かなりあノ声 公演情報 かなりあノ声」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-12件 / 12件中
  • 満足度★★★★

    重く感じさせない脚本はお見事
    女の子が生まれなかったことにより、壊れていく家庭を描いた物語かな。

    ネタバレBOX

    子供が子供を誘拐してきて、それを普通に妹として育てたり、同級生などを監禁したり、また同級生が母親と出来てたりと、一歩間違えば、相当重い内容になるところであるが、そこをそこまで重く感じさせない脚本はお見事であった。
    またそれぞれに、歪んだ愛、狂気の愛などが描かれていたが、それぞれについてぶれない愛が描かれていたと感じた。
    ただラストに、近づいてきた(軟禁されたが)林が義理の妹とわかるのだが、血の繋がりがないのに、妹が出来たとわかったとたん今までの狂気が消えたのは(消えたと言う表現はちょっと違うが)ちょっと納得できない。
    それだったら、雛を母親の養子にしてしまえば済んだことになってしまう。(まあ誘拐してきた子だから、出来ないだろうが)
    とは言え、非常に面白かった。(最初の場面からは、恋人でも助けるために人を殺めたか?など思えたが、全然違った内容であった。)
  • 満足度★★★

    炭鉱のカナリア、ではない
    かなりあは毒のなかにいて、薬が現れそうになると
    それを知らせ鳴くのだろうか。
    タイトルのつけ方がじつにうまいです。

    近松の虚実皮膜論のひそみに倣えば、
    やや虚に寄りすぎ毒が強すぎて、ちょっと息苦しいかな、
    と自分は感じました。

  • 満足度★★★★

    心に強く残る話でした
    なんというか、ある意味期待を裏切らなかったとでもいうのか。
    話の本筋としてはサスペンスなのですが、
    登場人物みなが個性的で、結構笑えて引き込まれました。
    自分の人生ゆるぎなく(流されてる方々、半分位いたかな。?)
    生きてる連中の、真に人生劇場でした。
    いやあ強烈でした

    ネタバレBOX

    過去と現在が交差する芝居なんですが、
    その入り組んだ人間関係や、出来事の連続に圧倒されました。

    とあるアパートの1階に住む、離婚したシングルマザーと兄弟二人。
    兄はホントは妹が欲しかったと、女の子を誘拐し押し入れに隠します。
    父が好きで、その愛情を兄に重ねる弟は。
    兄の関心を得るために女の子になろうと女装を始める・・。
    その3人家族+押入れ妹足した4人の住むアパートの2階には、
    兄の同級生で親友が、弟と住んでいる・・。
    その親友君、どうもお母さんと関係があったみたいで・・。
    またフリーターとなった2階の弟さん、
    伝説の青木さんという、素晴らしいファッションリーダーさんと、
    お付き合いはじめてて、現在の時間軸上で帰省した兄を、
    ほっといて発情しまくるマイペースアニマルぶりは笑えました。
    現在、誘拐された妹は学校に通い。
    アパートにはその友人達も来ますが、その中の一人。
    携帯をアパートに忘れた男の子が取りに戻った時、
    兄に捕まり押入れに監禁されます。
    そして、その長男に感心ある。胡散臭い女も監禁されますが。
    その監禁も首輪つけて、逃げなければ割りと自由に室内動けるが、
    反抗的だと長男に殴られます。
    (顔の殴打痕のメイクは上手でした)
    夏休みの話で、長男が妹の男友達監禁した理由も、
    妹への独占欲らしいのですが、冷静に忘れていった携帯チェックして。
    家族が夏休みの間いない事を確認します。
    2階の住人は、話し声などで人数のおかしさに気付いています。
    長男が親友と母の関係に気がついた花火大会の日、
    精神的に追い詰められていた母は、首吊り自殺します。
    そしてまた、現在の花火大会の日に、もう一人の監禁された女は。
    自らが、離婚した父親の娘で。二人の兄弟の妹だと明かします。
    本当の妹が現われて、弟は女装という呪縛から解放されますが。
    誘拐されて妹となった女の子は、元いた場所にも帰る事ができず。
    自分の居場所が無くなりました・・・。

    でラスト!盛り上がったー!!
    オープニングにも繋がる、室内にガムテープで拘束された男の子。
    包丁持った女の子。今までの事考えると先が読めません。
    が、結局女の子は拘束解いて、男の子逃がします。
    一人残った部屋に、このアパートでの明るかった昔の家族が現われます。
    母・兄・弟皆が明るく話かけますが、それも去ります・・。
    そして呆然と部屋の中で包丁を持ったまま立ち尽くしている女の子に、
    ベランダから女の子をさらった長男が、名前を呼びます。
    勝手につけた名前を・・。

