実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/10/31 (月) 15:00
確かに「中年女性が運転免許を取る物語」だが、それを軸に夫婦・親子・兄妹など家族や大人になってからの友達などの人間関係にいわゆる社会問題まで織り込み、笑いと感動を存分に盛り込んでしかも細部まで丁寧なツクリなことに感服。
そして前日に観た演劇集団つむぐ「いつかまた生まれて来た時のために」同様、劇中の母親像に自分の母を重ね合わせたりする。今さらながらに「母親の心理」というものに気付く、みたいな?
しかし笑いと感動の「波状攻撃」ならともかく、同時にそれで攻めてくるのはやめてよね、観ていてどう対応したらいいか戸惑ってしまうもの。(笑)
実演鑑賞
満足度★★★★★
どこにでもありそうな家族
どこにでもありそうな家族を守っている、どこにでもいそうな中年主婦
こんな「どこにでもありそう・いそう」っていう言葉が何とも陳腐に感じてしまうほど誰もの人生が非凡でスペシャルだと気付かせてくれる公演
他人の赤裸々な日常場面を生々しくも客観的に観ることが、こんなにも楽しく共感・反発心を引き出して、やがては温かく染み入ってくるなんて・・・演劇ってやっぱり、イイ
一見冴えない中年の主婦をあの新井友香さんが演じるのは「ミスマッチでは?」と一瞬思いましたが、日常の蓄積に埋没させていた感情がジワジワ噴き出てくる様子なんてもう痺れるほど良い感じ、何て味のあるお母さん
全体的にも脂の乗った役者陣と若手の役者陣とが魂でぶつかり合って見事に融合
オモシロ演劇の神様がず~っと定着しているシアター・ミラクルでの、これがひとつの集大成 といった感がありました
実演鑑賞
満足度★★★★
最高の役者陣、大人の演劇、村上春樹にも通ずる文学性。後々今作を観たことが誇れるようになるだろう。
『individual license』とは『個人免許』の意味。いつもちょっと取っつきにくいタイトルが損をしている。
「インディヴィジュアル」と聞いてTHE MAD CAPSULE MARKET'Sの『HI-SIDE (HIGH-INDIVIDUAL-SIDE)』を想起した人も多いのでは。
作品の完成度は高く、脚本のお手本のような出来。これはフェミニズムも含め時代に合致、映画に向いている。本当ケチのつけようがない。敢えて言うならば教官と元夫の漫画家エピソードが安っぽい位。脚本の米内山(よないやま)陽子さんにリスペクト。こんな真剣な作品を真剣に観たかった。
家族旅行、旦那(有馬自由氏)が運転する車で高速を走行中、海老名でふと垣間見えた富士山の美しさ。妻である主人公(新井友香さん)はこの美しさに天啓にも似た何かを感じる。ブラック企業のIT土方で身も心も追い詰められている息子(平井泰成氏)。専門学校生のコンビニバイト、推しに愛を捧げることだけが生き甲斐の娘(環幸乃さん)。旦那は定年退職し、嘱託として気ままに過ごしている。ふと免許を取ろうと思い立つ主人公。
新井友香さんは凄い。梨を剥く演出は何万言の台詞よりも物を言う。
有馬自由氏は奥田瑛二スタイル。巧いねえ。
平井泰成氏はふてくされた今現在の若者の依り代。ネガティヴのカリスマ。山本圭が学生運動家崩れのこじらせ左翼を象徴したように時代を象徴する存在になって欲しい。
環幸乃さんはほぼ素なのでは。童顔に過剰な憎まれ口、キャラ的にゆたぼんを想起。
金田一央紀(きんだいちおうき)氏はパブリック・イメージ通りのクズっぷりを炸裂。見事。
森谷(もりや)ふみさんも凄い。この人物造形はリアル。彼女が本物だから嘘臭いファンタジーにはならない。現実に労働して生活している痛みの中から零れ落ちる煌めき。
凄く人間の核心的な部分に手を伸ばしている作品。餃子のエピソードが秀逸。必見。
実演鑑賞
満足度★★★★
中年女性が、運転免許を取得する過程を通して、自分のこれからの生き方を模索し、家族とは何かを考えた快作。夫とは職場結婚、子供が出来たことで結婚 退職し、そのまま家庭に入った。子供が成人し手が掛からなくなったこと、自分で車を運転して どこかへ行ってみたい。夫が運転する車(人生)に乗っているだけではなく、自分が運転することで 主体的に生きるという比喩が込められている。当日パンフには「インディヴィジュアル」=「個々の、単一の、別個の」という意味がある、と記してある。家族の話であるが、同時に1人の女性の物語でもある。
家族1人ひとりが物語から抜け出し、俯瞰するような立場で話の流れや状況の変化を説明する演出は上手い。家族であれば言わなくても分かり合える、という訳ではなく、それぞれがしっかり向き合うことが大切。そんな当たり前のことを解らせる説明シーンである。流れということでは、登場人物が衣装替えを適宜行うことによって、時と状況の変化を表す。
「失敗する”権利”を奪わないで!」は劇中の台詞、失敗することで味わう痛み・苦味が無ければ、人間は成長しない。それが運転免許取得=自分で人生行路の家事ならぬ舵を握るに繋がり、深みある内容に仕上がっている。
(上演時間1時間50分 途中休憩なし)
実演鑑賞
満足度★★★★★
人生の舵を自分で握ることがまぶしくも思えました。何をするのにも、遅すぎるということはないんだと、そんなことを考えながらストーリーに引き込まれていきました。
実演鑑賞
満足度★★★★
説明文というか、introとして書かれた文を読んで想像していたものとは違っていたけど、なんとも身につまされる家族劇。面白いのに、こちらにグサグサ刺さってくるシーンも多くて、痛いのなんの。
実演鑑賞
満足度★★★★★
つきなみだけど、とても面白かったです。皆さんのコメントにもありますが。見に覚えあること多くて。ほんと良く書けた内容だったと思います。演者の皆さんの演技も、自然で好きでした。とてもいい時間を過ごせました。
実演鑑賞
満足度★★★★
シアター・ミラクルらしからぬ(?)、新井さんや森谷さんらベテラン勢(?)が新鮮。男はどいつもこいつもモラルがないっていう描き方が、ちょっと安易すぎるかなぁ。
実演鑑賞
満足度★★★★
家族観というのを客観的に考える時間だった
最近非日常の作品を観る機会が多かったので新鮮でした
観に覚えがありすぎてダメージをくらってました
自然な演技で本当にどこかの家庭をみているようでした