復讐回帰 公演情報 復讐回帰 」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
1-10件 / 10件中
  • 満足度★★★

    少し長いか
    ちょっと物語最初の部分について物語に引き込む力が弱いかなと感じましたが、中盤以降はなかなか面白かったです。
    引き込む力が前半弱かったからか、上演時間も体感的に長いように感じました。
    後、初日だったので、硬い箇所や細かいミスなどが見られましたが。

    浅利ねこ作成の衣装、今回もなかなか綺麗で可愛くてよかったです。

  • 満足度★★★

    内容的には好きなタイプだが
    「太陽系を作り出す」ハナシを縦軸に「復讐」に関するいくつかのネタを絡ませ、野田秀樹チックな(いや、もう少し地口寄りか?)言葉遊びをまぶした作品、内容的には好きなタイプながら、手法に既視感があるというか、何か借り物のような、板についていない感覚があるのはちょっと残念。
    たとえば早口の台詞の部分、その手法の先達であるアソコなどと比べるまでもなく歯切れよさに欠けるために聞き取りにくいとか…。
    とはいえ、内容については先述のように好き。「キラー・オブ・ゴッド」が「吉良上野介」、「朝の神さん」が「浅野内匠頭」に転じての「忠臣蔵」や「四谷怪談」、「アンネの日記」に「さるかに合戦」など、タテ軸から連想ゲーム的に横にも展開して行く構造は好みだし。
    また、アフタートークで主宰から「当初は『ハムレット』もネタの候補にあげながらも使えなかったと思っていたら、亡霊が装置の下段から登場するシーンがあたかも先代王の亡霊の登場のようなので「後付けで」ト書きで指定した」というエピソードが披露されて「なるほどぉ」みたいな。
    で、これって後付けと言うより、使おうと思っていたので無意識的に出たのでは?
    また、「太陽系を作っているその場も太陽系内にあるのでは?」という質問もあったという話からは、自宅のミニチュアを友人に見せて「音も聞こえるんだ」と超小型マイクを模型の窓に入れたら実際の窓からマイクが入ってきた、という広瀬正(だったと思う)のショートショートや夢野久作の「ドグラマグラ」を連想。

  • 満足度★★★

    役者コンディション
    がわるかったのかな。脚本は、すてきでした。

  • 満足度★★★

    偉大なる未完成作品。
     最近はプロデュース公演というのが幅を効かし、一人劇団というのが多い中、これだけ才能の集まった劇団は少ない。

     それらのメンバーが佐野木雄太を中心に刺激しあい、相乗効果を生み出している。今回の公演でも予習復習回帰という特設ページを作っている。
    http://gekidan-ginseki.com/revenge.html

     この内容は全ての劇団に真似してもらいたい内容だ。そして、公演中にUSTREAMで情報を流すなど、やることがいちいち斬新だ。これからどう発展していくのか楽しみでならない。

    ネタバレBOX

     佐野木雄太の詩のような言葉、刺激的な照明、挑戦的な音響、そして舞台美術、衣裳、小道具、ありとあらゆるところに宝石が散らばっているような公演だ。しかし、個々の宝石にばかり目が行き、公演全体としてはちぐはぐさを感じた。ここら辺にもどかしさを感じる。

     公演を観ながら何故なんだろうとずっと思い続けていた。見終わって感じたことは、やりたいことが多すぎる、そして求めるところが高すぎる。それゆえの破綻だと感じた。

    どんなに素晴らしい宝石を体中につけても、だからと言って美しくならないと同じだ。しかし、そこまで考えたとき、若手の伸び盛りの劇団が小賢しく調和やバランスなどを考えてもしょうがないと思った。色々と未完成の部分、アンバランスな部分、それらを残していることが銀石の伸びしろだ。

     いつか佐野木雄太が自分のやりたいことをやり遂げたとき、どんな素晴らしい舞台が誕生するのか楽しみに待ち続けたい。
  • 満足度★★★★

    物凄い知識量!
    全知全能のゼウスが宇宙創世をしたような感覚の物語。登場するキャラクターはイッチャッテル!笑)  
    ハイテンションに疾走するものだから、あれよあれよという間に次の物語に飛ぶ。そんな舞台を目のあたりにセリフの一部始終を聞き逃すまい。との意気込みから首を右往左往ブレまくりながらキョロキョロするワタクシ。笑
    いやはや、すんごく楽しかった!