    本当に兄は戻ってきたのでしょうか? 幻??
    女の子の手は包丁を持ったままです。
    セミの声が、うるさく大きくなっていきます・・・・。

    うーんホラーでサスペンスな終演でした。
    こうして荒筋だけ、自分の印象で表記すると恐い話に思うでしょうが。
    けっこうコメディが違和感無く入ってきます。

    いきなりストッキングかぶって登場する、弟の女友達。
    ベタな委員長キャラで登場するも。
    伝説の青木さんのコーディネイトで、美人へと変身する妹の同級生。
    その青木さん、衣装といい言動といい。ヅカ系なのに。
    やってる事は、下の部屋への不方侵入で醤油の窃盗!
    アパートの小窓ギャグ。 などなど上手でした!

    舞台について、1階2階のアパートの間取りが同じ設定なので、
    正面の障子戸開き、ベランダか壁かで1・2階の表現するのはいいのだが、
    部屋の調度品が何も変わらないので、そ・こ・が星1つマイナスです。

    間違い探しみたく、ヤカンの形変えたり。
    箪笥と冷蔵庫の上は、箱にマットペイントか、
    本の背表紙貼り付けた本棚風にするとか。(冷蔵庫上ならレンジかな)
    暗転10秒でも変更できる工夫が欲しかった。
    冷蔵庫のドアの前も、マグネットシートの取り外しで対処出来ると思うし、
    4箇所ぐらいじゃん。あーもひとうあったか。
    (うーん流し上の小窓は・・・・日めくりカレンダー式にすればどうかな)
    舞台セットのウエザリングも素晴らしかったので、
    かえって上記の事が気になりました。

    食事や水なんかも、本当に食べ飲みするし。
    リアルで上手な演出です。

    配役・演技も遜色なかった。 4ツ星がホンに惜しいです。
    4ツ半ということでどうでしょうか?

    オチのスキの無さに、思わず熱くなってしまいました。
    これからも、頑張ってください!
     
  • 満足度★★★★★

    崩壊家族と模倣家族
    物凄いものを観た!という確かな実感が今でも胸に去来する。物語は本当の家族が崩壊していくと予感した兄がその悲劇を隠すかのように新しい家族を構築していく物語。しかし、心の歪みから始まって作られた模倣家族は、その歪みが増大した時に破裂する。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    誰でも安息に満たされ豊かでありたいと願う。この物語は一つの家族を捨てて去って行った父親不在の不安から始まったものと感じる。

    平井家の父は女を作って出ていき、母はそれを苦に自殺してしまう。しかし、物語は過去に遡っての描写から。
    父親不在となった平井家の人々は不安定な気持ちを抱えたまま少しずつ、じんわりと欝になっていく。鬱積したものを抱えた長男・一鷹は施設から女の子を誘拐してきて自分の妹・雛として育てる。このころから少しずつ精神的に病んでいた母・千鶴は一鷹に何も言えない。

    かくして一鷹は雛を猫可愛がりして異常なほど大切に扱うも、弟・翔は自分に対する兄の態度が一変し見向きもされなくなってから、女装し始める。自分も女の子になったら雛のように兄ちゃんに好かれるという切ない思いからだ。

    一方で隠れて雛を苛める母親。一鷹の異常な変貌ぶりは雛のせいだと思い込み、どう対応していいか解らない気持ちと、夫が帰ってこない不安からの混雑した精神状態の母親。そんな母は「お前なんか生まなきゃ良かった。」と一鷹に暴言を吐く。一鷹が自分の友人と関係を持った母を詰った後の言葉だ。

    誰かが誰かを傷つけ、誰かが誰かを詰り罵倒し、そして自らも傷つく。家族であるがゆえの描写だ。家族だからこそ肉親に対しての甘えで増長される感覚だ。血の信頼感とでもいおうか、いったん問題が起きた時の怒りや悲しみの度合いもまた他人同士のそれよりも一層激しく、こらえ性なく爆発するのだと思う。他人同士なら一線を引いて考えられる問題でも、真実の親子だから、真実の兄弟だからこそ、「理解してくれるはず。」なのに理解してもらえないことにカッとして自制心まで失ってしまうのだ。

