インディヴィジュアル・ライセンス 公演情報 インディヴィジュアル・ライセンス」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
1-15件 / 15件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2022/10/31 (月) 15:00

    確かに「中年女性が運転免許を取る物語」だが、それを軸に夫婦・親子・兄妹など家族や大人になってからの友達などの人間関係にいわゆる社会問題まで織り込み、笑いと感動を存分に盛り込んでしかも細部まで丁寧なツクリなことに感服。
    そして前日に観た演劇集団つむぐ「いつかまた生まれて来た時のために」同様、劇中の母親像に自分の母を重ね合わせたりする。今さらながらに「母親の心理」というものに気付く、みたいな?
    しかし笑いと感動の「波状攻撃」ならともかく、同時にそれで攻めてくるのはやめてよね、観ていてどう対応したらいいか戸惑ってしまうもの。(笑)

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    どこにでもありそうな家族
    どこにでもありそうな家族を守っている、どこにでもいそうな中年主婦
    こんな「どこにでもありそう・いそう」っていう言葉が何とも陳腐に感じてしまうほど誰もの人生が非凡でスペシャルだと気付かせてくれる公演
    他人の赤裸々な日常場面を生々しくも客観的に観ることが、こんなにも楽しく共感・反発心を引き出して、やがては温かく染み入ってくるなんて・・・演劇ってやっぱり、イイ

    一見冴えない中年の主婦をあの新井友香さんが演じるのは「ミスマッチでは?」と一瞬思いましたが、日常の蓄積に埋没させていた感情がジワジワ噴き出てくる様子なんてもう痺れるほど良い感じ、何て味のあるお母さん
    全体的にも脂の乗った役者陣と若手の役者陣とが魂でぶつかり合って見事に融合
    オモシロ演劇の神様がず~っと定着しているシアター・ミラクルでの、これがひとつの集大成 といった感がありました

  • 実演鑑賞

    娘役が弘中綾香を若くしたみたいで可愛いの。
    こんなことを書くとマチズモだ、ルッキズムだと批判されてしまうかしら?

    ネタバレBOX

    娘役の真似して言います。
    「この劇、推せる。」
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    2つの家族の話、今どきの家族像なのでしょうか?
    面白かったです!

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    最高の役者陣、大人の演劇、村上春樹にも通ずる文学性。後々今作を観たことが誇れるようになるだろう。

    『individual license』とは『個人免許』の意味。いつもちょっと取っつきにくいタイトルが損をしている。
    「インディヴィジュアル」と聞いてTHE MAD CAPSULE MARKET'Sの『HI-SIDE (HIGH-INDIVIDUAL-SIDE)』を想起した人も多いのでは。
    作品の完成度は高く、脚本のお手本のような出来。これはフェミニズムも含め時代に合致、映画に向いている。本当ケチのつけようがない。敢えて言うならば教官と元夫の漫画家エピソードが安っぽい位。脚本の米内山(よないやま)陽子さんにリスペクト。こんな真剣な作品を真剣に観たかった。

    家族旅行、旦那(有馬自由氏)が運転する車で高速を走行中、海老名でふと垣間見えた富士山の美しさ。妻である主人公(新井友香さん)はこの美しさに天啓にも似た何かを感じる。ブラック企業のIT土方で身も心も追い詰められている息子(平井泰成氏)。専門学校生のコンビニバイト、推しに愛を捧げることだけが生き甲斐の娘(環幸乃さん)。旦那は定年退職し、嘱託として気ままに過ごしている。ふと免許を取ろうと思い立つ主人公。

    新井友香さんは凄い。梨を剥く演出は何万言の台詞よりも物を言う。
    有馬自由氏は奥田瑛二スタイル。巧いねえ。
    平井泰成氏はふてくされた今現在の若者の依り代。ネガティヴのカリスマ。山本圭が学生運動家崩れのこじらせ左翼を象徴したように時代を象徴する存在になって欲しい。
    環幸乃さんはほぼ素なのでは。童顔に過剰な憎まれ口、キャラ的にゆたぼんを想起。
    金田一央紀(きんだいちおうき)氏はパブリック・イメージ通りのクズっぷりを炸裂。見事。
    森谷(もりや)ふみさんも凄い。この人物造形はリアル。彼女が本物だから嘘臭いファンタジーにはならない。現実に労働して生活している痛みの中から零れ落ちる煌めき。

    凄く人間の核心的な部分に手を伸ばしている作品。餃子のエピソードが秀逸。必見。

    ネタバレBOX

    環幸乃さんの推しの結婚ネタはタイムリーで櫻井孝宏を連想。
    二役やる人は過剰に別人であることをアピールするのだが、平井泰成氏だけはそのまんま。
    熟女の同性愛を『枯れ百合』と称することを初めて知った。

    『推し』と接している時だけが生きている実感を得られる。これはかなり深い話で、キリストや仏陀、日蓮や天皇も『推し』の一つとして認識するならば普遍的な人間の思考パターン。人間はそうやって生きてきたのだ。
    「ママ、推せる!」は名台詞。

    途中、家族再生の話ではなく、『テルマ&ルイーズ』のように全て放り出して二人で逃避行に走って欲しいと願った。ラスト、北海道の「天に続く道」での昂揚は思い描いた通り、文句無し。
    年齢も性別も肉体関係も超越したラブストーリー。好きになれる人間と今お互い出会えた幸せ。世界は新しい扉を開く。何て素晴らしいのだろう。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    中年女性が、運転免許を取得する過程を通して、自分のこれからの生き方を模索し、家族とは何かを考えた快作。夫とは職場結婚、子供が出来たことで結婚 退職し、そのまま家庭に入った。子供が成人し手が掛からなくなったこと、自分で車を運転して どこかへ行ってみたい。夫が運転する車(人生)に乗っているだけではなく、自分が運転することで 主体的に生きるという比喩が込められている。当日パンフには「インディヴィジュアル」=「個々の、単一の、別個の」という意味がある、と記してある。家族の話であるが、同時に1人の女性の物語でもある。