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    物語は大ナベを囲んでのキッチング風景!何やら魔女が作る秘薬のように悪の塊みたいなおどろおどろしい物ばかりを投げ込んで作る。どうやら太陽系を作ってるようだが、出来たてホヤホヤの太陽系は回転しない。これを回転させないとヤヴァイでしょ。「回転がない。一日の概念がないぞ!」ってな話から、それぞれの神々は復讐の輪廻、つまり、復讐の連鎖によって太陽系は回転するといきつく。

    死界の王、「冥王星」やらその他の惑星と創造の神々が登場し、ギリシャ神話の世界を彷彿とさせる。この中で更に「日本昔話」や「忠臣蔵」も取り入れ、雑多な物語は錯綜するが、どうやらベースになってるのは「アンネの日記」だと解釈する。「アンネの日記」での最後の日記は1944年だが、この日の日記でアンネは希望に満ちた言葉を述べている。

    「復讐回帰」も終盤は希望を予兆するような終わり方をしているが、終盤までの展開はロマンなのだ。人間を地球に置いてケモノを地球から引き上げ他の星に散りばめた場面は星座を表すロマンだ。キャストのキャラクターによって全体的にコミカルな演出だが、宇宙を創世する壮大な物語だった。

    太陽系の創世は神々の手から離れあまねく生命にゆだねられた。・・・と収束させる筋は、これ以外は考えられない終わり方だったと思う。ギリシャ神話にちなんだ神々の登場はワタクシにとって物凄くオモチロ可笑しいのだった。大爆笑はないものの、クスッと笑える箇所も満載だった。

    ちなみに「冥王星」の名前を付けたのがベネチア・バーニー。オックスフォードの女生徒。1931年の頃、多くの人はローウエルと命名したがっていた。しかし一人の女生徒が「プルート」と言い出して、あっという間に世論がそれを支持していった。アメリカ人が発見したのにイギリス人が名前をつけるのはどういうものかという反発が勿論アメリカ国内にあったが、そのネーミングのあまりの絶妙さにやがて抵抗できなくなってしまった。という説が・・。

    物語ってのは知れば知るほど面白い!

  • 言葉遊びで紡がれる。
    シンプルでありながら目を引く舞台で描かれるのは、宇宙の始まりと混沌。復讐心はいつまでも褪せない原動力。
    久々に観ましたがやりたい事は変わっていないのがすぐに分かりました。確かに野田秀樹的ではある。だからって気にして変に違いを生もうとしするのは得策ではない。この作風に小手先の調整は似合わない。まだ若いのだからひたすら全力で貫くべし。そして越えれば良い。
    場面の移り変わりがもうちょっとスマートであってくれたら。役者の退場がちょっと雑に見えました。そこにも演出の手をしっかり入れて欲しかった。アフタートークで佐野木さんは「書いた後は自分でも意味が分からず公演中に気付いたりする」と言っていたので、恐らく出はけも台本の時点では頭になくて稽古場で後から演出しているはず。場面の繋ぎである出はけは綺麗に納めてくれたら。せっかく耳で聞いてリズムのある作風なのだから、目で見てもリズムがある進みであって欲しい。

    ネタバレBOX

    タイニイアリスで観た時のほうが熱量は受け取れたかも。低さと狭さが密にしてくれていたのか。少人数が入れ替わり立ち替わり登場して、場合によってはちょっと熱不足だった。場を埋め尽くすだけの熱量に達するだけの人数を一度に出してしまうべきだったか。
    個人的にはラストも人数の多いほうが良かった。光になったのが姫様の友達だけだったので結局の締めが姫様寄りで終わってしまった印象。総動員であの空間を埋め尽くすくらいたくさんの星々が出ても良かったかも。伝えたかった雰囲気は察したものの、その為には圧倒的な見せ方が必要だった。繊細なものを繊細なまま伝えるにはあの時点での観客の心境を過信したか。自分は物足りなさを感じました。
    劇場機構の問題だけど、スピーカーの位置が残念。天井に吊されていた為に、どうしても音響が上のほうの空間にだけ流れて感じられて。演技との一体感が損なわれていた気が。勿体ない。
  • 満足度★★★

