渡り鳥の信号待ち 公演情報 渡り鳥の信号待ち」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.9
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  • ちょっとした小宇宙。
    ルデコでの二人芝居を見て以来。いやぁ、あの時と全然違うじゃいないですか。そして今回のほうが好き。
    小劇場って壁や床が真っ黒なところが多くて、視覚的に宇宙や夜空を連想させる作品と相性が良いのです。が、そういう作品は観念に偏りやすくて物語が見え辛くなりがち。視覚的によく見えても、意味が見えにくくなる。それからすると今回の作品はどちらもはっきり見せてくれたなという印象。「銀河鉄道の夜」と随分現代的な物語を混ぜたものだと思ったけれど、後者があるからこそ見失わずに地に足が着いていた。
    あと、個人的に役者がちゃんと稽古してないと出来ない演目というのが大好物なのです。ダンスにしても椅子を使ったあれにしても。これだけやってくれると客席で今日のこの時間に対してのみ対価を払ったのではなく、この公演の企画が動き出して稽古をしていた時期も含んで払ったのだと思えるのです。

  • 満足度★★★★★

    2回見ました!
    春の海から見ていますが、こちらの方が好みでした。しかも今回は2回も観劇・・・!ストーリーを分かってから見ると冒頭が余計に悲しくなります。山田英美さんが印象的でした!

  • 満足度★★★★★

    意欲的な宮澤賢治ワールド
    ストーリーが二層構造、そしてダンスも完成度が高い。楽しめました。

  • 満足度★★★★★

    大いに満足
    原典にかなりの思い入れのある身としても文句なし…どころかほぼ原典まんまなオープニングから心を鷲掴み状態でがっつり引き込まれる。
    また、ココミから牛乳を貰うしおりと、「娘に会いたい」と言うココミに弱点を直撃され、「そっちかぁ!」な結末(「黄泉がえり」の原作と映画の関係を連想)も◎。
    いずれにしても原典を知っている身として2倍3倍に楽しむことができて大いに満足。

  • 満足度★★★★

    きれいな世界観
    宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」ベースにした物語。
    ただ実はオイラ、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」ハッキリ覚えておりません。

    少し物語がごちゃごちゃになる部分は個人的にありましたが、物語の世界観にはずっと引き込まれており、楽しく・ワクワク見る事が出来ました。賢治の世界のキャラと世田谷シルクのキャラを演じた役者陣の演じ分けもお見事でした。面白かったです。
    また、椅子を使った演出やシルクダンス(個人的に呼んでるだけですがww)もなかなか見応えがありよかったです。 

  • 満足度★★★★

    いいこそろえてますな
    スタイルと化したような定番さが出てきてる、ような。

  • 満足度★★★★★

    生と死の交差点
    宮沢賢治の小説を活かしながら、今を生きている人々の過去と現在を描いており、秀逸でした。

    ネタバレBOX

    お盆の日にお祭りが行われる鍾乳洞、そこは生と死が交差する場所でした。

    実家に帰って来た死者たち、たまたま旅行で来ていた女性たち、それに父親のために牛乳を買いに行こうとする少女たちが銀河鉄道に乗り合わせてしまい、次第にそれらの関係が明らかになる幻想的な話。

    さまざまなことが

    少女が実母に会えるのかなと思ったら、少女はジョバンニでもあり、実はジョバンニが鍾乳洞の湖に落ちて亡くなったことが分かり、実母が子供を探そうと決意したこともあって、なんて可哀相なのだろうと思います!

    ダンスパフォーマンスは、音楽、リズム、テンポが素晴らしかったです。

    女優陣は個性的で可愛らしく素敵でした。
  • 満足度★★★★

    楽しめました
    尾倉ケント(アイサツ)、佐々木なふみ(東京ネジ)、帯金ゆかり(北京蝶々)、日澤雄介(劇団チョコレートケーキ)ら、個性的な客演陣がそろった。
    「銀河鉄道の夜」のエピソードが散りばめられ、「銀河鉄道」ファンにも楽しめる内容だと思う。もともと原作のほうも意味がよくわからない部分があるだけに、まったく本編を知らないとわかりにくいかもしれない。
    この劇団の「大人の絵本」のようなところが自分は好みで、前作の「春の海」よりは楽しめた。