    家族1人ひとりが物語から抜け出し、俯瞰するような立場で話の流れや状況の変化を説明する演出は上手い。家族であれば言わなくても分かり合える、という訳ではなく、それぞれがしっかり向き合うことが大切。そんな当たり前のことを解らせる説明シーンである。流れということでは、登場人物が衣装替えを適宜行うことによって、時と状況の変化を表す。
    「失敗する”権利”を奪わないで!」は劇中の台詞、失敗することで味わう痛み・苦味が無ければ、人間は成長しない。それが運転免許取得=自分で人生行路の家事ならぬ舵を握るに繋がり、深みある内容に仕上がっている。
    (上演時間1時間50分 途中休憩なし) 

    ネタバレBOX

    舞台美術は、登場人物の所在を表す場所をコンパクトに作り出している。客席はL字型、その対角線上に黒座椅子4つ、その前に黒のソファを置き車を連想させる。その右側に主人公宅の木製ダイニング、左側にファミレスを思わせるテーブルと椅子がある。シンプルな造形だが全ての場景を表している。

    妻であり母であるが、1人の女性でもある。大沢みのり(新井友香サン)は、子供たちも独立するような年齢になり、家族旅行の時に見た富士山の景色に何かを感じ、自分で運転免許を取得しようと決意する。夫・宏作(有馬自由サン)は、心配という思いやりのような気持の裏で 家庭内へ縛り付ける、そんな男の勝手さを描く。子供たち…兄・達也(平井泰成サン)は、ブラック企業勤務なのか 自宅ではイライラし不満をぶちまける。妹・絵里香(環幸乃サン)はゲームという仮想世界にハマっている。夫々の思いを抱き、一つ屋根の下で暮らしているが、まとまっているとは言い難い。

    どの家族にも家庭の味というものがあるのだろう。大沢家では皆で作る餃子が物語の隠し味になっている。そして、いつの間にか 夫婦はお互いの名前ではなく、「母さん(ママ)」「父さん(パパ)」と呼び合い、その役割のまま過ごしている。1人の人間としての人生、それをいつの間にか置き去りにしてしまった。象徴的な台詞として「母親養成ギブスで自分自身を縛っていた」と言う。

    一方、教習所教官・島原結衣(森谷ふみサン)は、夫と離婚し自立している。元夫・柴田勝(金田一央紀サン)は、漫画家で己惚れ 自意識過剰の性格のようだ。別れて7年、まだ結衣に未練があるようだ。コロナ禍という今状況も物語の中に落とし込み、リアル感を表す。
    大沢家の みのりと 宏作は久し振りに名前で呼び合い、少し照れ臭いが新鮮な気持も甦る。結衣と勝、この元夫婦も現状を見直し、夫々が自立し始めようと…。

    物語は順々に展開するが、登場人物が適宜 衣装替えをし 時と状況の変化を表す巧さ。
    さて、教習所教官と教習生、2人の女性が意気投合して向かう先はどこなのか。当面は北海道 斜里町の絶景ルート「天に続く道」を目指すが、それから先は自分の時間と生き方を更に模索するような清々しさ。
    次回公演も楽しみにしております。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    人生の舵を自分で握ることがまぶしくも思えました。何をするのにも、遅すぎるということはないんだと、そんなことを考えながらストーリーに引き込まれていきました。

    ネタバレBOX

    スタートのドライブの場面から家族のいい持ち味が出ていました。場面の切り替わりが絶妙です。家族個々の個性、人間味がにじみ出ていたので、観ていて胸にぐいぐいとくるのです。一見ばらばらに見えた人間関係が教習所の教官、漫画家までもが、不自然ながらもつながっていき、それが不自然さを忘れさせ、胸に突き刺さる展開、そして、なるほどと納得のいく、後味のいいラストでした。ストーリーの中に引き込まれて、考えさせられ、そして感動し、濃密な時間でした。
  • 実演鑑賞

    面白かったです。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    説明文というか、introとして書かれた文を読んで想像していたものとは違っていたけど、なんとも身につまされる家族劇。面白いのに、こちらにグサグサ刺さってくるシーンも多くて、痛いのなんの。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    予想していた話とは違っていましたが、実に見事な家族ドラマでしたね。年代的にもあるある感満載で、大いに楽しめました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    つきなみだけど、とても面白かったです。皆さんのコメントにもありますが。見に覚えあること多くて。ほんと良く書けた内容だったと思います。演者の皆さんの演技も、自然で好きでした。とてもいい時間を過ごせました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    シアター・ミラクルらしからぬ(?)、新井さんや森谷さんらベテラン勢(?)が新鮮。男はどいつもこいつもモラルがないっていう描き方が、ちょっと安易すぎるかなぁ。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    家族観というのを客観的に考える時間だった
    最近非日常の作品を観る機会が多かったので新鮮でした
    観に覚えがありすぎてダメージをくらってました
    自然な演技で本当にどこかの家庭をみているようでした

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    男にとっては痛いところを突かれる劇。

    ネタバレBOX

    見事にマチズモをさらして見せてくれました。

    ラストシーンは、ちょっと「テルマ&ルイーズ」を連想しました。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    家族のあり方につい考えさせられ、自分の此れからの人生について向き合わされる舞台でした。

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