    メビウスの輪のように、その光景はくるくる、くるくると一定の方向に誰も混じり合うことなく空回りする。くるくる、くるくる・・。

    やがて、千鶴は首を吊って自殺し、その光景を絶望の目で見つめる一鷹。こうして一鷹は更に狂気を増し、雛が気に入るからという理由で雛の友人の彼・翼を押し入れに軟禁しペットのように扱う。同じくまみちゃんも軟禁し首輪をさせる。一鷹とオカマ(翔)、雛、翼、まみの5人が囲む鍋の光景はあたかも仲の良い家族の光景だ。幸福な表情をふと垣間見せる一鷹。一鷹が渇望するもの。それは信頼の家族だ。

    施設から連れてこられた雛は「お兄ちゃんは私のアンパンマンなんだよ。」という。「初めて会った時にパンをくれたの。」ともいう。雛にとって一鷹は世界の全てだった。その正義の味方アンパンマンのやることは雛にとって絶対であり正義でもあったのだ。しかし、父の再婚相手の連れ子・まみが現れてから状況は一変する。

    「いつまでこんなことしてんの。私たち3人こそが本当の家族なんだから一緒に行こう」と一鷹と翔を説得するまみ。そして雛には「ここはあんたの場所じゃないよ帰りな。」という。そんな雛をあっさり手放し、雛に土下座する一鷹に驚愕と絶望を感じた雛は歌を忘れたカナリアのように壊れてしまう。

    終盤は序盤に撒いた伏線をきっちり回収し見事に収める。しかし、包丁を手に持った雛と戻ってきた一鷹が対面するその後の行方は解らない。観客の想像に任せる余韻を残す終わり方だ。全員がやり場のない屈折を抱え、そして愛情に飢えた人たちの物語。

    キャストらの演技は本当にお見事。中でも雛(小林美奈)と一鷹(浜本ゆたか)のタッグは絶妙!それに加味して欝な物語に横からスパイスをかけるようなコミカルな場面展開も素敵だった。





  • 満足度★★★★

    充実の2時間
    けっこうヤバイ犯罪行為をさらりと描いたり、一転コメディになってみたりと、いろいろごちゃまぜになったすごい芝居でした。ずっしりくるまさに充実の2時間。また観に行きたい。

  • 満足度★★★★

    熱演。
    ストーリー展開には、微妙な部分もありますが、
    全員キャラが尖っていて、とてもグッド。
    まさに熱演でした。いろんな意味で・・・。

  • 満足度★★★★★

    猛暑が吹き飛んだ
    登場人物の異常さや屈折具合に寒気がしました。
    時系列をわざとくずした上で、徐々に「あ〜、そういう繋がりだったのか」と思わせるやり方には、うまく乗せられてしまったかも。コミカルな要素と異常性のバランスも絶妙。

  • 満足度★★

    ストッキング!
    自分が望んでいたものと違ったが為に異常なほどの憎悪と行動。気に入られたくて何でもする偏執的な愛情。精神が崩壊していく人とか下の住人は凄いことになっているけど、上の部屋に集う人達もまた変なんだけど妙に笑える。異常な人達に翻弄され涙を流す雛を演じた小林美奈さんが好演。

  • 満足度★★★★★

    怖い!
    しょっぱなから、怖くて背中がぞくぞくしました。
    オカシサ(狂気)がとてもうまく表現されていた舞台だと思います。
    狂気だけじゃなく、すっごい笑えるシーンも容易されていて、2時間弱があっというまに過ぎていきました。

  • 満足度★★★

    初パンダ
    よくよく考えるとかなり陰惨な話なんだが、ずしりとした重さは感じず。
    物語の根幹である狂気が根付いていないからか。
    腑に落ちない所も多々あり。
    とはいうものの
    兄妹を演じた浜本ゆたかと小林美奈の好演に最後まで引っ張られた。
    にぎやかしの伊藤淳二と帯包麻菜も抜群に面白い。

    ネタバレBOX

    兄が誘拐してきた赤ん坊を育て続けている事に何らかの説明は必要だろう。
    そこを納得させて欲しかった。
    愛人の下に走った夫への腹いせでは弱いだろう。
  • 濃縮てんこもり
    いろいろな要素がこれでもか、というくらい詰め込まれていて
    重い話なのですが、シリアスな部分とコミカルな部分の
    絶妙なバランスで楽しませてもらいました
    今回が2かいめという事なので
    これからも注目してみたいと思いました

  • 満足度★★★★★

    すばらしい!
    喜怒哀楽豊かな脚本と熱演で最後まで舞台にのめりこみました。本とキャストのマッチが見事です。会心の出来と思います。

    ネタバレBOX

    ストーン詐欺が気になります。親族関係を最初から知っていたら2万円も払わないだろうし、後で知ったとするとストーリー展開の都合がよすぎるし。

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