    ネタバレBOX

    俳優たちが木の椅子を動かし、組み合わせながら作る舞台装置も良い。今回はダンスの動きもよく合っていた。感じかたは個人差があるのかもしれないが、音響が大きすぎて残響音が不快に響くところがあった。
    ステンドグラスの小さなカンテラが効果的で美しかった。
    俳優では、先生・切符切り・お弁当売り・信号手を演じた山田英美が一番印象に残った。
    同じ衣裳でまったく違う役を鮮やかに演じ分け、しかも宮沢賢治の世界観をしっかり伝えている。
    「世田谷シルク」の世界観やスタイルといえるものも伝わってくる。
    ただ、より広く観客の心をとらえるには、柔軟な進化も今後求められると思う。
  • 満足度★★★★

    初日観劇
    秀作だと思います。観てよかった。

  • 満足度★★★

    銀河鉄道の夜
    好きなんです。銀河鉄道の夜。
    偉大な原作と、舞台表現のたたかいってのは、大変なんだろうなー。

  • 満足度★★★★

     
    観劇

  • 満足度★★★★

    渡り鳥達の
    迷いを包み込んでくれる銀河鉄道が、走り抜けるようでした。初見だったのですが、想像と違い、私・・苦手・・・かも?と、思ったのですが、物語に引き込まれ、楽しめました。

    ネタバレBOX

    1人何役をも、やったり、シーンが変わるのが、唐突過ぎて、最初、ついていけなかったです・・・。役者さんに、よって、判り辛い方が・・・でも慣れきて、物語に引き込まれました。

    身体表現が、とても良かったです。ダンスでもなく、パントマイムでもなく、まさに、シルク風味が、活きていると思いました。特に、ストップモーション的な動きが、感情を良く表現してたし、手のひらでの渡り鳥も、綺麗でした。

    天の川や、空を駆け抜ける隕石も、綺麗でした。
    木の椅子達も、いろんな姿を見せて、いろんな話も、聞かせてくれました。
    ラメの平ゴムで見せる銀河もリンゴも、良かったです。
    銀河鉄道の、スピード感や安心感が、輪廻転生を、思い起こしたのですが、アフタートークで、そんな言葉が、でてきて、安心しました。
  • 満足度★★★

    シルク色
    なんだか、全く外さない劇団になりつつある。素敵だ。

  • 満足度★★★

    4回目の
    シルク公演観劇。今回は楽しめた!解りやすかったし椅子の使い方が良かった。

    ネタバレBOX

    「傑作」「接触」のような公演もまた観たい。
  • 満足度★★★

    初シルク
    今まで見たことないので他の作品もこういう作風なのか、わからないがちょっと想像と違っていた。が、独特のテイストで引き込まれたから、個人的に嫌いではない。ただ、惜しいのは音楽とセリフがカブってしまい、何を言っているのか聞き取りにくい場面が数回あったこと。帯金ゆかりさんは輝いていた、というか存在感があってオーラが出ているように見えた。個性があってなかなかいい女優さんだと思う。

  • 泣いた
    『銀河鉄道の夜』を素敵にアレンジしていたと思います。

    心地よく作品の世界観に揺られながら、終盤自然に頬を涙がつたいました。

    堪能いたしました。

  • 満足度★★★★★

    よかった
    最後の展開に目が離せませんでした。自分も思わず涙しそうに。終演後客席やロビーで号泣している人が数人。さすがに自分はそこまではいきませんでしたが、心からいい作品だと思いました。あとパフォーマンスもよかったです。

  • 満足度★★★★

    表地に縫いつける創意の豊かさ
    一つずつのシーンが、豊かな寓意に満ちていて・・・。
    しかも、表現が鮮やかで、
    目を奪われ、惹きつけられて
    流れずに積もっていく。

    終盤に、描かれたものたちの
    内にあるものに気がついたとき
    それまでの作品のイメージがドミノように返り、
    重ねられたものに
    透明感をもった生々しさが訪れて・・・。

    作り手の創意に圧倒されました。

    ネタバレBOX

    開演を導く、
    小粋にアレンジされた
    スタンダードナンバーに気分がほぐされ
    リラックス。

    初日ということもあってか
    冒頭はほんの少しだけ混濁していました。
    でも、すぐに世田谷シルク本来の
    豊かなテンションと寓意を織り込んだシーンが連なって・・・。

