「Post Tenebras Lux. (ポスト・テネブラース・ルークス)」 公演情報 「「Post Tenebras Lux. (ポスト・テネブラース・ルークス)」」の観てきた!クチコミ一覧

★ 満足度の平均 ★ ★ ★ ★ ★ 4.6
1-8件 / 8件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    「みかえしたかっただけ」観劇。
    観劇から時間が経ってしまったけれど、本当に素晴らしい公演だったので、覚え書き。
    好みが分かれそうではあるけれど、私にはもの凄く好みの作品だった。響く人には震えるほど届くと思いました。

    ネタバレBOX

    ほぼモノローグで、たまにかわす言葉もすれ違っていたり、ウラハラだったり、シームレスにモノローグに乗り移ってしまっていたり。
    無言の時間もかなりある。
    しかし、とにかく空気が濃密で濃密で。視線の揺らぎや、開きかけて閉じた唇が、語る語る!
    脚本、演出、役者、音響、照明、美術がこれ以上無い位ギリギリを攻めた先で渾然一体になり、観客も、芝居を観ているのか自分の心を覗いてるのか分からなくなる場所に取り込まれる快感。
    物語を届ける芝居とは違う、総合芸術としての演劇を体験しました。
    何かが燃える様な、レコードのノイズの様な音…
    光が届くギリギリの隅っこでうずくまる夫…
    妻の鼻歌と目に突き刺さるピアスの反射光…
    もう2度と観られないのかと思うと、凄く惜しいような、ちょっと安心してしまう様なヤバい作品でした。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    「見かえしたかっただけ」
    コロナ下でなければそうはならなかったかもしれないことが、きっとあちこちでたくさん起きたに違いありません。見ないで済んでいた事を見せつけられたかもしれません。
    もしかしたら見えて良かったのかも・・・と思うことにしたいです。
    「見かえしたかっただけ」というわかりやすそうなタイトルだったのに、言葉通りで良いものか、私にはわかりませんでした。
    静かなお芝居ということで、会場は静かでしたが小さな声のセリフが聞き取れないところもあって残念です。

    ネタバレBOX

    冒頭、洋服をたくさん捨てようとするシーンがありましたが、いろいろ(思い出やら何やら)染み付いているような洋服を捨てるのは難しいです。断捨離できたらいいのでしょうが、できないのが性格ってもんです。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    #日野あかり #高橋壮志
    (敬称略)
    被って見える位置に立つ男女。それは、かつて二人の気持ちは交錯していたことを表すのか。だとすれば、二人が別の方向を向いているのも、既にその時からスレ違っていたのかもしれない。
    言葉と心は、いつだって裏腹で、男と女の宇宙の漆黒はどこまでも深く果てしなく広い。噛み合わない会話と自意識。二人でいるのに人気のない空間。そこに燃えるような恋はあるのか……かつてはあったのか……それももう定かではない。二人を苦しめているものは何か。一致しないそれぞれの苦しみの原因と場所と質。果たしてそれは共有すべきコトなのか、そもそも共有できるモノなのか。
    屋根は雨を凌いでくれる。天井は疑念や苛立ちの高まりを抑えてくれるモノなのか。
    目尻をかすめて頬へ落ちた女の髪のほつれが、二人の関係の破綻にも見える。
    思い出も関係も精算してしまおうという気持ちを、行ってしまったゴミ収集車が戒めているとしたら、離れてしまった心の距離を、腹を割ると言うより胸の内を切り裂いて真っ赤な血を見せるように吐き出した言葉が縮め、真っ暗な二人の未来という宇宙に微かな光を灯してくれるに違いない。いや、そうあって欲しい。
    痛みの滴となって紡がれる言葉。力があるモノローグ。力なく届かないダイアローグ。見つめる視線と逸らす視線。見つめ合うことのない二人。それでも二人が、真っ暗闇で道に迷いながらも、今はまだ見つめ合うことができなくても、並んで同じ方を向いているならば、かつて見つめていた時とは違ったとしても、それに似た、或いはそれに代わる何かを見出せるのかもしれない。

    夫婦に見えた二人に最大限の敬意と拍手を贈りたい。
    そして、演出・演技に見事に寄り添う音と光に、このチームの結束力の強さと確かさを感じると共に、派手なモノばかりが総合芸術の証明ではないことを実感している。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    感想遅くなりました。あいまいなしっそう を観劇。日常でそんなことないだろうと思いながら見ているうちに、あるかもと思えてくるから不思議。ラストも個人的には良かったし、役者の皆さんの演技も良かったです。面白かったです

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    吉田康一氏の「見かえしたかっただけ」という二人芝居を観る

    静謐

    開演前の注意で「静かな舞台なので、必ず電源はお切りください」と言われれたが場内物音ひとつしない、いや出来ない
    コロナ禍で家にいるようになったことからズレ始める二人
    会話劇というか、交代の独白と言った感じ
    表情と台詞の勝負
    二人の役者(日野と高橋壮志)が微妙な変化の照明と音楽と相まって、いくつかのメタファーとともに精緻に紡ぐ危うい世界

