ログログ 公演情報 ログログ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
21-31件 / 31件中
  • 満足度★★★★★

    つながりあう人間関係
    あの人とこの人がこうなって…
    と、こんがらがりそうになりますが
    話の展開が見事なので気になりません。

    バラまいた伏線もきっちり回収して
    そう来たかってハッとしました。

  • 満足度★★★★★

    丁寧に積み上げられた台詞劇
    場面展開や時系列の進め方の演出が巧み。
    どの登場人物も役者がうまく魅力的。
    会話がいいし、面白い。
    思わず引き込まれた105分。

    ネタバレBOX

    長く生きていると、誰もがどこかに空白を持ってしまっている。
    それを埋めないと生きていけない。

    記憶は曖昧だ。
    自分の都合の良いように置き換えたり、すり替えたりすることはよくある。
    と、いうか、他人の記憶と違っているところがあったりすることも、ままある。
    共通であるはずの出来事なのに、視点が違ったり、ポイントが違うことによって、記憶が異なるぐらいよくあるし、誰かと誰かを取り違えてしまうこともあったりする。

    それが極大化してしまったニイムラという存在が現れる。彼は、同じクラスメートにとっては、重い黒い点となって、彼らの歴史に爪痕を残している。
    それだけに、「ニイムラ」という存在に対する記憶は、なんとか一致させたいと思うのだ。それは、クラスメートたちにとっては、「真相」というモノが抜けてしまった、ぽっかり空いた「隙間」でもあるからだ。

    そうした、「特殊な」、そのニイムラの存在は、この舞台で象徴的に位置づけられる。
    何かを何かで補完する、埋める、という意味において、

    それは例えば、亡くなった子どもの代わりに、夫の弟だったり、引きこもっていて、空いたままの記憶だったり、ココロの隙間を埋めるための、愛情だったり、ギャンブルだったり、お金だったり、未来に伸びる空白を埋める飛行機の折り紙であったり、ニイムラの事件に対する真相だったり…。
    そんな、代替物でも心の平和につながったりする。

    空いてしまった隙間(空白)は、埋めなくてはならない。とにかく、とりあえず手元にあるもので補完(補充)して、世界は危うい姿勢で、ようやく立っている。

    なくなった何かを、それと同等の質量で埋めるには、そんな間に合わせで埋めるには、まだまだ不十分だけれども、「幸せ」と呼ぶには十分な質量ではあろう。
    みんな、実はそんな感じでやって(乗り切って)いる。

    そんな、なんとかギリギリに立っていて、「幸せ」な人々の姿があった。
    あり合わせの何かで隙間を埋めて、それでもって、過去を、今を、そして明日を生きていくのだ。


    役者では、ニイムラを演じた三浦俊輔さんが出色。シマウチ(中川智明さん)の体内から(暴)力が溢れそうなのに哀しい感じもよかったし、イサミ(岡田あがきさん)の女子力が高そうなところや、ワダ(堀越涼さん)のしなやかさも印象に残る。また、ナカヤマ(こいけけいこさん)の「あ、いるいる」感というか、男前なところが、中学の女友だちを思い出させてくれた。好感度高い。

    ただ、カウンセリングをするのならば、ニイムラとはそれらしい会話が必要ではないのだろうか。基本的な手法ぐらいは一応ある上での、会話(カウンセリング)であったほうがよいのではないかと思った。また、睡眠薬の多量摂取で入院した元看護師に対して(本人は「そういうのじゃないから」と言ったとしても)、医師の「頑張って」の一言は不用意すぎるのではないだろうか。医師だから、それは逆効果だということぐらいは知っていて当然だろう。

    あ、そうそう前作『スメル』からの引用とかがさらりと入った遊びが楽しかった。
  • 「役者は」上手い
    ただ、内容が…ちょっと。
    世界観が狭い中に色々ぶち込んじゃったので、最後整理出来ずに
    強引な力技でねじふせた印象。 最後の展開は個人的には「無かった」。

    なんかニイムラの存在が軽くなっちゃってて、誰かに都合よく動かされる
    人形みたいだ。。。 

    ネタバレBOX

    導入部分の、ニイムラの屋上からの転落をめぐるアレコレが結局本筋と
    全然絡んでこなかったり、相手の記憶を自分のものと混合する性質も
    最後の最後で思い出したように使われるだけなので、最後の尻すぼみ感が
    凄かった。。 

    何だろう、ニイムラが自分の母親に殺されかけたエピソードを語るとこは
    生々しくてとっても響いたのに。 第二部に入るところから役者の演技に
    反比例してホンが現実味を無くしてって没頭出来なくなりました。

    割と出番の多いアズミがいかにも「男男し過ぎて」好きになれなかったのも
    大きいよなぁ。 ちなみに、シマちゃんが一番好きかな、この劇の中では。
    言いたいこととやってることが登場人物の中では一致してる方だと思うんで。

    脚本が二十年前の話を語りたかったのか、「記憶」をテーマにしたかったのか。
    見せたいものの優先順位を整理して欲しかったです。
  • 満足度★★★★

    上手いねぇ~
    最前列で空間満喫!