    ボサノバにのせて歩いていく動作が
    まるで、食前酒のように観る側の心を開いてくれる。
    宮沢賢治の世界がそこはかとなく薫って、
    やがて、列車に乗るころには
    ひとつずつのシーンに自然に取り込まれていきます。

    そのつながりは、「銀河鉄道の夜」に支えられているのですが
    一方でその中に織り込まれたものたちの姿は
    なかなか浮かんでこない。
    でも言葉やしぐさ、背景のメッセージ。
    映像やダンスがそのまま流れてしまうのではなく
    印象を含めて「そのまま置いといて・・・」と
    観る側に居場所を生み出す力を持っていて。

    気がつけば、
    表現されたままに
    場ごとのいくつものキャラクターやアイテム達に
    目を凝らしている・・・。
    それぞれのシーンの作りこみが
    観る側をしっかりと舞台につないでいてくれる。

    そして、私的には、
    二つの指輪から見える宇宙として刻まれた
    DNAに気がついたとき・・・、
    トリガーが引かれて
    まるでドミノ倒しのように
    様々な寓意がその衣を脱ぎ捨て
    見事にリアリティを持って一気に広がりました。

    個々の寓意が表すものが鮮やかに浮かび
    「「そのまま置いておいた」ものに
    見事に血が通う・・・。

    男女の営み、生命の誕生・・・。
    出会って結ばれる細胞や
    結ばれないものたちの感覚・・・。

    男性の私であっても
    男性の感覚に下世話さはなく
    体感することのない
    女性が持つ肉体の周期のロジックが
    しなやかに浮かび上がる。

    そこには、立体感を持って広がる
    体と命と想いの俯瞰図があるのです。

    停車していても
    走り出しても
    急こう配に差し掛かっても
    加速減速を繰り返しても
    物語の綴り方や役者たちの演技が
    「銀河鉄道」という表の生地から
    寓意をほつれさせないから
    観る側が裏地を眺めることができた時
    そこには命が繋がれていくメカニズムのコラージュが
    下世話に汚れることなく
    崩れることなく、
    しかも質感をしっかりと守って
    広がっていく。

    ダンスや演技のクオリティにも支えられて
    透明感を失わなず、
    ウィットを湛えて、どこか冷徹でシニカルで、
    そして女性としての感覚に満たされた
    作り手の描く世界にそのまま取り込まれる。

    正直に言って、
    終演に至っても
    作品に織り込まれたすべての寓意が、
    私にその姿を晒していたわけではないと思います。
    きっと味わいきれていない部分もあったはず。
    さらには、男性ではわかりえない感覚も
    あるのかもしれないと思う。

    でも、すべてはわからなくても
    男女が出会う感覚はそこにあり、
    卵巣や精嚢までも含む物理的な肉体から、
    女性の周期や男性の感覚、
    そして男女の営みや、
    出会えなかったものたちの想い・・・。
    さらにはそれらを統括する宇宙のメカニズムが
    幾重にも醸し出す色というか質感に圧倒され
    息を呑む。

    指輪に加えて、牛乳や林檎、鍾乳洞や湖・・・。
    鳥たち、鍾乳洞、時間、二人の社員旅行とその妹・・・。
    列車がのぼる急勾配、減速・加速・・・。研究隊サークル。
    それらに込められた創意は圧巻で、
    しかも、それらを「銀河鉄道の夜」にのせて
    流し込んでいく見せ方に心奪われて・・・。

    さらに進化していく余地もある作品なのかもしれません。

    でも、少なくとも私には、
    この作品を味わうことができたことが
    とても満ちたものに思えたことでした。

    帰り道、開演時のナンバーが
    ふっと耳に蘇る・・・。

    fly me to the moon,and let me play among the star・・・♪

    歌詞を口ずさんで、
    戯曲に埋められた、
    作り手の真摯な遊び心に思い当たって。

    もう一度、この作品が内包するものの
    味わいの深さと豊かさに
    満たされたことでした

    ☆☆☆★★◎◎●●

  • 満足度★★

    牛と乳と鳥
    意図はいろいろわかるのだ。演出家はこういうことがやりたいんだろうなということは。そしてそれにはものすごく共感できる。

    が...以下、おもいっきり違和感をかきます。そのあとでネタバレBoxの中ではよかったところを褒めます。誰かにけなされたからって観にいかないようなお客さんはたぶん行かなくていい。そんな尖ったことをやろうとしてる集団だと思うので。(コメントタイトルはネタバレBox内の分についてのタイトルです。)

