公演情報
「お國と五平」の観てきた!クチコミ一覧
実演鑑賞
満足度★★★★
このお話は1952年に成瀬巳喜男監督で映画化されている。お國役は当時33歳の木暮実千代で、相当にエロかったという評判だ。本来は3人のみの登場だが映画ではそれまでのいきさつをお國の回想シーンとし、闇討ちにあった主人なども登場する。そういう展開にしたくなるような普通のエンタメ作品なのである。
ところが、この舞台のお國は仮面を着け、黒一色のたっぷり衣装で見た目にはエロとは無縁である。それどころか(経費節減のためか)全体に非日常的な表現で、アフタートークで佐々木敦さんが指摘したように五平に鎖を付けて連れているところはまるで「ゴドーを待ちながら」のような雰囲気さえある。ただし、主宰の神田真直さんはベケットとは関係ないと答えられたのが意外だった。あくまで歌舞伎や能の世界感らしい。一本の木の代わりにドラム缶を置いたと勝手に納得したのだが。
もちろんストーリーは不条理なところは全くなく、分かりすぎて身も蓋もないものである。3人の俗物のしょうもない争いなのだ。アフタートークでは悪人と呼んでいたが、まあ皆さん(含私)こういう立場になればこんなものでしょう。
コンクール用の演出なので極端なものだが不思議な世界観は十分楽しめた。
実演鑑賞
鑑賞日2022/11/17 (木) 20:00
京都を拠点とする初見のユニット。かなりノイジーな演出だった。60分。
予備知識皆無で観に行ったのだが、谷崎潤一郎の100年前の戯曲で、谷崎の作品では最も上演されているとのこと。しかし戯曲も初見。夫の仇討ちをめざすお國とその従者・五平が仇の友之丞と出会い討つまでの会話の展開。物語的には納得できにくい物語を谷崎が書いているのだが、仮面を付けての演技や、大きな音を意図的に出しているとしか思えない演出で、そこをなんとかしようという意図があるのだろうか。私のテイストではなかった。
アフタートークをするなら、20時開演はないだろう。ここは京都ではないのだから。
実演鑑賞
満足度★★★★
谷崎潤一郎 脚本で、演劇人コンクール2020優秀演出家賞受賞作、そして再演ということに興味をもった。言葉遣いこそ時代劇を思わせるが、その観せ方は現代劇風で、チャレンジングな演出をしている。
舞台美術や衣装はシンプルで、物語の核のみを抽出し描こうとしている。それ故 余計な装飾的な要素は削ぎ落したかのようだ。フライヤーは暗い中で面を付けた二人、そして鎖で繋がれている。いや正確には別の意味合いを持たせているが、真に表したい肝は切っても切れない武家社会の制度や人の情愛を表現していると言えよう。
登場人物は、わずか三人という緊密さ、そして仇討ちという緊迫状況下で繰り広げられる会話劇。濃密な会話、時に無言になり その隙間のような時間に、心の奥底に揺れ動く感情が透けて観えるようだ。
(上演時間1時間)