    シェイクスピアのよう
    壮大なモチーフの中の、細かい言葉遊びが愉快でした。衣装が、ダサカワイイ感じなのか??ピンときそうでピンとこない。役者さんはっちゃけてて良かったですが、観てて恥ずかしくなるような方も結構いました。ぶっとんでても心は持っていただきたいです。

  • 満足度★★★★

    言葉との格闘技
    「太陽系誕生譚」に「魔笛」や「忠臣蔵」「東海道四谷怪談」や「アンネの日記」やらが複雑に絡み合い、観客の頭も混乱しそうだが面白かった。万人にウケル芝居ではないと思うが、この劇団には強烈な個性がある。
    佐野木さんは「夢の遊眠社」で野田秀樹が頭角を現してきたときに感じたものを思い起こさせる。私、個人的には、あの当時、野田さんのブッ飛び感には付いていけなかったけど、佐野木さんにはそのような隔絶感はなく、じゅうぶん楽しめてます。ことば遊びが、どこかシェイクスピア風で、理屈抜きに面白い。
    佐野木さんは才能のある人だと思うし、プロデューサーが違う視点でサポートしているのも評価できる。
    舞台装置や照明、音響、劇団の名物ともいえる浅利ねこの衣裳なども戯曲をよく助けていた。でも、苦言がひとつあるのでネタばれで。

    ネタバレBOX

    ストーリーを説明すると長くなるし、今回の場合は、とにかく実際に観に行って確かめるべし、という芝居ですね。
    登場人物が多く、全編、言葉との格闘。役者の滑舌が台詞についていけない箇所も多々みられたが、それはしかたないかと目をつぶります。
    主役のパミーナの浅利ねことタミーノの加藤諒はこの世界でよく生き、奮闘している。
    紅や白粉を流して意思表示するという場面は、元は中国の故事から来てると思うが、文楽や歌舞伎の「国戦爺合戦」の錦祥女の「紅流し」のくだりを思わせてハッとしたし、最後の戸板の裏表に男女が張り付く場面は「東海道四谷怪談」の趣向を面白く生かしていると感心しました。

    最後にどうしても気になったことを書きます。劇中「ぐんくつ」という台詞がでてきたので、「軍靴=ぐんか」のことかと思い、PPTで作者に質問したら「軍靴をぐんかと読むとは知らなかったが、自分はリズムや言葉の響きを大切にして書いているので今後も変えるつもりはありません。ぐんくつで行きます」との答えが返ってきた。PPTでは時間がなかったので、あえて反論しませんでしたが、「ぐんくつ」というのは明らかに誤読なのですよ。製靴業は「せいかぎょう」と読むが、「せいくつぎょう」とは読まない。「靴」は重箱読みはしないのです。「革靴」は「かわぐつ」と読むが、どちらも訓読みです。ショートブーツのような靴を「短靴」と言い、こちらは「たんぐつ」と読みますけどね。
    「音の響きがいいから変えない」というのは「屁理屈」というもので、これは、個人の好き嫌いの問題ではなく、「ぐんか」というひとつの名詞なんです。軍人の履く編み上げ靴を指す名詞なのです。
    現に「ぐんくつ」って本来はない言葉だからこそ奇妙な響きで、私など耳に心地よいどころか、かえって耳障りだから気づいたのです。「軍旗」は「軍規」と音が同じ「ぐんき」ですが、あえて「ぐんき」で「ぐんはた」とは読みません。たとえば、「滑舌=かつぜつ」を「かつした」と読んだり、「田園」を「でんえん」でなく「でんその」と読んだら、変でしょう?「ぐんくつ」はそれと同じことです。
    確かに「ぐんか」と言うと「軍歌」とまちがえそうなので、どうしても「くつ」と読ませたいなら「軍人の靴」と言い換えるべきです。演劇という言葉を扱う仕事をしている人なら、胸を張って誤読を通すなんて恥ずかしいことですよ。麻生太郎ではないのだから。試しに調べてみると、最近の国語辞典には「軍靴」ということばは載っていないんですね。戦後のなせるわざなのか、まあ、こんな言葉は平和のためには使われないほうがよいのですが。漢和辞典にはちゃんと載っています(「軍靴」の「靴」は「化」にヒゲのつく旧字を使うのですが)。
    佐野木さんも何かの本で「軍靴」という字をみつけて使ったのでしょうが、誤読はあくまで誤読なので、私のようにそれを知っている者が聞けば、「役者が台本の字を読み違えている」と誤解するか、「作者が誤読したまま上演している」と解釈します。そんなところで表現者の意地を通してもプラスにはならないのではないでしょうか。小劇場のような狭い世界だから許されるが、中央劇界でそんなことを主張したら、識者に笑われますよ。才気のある劇作家だけに残念に思います。
  • 満足度