    全役者を生かしきった素晴らしい内容。
    いろいろ刺さってきた。

  • 満足度★★★★

    各要素をバランス良く取り合わせ
    謳い文句の「優しい重喜劇」とはこういうことか、と納得。
    と同時に犯人も探偵もいない推理モノとしてもよくできており、終盤でのシマウチ夫妻の姿には泣かされる。
    そんな風に各要素をバランス良く取り合わせたさまは「芝居版オトナ向けお子様ランチ」的な?(笑)

  • 満足度★★★

    院内&同級生恋愛
    「ER」みたいに病院ってそんなに院内恋愛が日本でも多いんだろうか。おまけに中学時代の同級生もからんで世界が狭いこと。ちょっとミステリータッチの筋立てで飽きずに見れる。簡素ながらモダンな舞台装置が素敵なので、始まる前から良く見てください。

  • 満足度★★★★★

    違和感から浮かび上がる世界の秀逸
    舞台上に現れてくる様々な感覚が、
    単純に予定調和するのではなく、
    収まりきらない感じで観る側にやってきます。
    それが、くっきりと舞台上にあるものの
    本質を
    浮かび上がらせていく・・・。

    作者一流の独特の質感をもった舞台に、
    しなやかにがっつりと取り込まれてしまいました。

    ネタバレBOX

    惹かれるトリガーがとてもたくさんあるお芝居でした。

    トラムの広さや空間の高さが生かされて
    大きくいくつにも区切られたスペースの中に、
    ルーズに連携したシーンたちが
    次々と広がっていきます。

    冒頭から、
    シーンそれぞれの色が
    互いにどこかなじまないまま、
    でも、くっきりと作りこまれて
    観る側にやってくる。

    個々のシーンの中には、
    たっぷりのウィットも込められていて、
    登場人物のキャラクターも
    雰囲気も、時制のトリガーとなるものも、
    その中でちゃんと成立している物語もあるのですが、
    一方で
    それぞれのシーンの色にも内容が
    他のシーンたちと
    すっとはまっていかないような感覚もあって。

    それは、ずれたり重なりあわないということではなく、
    同じ場所に置かれたものの
    形状や大きさがことなって
    それぞれにはみ出しているような感じ・・・。

    でも、その違和感こそが、
    観客に、舞台全体のありように対する、
    いくつもの視座を与えてくれるのです。
    浮かんでくるもの、見ようとしているもの、隠されたもの、
    消えたもの、再び現れたもの。
    置き換えたもの、塗り込められたもの、塗りかえられたもの・・・。

    舞台に描きこまれたものたちの
    それぞれに込められたニュアンスも
    違和感に照らされて、
    ランダムに色を変えて浮かび上がってきます。
    個々のシーンが他のシーンに踏み込んでいく時の、
    しなやかな突飛さと
    観る側にそれを受け入れさせるに足りる切れに
    目を見張る。

    すんなりとはいかないし、
    必ずしも折り合いがついているわけでもない、
    でも、それを含めて
    その場にある時間が、
    観る側自らの深層にあるものの
    俯瞰図のようにも思えて・・・。
    同じシチュエーションの異なるシーンが現れることも、
    失踪することも、突然現れて思い出すことも、
    叩くことも、まさかの蹴りがやってくることも、
    個々の違和感を包括した
    全体の豊かで鮮やかな表現として
    観る側にやってくるのです。

    あそこで、あの形でやってくる、
    「かあさん」は凄い・・。

    役者たちには力量と安定感がありました。
    ロールに対する精度をもったお芝居が
    それぞれに醸し出していく
    デフォルメされていたりナチュラルだったりする
    ふくよかなニュアンスたちが
    舞台をがっつりと下支えしていて・・。

    ラストの折り紙のエピソードに
    描かれた世界が
    さらに自然に観る側の視野を広げて見せる。

    終演後、そこには
    細密に削り出された
    「記憶」の質感が置かれていて。
    描く世界の独自の色の秀逸を含めて
    過去作品でも強く感じていた
    作り手の才を改めて実感したことでした。

    ○○●●●☆★★◎




  • 満足度★★★★★

    深刻そうな表情でも笑うさ
    トリックのような味わいに、それそれのキャラの微妙なズレ感が秀逸。

  • 満足度★★★★★

    お勧めします。
    これでもかと言うほど素敵な役者が揃っている。その役者が魂のこもった演技をしている。そして本が素敵、演出が素晴らしい。何拍子揃っているのかわからないほどの良作。初日から完成度が高い。

    関係者に聞いた話だが、チケットが飛ぶように売れているとのこと。すでに日曜日は札止め、土曜日も残席わずか、もし、観ようと思ったらすでに今日になった金曜日の昼夜しかないらしい。お勧めはいとうせいこうがアフタートークでくる金曜日マチネらしい。

    役者はみな魅力的だが、なかでも中川智明がまたまた素敵な演技を見せてくれる。彼の演技を見ているだけで幸せな気分になる。それくらいの演技だ。

    ネタバレBOX

    フットサルが趣味という川田希がラスト近くにすごい技を使う。その技のすごさにわれわれは大笑いし、大泣きする。必見だ!
  • 8月26日(木)M
    絶妙なバランスで成り立っている良作。

  • 201008261500
    201008261500@シアタートラム

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