藤に好意を持つが、瑞樹もゆきこに解説した合コンマニュアルどおり遠藤にアタックし始め、ゆきこは気が気ではない。合コンでのゆきこの心の声が面白く、KYで自己チュウの倉山への突っ込みが笑いを誘う。
    ゆきこは遠藤とメールのやりとりを始め、順調に初デートにこぎつける。自分をよく見せようと瑞樹に教わったように女の子らしく振舞うが、偽っている自分に自己嫌悪を感じるようになる。遠藤が初めて部屋に来たとき、ゆきこは思わず本音をまくし立ててしまい、気まずくなってしまう。
    瑞樹の信奉する占い師増沢(牛水里美)と知り合ったゆきこは、プライベートで3人で会う。増沢は「アカシックレコード」という人の過去や未来データがわかる超能力の持ち主で、瑞樹の過去の不倫相手が実は瑞樹との結婚を真剣に考えていたが、いまは妻子と幸せに暮らしていることを占いで伝え、瑞樹は号泣する。増沢はゆきこに遠藤がゆきこを心配していること、しかし、2人の恋の行方はゆきこ次第で先のことはわからないと告げる。
    遠藤は悩んでいるゆきこを受け入れ、改めて交際を申し込むが、ゆきこは自分に自信が持てず、断ってしまう。
    離れて暮らしていた父(秋山敏也)も61になり、生活に困って娘たちに金の無心をする。ゆきこは30万円を渡し、父にもう会いに来ないでと言う。姉の夏樹は父親が心配になり、出て行ってしまう。いったん帰ってきた夏樹は、父がぼけ始めていること、小さなアパートでみじめな暮らしをしていることを話し、ほうってはおけないと言って、また父のところへ行ってしまう。娘たちが自分の知らないところで父親に会ったことを知った母は激怒する。
    30歳の誕生日、ゆきこが部屋で寂しく過ごしているとなぜか上野が顔をみせてすぐ帰る。遠藤がプレゼントしてくれたメロンパンをほおばるゆきこ。
    サプライズで上野、篠崎、川谷、藤浦、母、姉たちが誕生日を祝いにやってくる。ゆきこには心配してくれるいい仲間や家族がいる。ひとりぼっちなんかじゃない。
    ゆきこを見ていると切なくなる。遠藤さんと結ばれてほしかったけど。
    最近、TVドラマが低調だが、素敵な2時間ドラマのような心温まる作品で注目したい劇団だ。
    ゆきこと夏樹が見た目も似ていて姉妹に見えるのがよい。濃い目の化粧で若づくりの母に見せた大内涼子が好演。茨城なまりでポンポンものを言い、いかにもいそうな母親で笑わせる。秋山の気が弱くふがいない父親ぶりも心に残る。この元夫婦のリアルさがいい。
    牛水の美しく独特な雰囲気は占い師にピッタリ。巧い起用だ。松村の遠藤は女性にもてそうな好青年を手堅く演じた。以前は「変わり者」の役が多かったので、今回のような普通っぽい役を初めて観た。
    作中気になった点を挙げておくと。
    ゆきこの「心の声」がナレーション代わりになっているが、心の声と同じ台詞が続くところがいささかくどい。台詞の前に同じ内容の声のナレーションは不要。
    ゆきこが、父に「若気のいたりのできちゃった婚で、なりゆきでできた子供」と言われたのがトラウマになっているというが、ゆきこは次女だからおかしくないか?主役の変動で役の設定が変わったためだろうか。
    上野を「私より8つも年下なのよ」とゆきこは言うが、すると上野は22歳、新入社員の年齢で、姉の夏樹とは10歳も違う。年の差カップルはよくある話でも、この場合、夏樹が上野を好きになり、ゆきこの職場の同僚が誰も驚かず、「お似合いだから結婚したら?」と言う場面があまり自然に思えない。
    若い人からみれば60代はとても年寄りなのかもしれないし、61歳でボケる人も現実いるだろうが、昨今、長寿社会の還暦はまだ若く、父親がボケるには早い気がして、あまりピンと来なかった。
  • 満足度★★★★

    牛水さんを贅沢に使うな
    なんとなくトレンディードラマな感覚に思えた、ここの芝居では意外。

このページのQRコードです。

拡大