別役実vs阿藤智恵part-Ⅲ 公演情報 別役実vs阿藤智恵part-Ⅲ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
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  • 満足度★★★★★

    後半が、かなり面白かった
    須藤沙耶さんがとても生き生きしていて良かった。
    役者は全員良かった。

  • 満足度★★★★

    不思議な世界を魅力たっぷりに描く!
    Bプログラムを観させていただいた。作、阿藤智恵、演出=冨士川正美というオリジナル作品『バス停のカモメ』。Aプログラムで別役実の三本立てをやり、Bプログラムでオリジナルをやり、共通するモチーフはバス停というところが面白い。

     舞台にはバス停がひとつ。 いかにも別役実の世界のような舞台装置。しばらく、物語は別役作品のように不条理感たっぷりの言葉遊びが続く。しかし、この作品は単なる別役実へのオマージュではない。あえていえば、別役実にチェーホフを掛け合わせて、化学反応を楽しもうとうような作品。全く相反するものが、混ぜ合わせて食べると意外とおいしかったりするが、それに当たるのが今回の作品。チェーホフと別役実、意外と合うじゃないと感じた。
     
     もちろん、作品自体は阿藤智慧のオリジナル作品であり、そこに描かれるのは阿藤智慧の世界であることは間違いない。物語の中に閉じこめられた家族、そのフィクションの中で生きる人々が外界へ出ようとする物語と、仕事で旅をする男が迷宮に迷い込んだ物語を両A面で見せてくれるようなストーリー。シンプルだが奥が深く、想像力にあふれる物語だ。(続きはネタバレで)

    ネタバレBOX

     その重構造の物語を演出の富士川正美が正攻法で演出し、役者の少し抑えた演技で、物語にさらに奥行きを持たせた。ラストシーン、背景に鏡が出現し、フィクションの世界から現実の世界に旅立つ娘の世界観の変化と、所詮はどこにも逃げられない鏡の世界の物語という二面性をしっかりと感じさせた演出は見事。

     役者ではセールスマン役の内田龍麿の安定した演技。不思議な母親役を演じた水野ゆふの個性に惹かれた。登場人物はそれぞれ達者であり、声がいい。

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