    ...しかしあまりにも音響がずさんすぎる。空間は音をつくる。演者の声とかぶる楽曲を流すことを前提に、そして演者の声を掻き消すことが主眼ではないはずの演出で、なぜ演者と観客の間にスピーカをおくのだろうか?もちろんそこにおいてそれを感じさせないエフェクトを用意することはできるがそのような配慮はない。
    それだけでなく音楽がこれだけ流れ続ける作品で、なおかつ、抽象美術というかほぼ空の小屋そのまんまであれば、音の響き方でいくらでも場面の差、空間の差をつくれる。それを全くしていない。
    さらに音楽のかけ方としてあまりに調整がずさん。ライブで残響と各音域帯のバランスの調整までしろとは言わないが(ほんとはするべき演出プランに思えるが)コンクリートの壁かつ地下室という劇場の特性にあったEQをほどこしていないため、ダンスに対して拍がものすごくぼやけているし、会話の場面に戻っても中音域が無駄に響く。いい選曲をしていると思うし、終盤でかかっていたUnderworldの二つの楽曲のmixはこの作品のために施したremixならばとてもうまい編集だと思うが、それが空間に落ちていない。
    その結果として、演者の声も含めた音の流れに緩急がない、リズムがない。ものすごく平板な一定の音圧を観客に与え続けるなら、観客の耳と肌はだんだん麻痺してきて終盤でどんなに大きな刺激を与えられようと感受しがたい。

    演者の身体について。たぶん演出家が人間の身体の構造に詳しくない。軸をどうつくるのか、重心を落とす/浮くに関わる制御がものすごく甘い。なのでふだん小劇場の舞台で活躍する演者たちは無駄に腰が落ちているし、おそらく古典バレエをやっていたことのある演者は無駄に胸の位置が高いままで安定している。それがいい場面もあるが全体を通すと全員両方できるべき作品にみえる。みたい絵をみたいといってなげるのならば演出家ではなくて観客である。これだけ身体表現の多い作品なのに残念でしかたがない。

    ネタバレBOX

    宮沢賢治の原作から、ここまで牛乳をフィーチャーした翻案もいままでかつてなかったかもしれない。生き別れの(?と言えばいいのかな)母と娘の幾度もすれ違いながらの、クライマックスでのほぼ唯一の交流が、父のための牛乳を買いそびれた娘に母が持っていた瓶詰めの牛乳を渡す、そしてその父への渡し方を教え諭す、という場面にもっていくまでの牛乳や乳牛に関わる断片の配置が実にうまい。母と娘は互いに母と娘であることを知らないままでそのやりとりをおこなうが、背景にいる父の存在も含めてものすごくリアルな母娘像をその瞬間、突然にして舞台に提示し、それまでの全てが伏線だったと気づかされる。

    鳥をモチーフとした動きが、踊りと各所での演者の仕草にうまくちりばめられていたのが美しい。おそらくはカーテンコールの演者の整列が静止したままに渡り鳥の姿にみえればよいのだろうと思った。冒頭、演者紹介の字幕のでるなかで主人公の女が、舞台が転換していくのに合わせずに、客入れ時から円状に並んだ椅子の外周を回る姿の浮遊観。それと終幕での静止の絵、どちらもが宙を舞う何かであり、それが舞台上では描かれない鍾乳洞の湖の中に落ちていったであろう現実の死に様と対比されて、銀河鉄道の時空を描写するのに成功していたと思う。原作者がどこまで中心においていたかとは別に、日本では古来、銀河は、川である以上に生と死を結ぶカササギたちの群である。

    野村 美樹はもっと注目されてよい俳優だと思う。出演機会が少ないからしょうがないが。いくつかの制作としての姿で予測していた以上のものが観れた。
  • 満足度★★★★

    しなやかな体の動きが舞台美術と融合
    世田谷シルクは独特の踊りとマイムの中間のような音楽に乗った独特の演技がある。それが今回一段と洗練されていた。

    従来は劇中の雰囲気を変えるためのアクセントとして、ダンスシーンに似た使い方だったが今回はそのシーン自体がしっかりとストーリーを支えるものだった。ここが観ていて非常に素敵だ。また舞台美術がしゃれていて全体的にセンスの良さを感じた。

    物語はネタばれになるので、ここでは書かないが、佐々木なふみが牛乳を渡すシーンがジーンときた。

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