    ううん、以前と比べると・・・
    やはり、以前と比べるとグレードが下がった感じに見えました。なんだろう、学生劇団に戻っちゃいましたみたいな。これで2500円とる価値はないかなぁと。価値的には1200円なら、なお芝居。作り方が勢いだけで、練られてないなと。もっと考えて創ってみれば?

  • 満足度★★★

    プロデューサーさんに注目
    気持ち的には☆3.5、という感じでしょうか…いや、悪くはなかったんです!

    ともあれ。プロデューサーさんがいる劇団というのはやはり注目してしまいます。一部事前に脚本を公開するなど、制作面におけるこだわりが色々と感じられ、大変興味深い・注目劇団さんだな~、と!偶然アフタートークがある回だったようで、最後まで劇場にいました。勿論、制作や作演以外の、照明・美術・衣装etc.スタッフ面もグッジョブ♪♪♪スタッフ面で「小道具」表記がなかったのが残念…?面白い素材、沢山使ってましたね。そのアート感は若手劇団らしくとてもイキイキ感じました。これからの活動にも、期待してます!



    ・・・関係ないかもですが、少し前に観た芝居が偶然ぬいぐるみハンターで、そこで主演?してた方が、宣伝美術をコチラで担当されていたようで。優秀な人って繋がってるんだな~とニコニコしてしまいました(^^*)

    ネタバレBOX

    <☆5は滅多につけないので、☆4が私個人は「とっても良かった」ラインなのですけど…(ごめんなさい) というわけで「良かった」のと「これからにも期待」の☆3であります。

    事前に一部公開されている脚本を読んで、とってもワクワクしてました。試み事態も、そして脚本自体も面白かったし、さらに「あの台詞がどんな演出になるのか」と、とっても期待できたので!

    ただ、実際は私が「面白いな~」と感じた部分が、演出面であまり重要視されていなかった(?気がする)のが残念でした。重要視されていなかった(気がする)のは、台詞の大半が、コチラに「届かなかった」せいです。実は結構難しい台詞の連鎖なので、滑舌や、言葉の意味をキッチリこちらに届けられている役者さんが少なかったように見受けられました。
    スピード感はとても良いと思うのですが、逆にスピード命のような…?言葉の羅列になってしまって、意味がコチラに入ってこなかった為、かなり辛い時間帯も。脚本の良さや台詞の良さが想像つくだけに、つい「もったいない」思ってしまったり;

    なんというか「一所懸命、聞かなくちゃ」というのが長時間続くのも、しんどいものでして。…って、これ年齢のせいかなあ?(苦笑)
    とうわけで、そういう意味で少しマイナスさせていただきました。役者のレベルにバラツキがあっても、それでも「面白い舞台を創れる!」という試みであれば、勿論これからも続けていって欲しいです。間口が広いって、劇団としてあ悪くないと思うので。メソッドもあるとの事で、創ろうとしている作品そのものは、大変面白いと思います。

    今でもかなりカッコイイですが、若さ+αの深みがでた時が、ちょっと楽しみです☆

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