    ネタバレBOX

    女性(日野あかり)がたくさんの服が詰まったゴミ袋わふたつ持って出てくる
    別に断捨離したい訳じゃない、ゴミ収集が決まった日に来てくれるから出さないといけないと言う気になる、云々のセリフ
    それぞれの服の思い出を語りながら投げ出していく
    それもメタファーになっている
    最後の彼女の「ただ見かえしたかっただけ」と言う表題のセリフはちょっと真意を図りかねた
  • 実演鑑賞

    良い舞台だったと思います。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    「見かえしたかっただけ」を観劇

    コロナ禍で相次ぐ非常事態を生きていく中、本作のように遂にこじれてしまった夫婦・カップルはきっと多いと思う。
    この二人には もう優しく交わる時間など来ないのだろうか
    静かだけれども軋むような心の叫びがとても痛々しくて、カサブタをゆっくり剥がされていく様だと感じながらも舞台(そこ)からは逃れられないし、目をそらす事もできない。
    ならばその先には

    台詞の無い場面の所作であるとか、台詞を受けている姿・表情とか、そんなところにも刺さるポイントが
    楽しい内容ではないし、万人向けじゃないかもしれないけれど、「楽しい」を超える響きがそこにはあって、自分なりにそれを受け取る事ができたのではないかと確信
    今もって熱いものが残り続けています。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    面白い、お薦め。【あいまいなしっそう】
    奇妙な設定から垣間見える日常の不安や曖昧さ、その不確かさによって情緒の揺らぎを描いた秀作。見ず知らずの人と ひょんなことから話し出すが、そのきっかけが奇抜である。変哲のない日常の景色が少し違って見える、いや変えたい思いがある。しかし それは錯覚のような事実のような。

    ラスト、不安と勇気は背中合わせ。躊躇する思いを奮い立たせ一歩前に進む、その瞳に映る光景はどんなものか。そんなことを問い掛け、想像させる余韻が…。
    女優3人による確かな演技が、”表し難い情況”をしっかり形として観せ 感じさせる。
    (上演時間1時間50分 途中休憩なし)

    ネタバレBOX

    舞台美術は、古い歩道橋の手摺、真ん中にドアが倒れている。舞台下、客席との間に椅子2つと大きなクッションが上手に置かれている。上が外の風景、舞台下が室内を表す。どちらも普段の暮らしで見かける。ただ違うのは、落ちていたドアがあるということ。

    毎朝、見かけていたが名前さえ知らない女性2人、向中野蕗子(花島希美サン)と小笠原可奈(永濱佑子サン)が、歩道橋の真ん中に倒れているドアに興味を示す。2人が協力してドアを立ち上げ、蕗子が支え 可奈がドアを開けてみる。同じ空間であるにも関わらず、違った風景が見えたような気がした。このドアが数日間放置されており、2人は気になってしょうがない。可奈の友人・江尻亜美(わたなべ あきこサン)はその話に興味を示しつつも、自分の目下の関心ごと、それは可奈の元カレ<あんどう君>と付き合いたいこと。2人の会話が登場しない あんどう君の人物像を立ち上げ、存在感を増していく。それがドアに繋がっていくという、少し強引な展開だが、序盤のドアを開けたままの光景に結び付ける。

    一方 蕗子は理想のような夫と暮らしているが、苛立ちを覚えてしまう。何でも笑って許してくれる夫、その完璧さが鼻につく。隙のない夫と本音で向き合えない悲しさ寂しさ。可奈は出会った時に蕗子が呟いた「しっそう」(状況的には<失踪>)したい という言葉に驚く。そんな蕗子に淡い恋心が芽生えた可奈自身の戸惑い。ドアを開けなかった蕗子は、家庭(夫)という目に見えない鎖に繋(縛ら)れた景色を見ていた。舞台の上に立たせたドアの上手下手は同じ空間だが、開ければ違う景色が見え、閉めれば二つの違う空間に分かれる。

    <あんどう君>を通して、可奈と亜美の夫々の思いを遂げる。可奈は、曖昧な態度を改め明確に別れを伝え、亜美は成就させようと必死の工作をする。蕗子は夫と別れる決心をして…。ドア(の開閉)を通して、普段の暮らしにちょっぴり変化をつけて違う光景をみる。曖昧な関係の先にある透明になるまで…こちらは「疾走」する言葉に変換するようだ。
    公演の面白いところは、物語の端々に詩的な言葉(台詞)があり情緒を感じるところ。さらに亜美がピアニカの演奏、落語、そして表現しにくい "ぼよよ~ん"という脱力系の仕草で曖昧さ 揺らぎを表現する。敢えて観せるシーンを挿入し、演劇的な面白可笑しさを強調させたかのようだ。勿論、照明の諧調によって時間や状況の変化を印象付ける。

    あまり利用されなくなった歩道橋(近くに横断歩道がある)とはいえ、数日間放置されているのは現実的ではない、などとは言わない。出来れば、その数日間の時間的な経過を表すため、せめて上着だけでも衣装替えをしては と思った。
    次回公演も楽しみにしております。

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