満足度★★★
四季のお家芸
9歳と7歳、知り合いの子供を連れて行きました。
「ライオンキング」「キャッツ」がいいかなぁとも思いましたが、
どうやらパペットが怖いらしく、子供達はユタを選びました。
動物は怖くでも、座敷童子(妖怪!)は怖くないんですね。
今回のチームでのユタ上演は、本当にレベルが低かった。
新しい人が多いせいか、例の台詞をはっきり伝える話し方を
意識しすぎで、どいつもこいつも棒読み、酷いものでした。
特に、出番が少ないながら、ユタの母親は、そのはっきりと、
ゆっくりとテンポなく話す台詞に、正直、観客をバカにしているのか!と
感じるほど。
妖怪の親分を、菊池正って人がやっていました。
この人、本当に大部屋役者感たっぷりの人で、苦節うん十年って
雰囲気がにじみ出ています。
いじめっ子のユタの同級生をやったと思えば、親分もやる、
ベテランですから何でも出来る、代役も練習相手も何でもござれでしょう。
見ていて新国劇かと思うような節回しまで、ありました。
しかし、悲しいかな、華が全くない。
やっぱりショービジネスは人気商売、選ばれた人だけが生き残れる、
生まれた時点で勝負の決まる世界なんでしょう。
いくら上手くても、いくら経験があっても、
そうじゃない人は、有料公演の舞台の真ん中で大きな役をやっちゃいけませんよ。
作品自体は、古今東西変わることない、
素朴な内容ですから、
小学生以下が見るには、良く出来てます。
台詞がよくわかるのは、四季のお家芸ですから。
ファミリーミュージカルとしては合格点でしょう。
あまり引き合いにされませんが、
こんなショボショボのキャストのファミリーミュージカルのほうが、
今度上演される豪華キャスト総出演のシスカンパニー「瞼の母」よりも、
チケット代金は高いんですね。
子供に見せる作品なんですから、\3000がいいとこじゃないでしょうか。
装置や演出も古く、もう原価売却しているのですから、
その程度でいいんじゃない。
そうそう、今のユタの子は、四季にしては珍しく、
役のイメージにピッタリの子なんです。
線が細く色が白く、見るからに都会のもやしっ子。
優しい、気の弱そうな顔立ちです。
しかし次の候補の人が、脇で出ているのですが、
これが筋骨隆々、顔つきもたくましく、
どう見ても、いじめっ子にしか見えない。
踊りや歌が上手くても、年齢とか、その人の雰囲気に合った
キャスティングはしてほしいですね。
満足度★★★
フレッシュなユタ登場!
なんとも、フレッシュでキャラクターにピッタリなユタが登場した!
色白で線が細く小顔でナイーブな雰囲気、そして少し暗いまなざしを
持った主役の彼はユタにピッタリ!
吉沢梨絵のピコ(「夢から醒めた夢」)と合わせ
新世代を感じさせる配役となっている。
こういう新鮮な配役をミュージカルファンは楽しみにしているんです。
確かに新星ユタは、台詞は棒読み、表情はたどたどしく
演技もぎこちない。プレビュー公演や新人公演ではないんだから
これで正規公演分の料金で見せるには値しない。
いいとこ半値だろう。
今回は200回公演以上あるから、何度も演じていけば
そのうち芝居もこなれていくだろう。来年の東京凱旋公演時は
立派になっているかもしれない。
ただ大抵の人はリピートせずに1作品に1回足を運ぶだけなんです。
大抵の人は「作品の成長」なんて目で芝居なんか見ない。
まさに一期一会。
だから新しい人に演じさせるのは
勿論大切だが、その辺りの料金設定は検討して欲しい。
でも、演技や歌がうまいから、と、
ベテラン勢が、いつまでも少年ユタを演じるには
基本的に無理がある。
四季には、その傾向は多分にある。
従来の田辺ユタが、今でも演じていれば
オープニングの「いじめ」のシーンが
「リンチ」となり無邪気さではなく陰湿な内容に見えてしまう。
それに、いじめっこより十分強そうな望月ユタでは
それだけでリアリティがない。
そもそも彼らは体が大きいから、いじめられっ子には
ならない。加えて顔立ちが垢抜けていないから東京っ子には見えない。
そういう、いわゆる「見た目」が新星ユタはぴったりです。
カーテンコールで真ん中に立つ姿は、
小さいけど華さえもある。
肝心の話なんだけど、いかんせん古臭い。
中途半端に古臭い。
特定の時代を描いた作品でもなく
現代劇のつもりで上演しているのだから
今時、いくら田舎でも、あんな光景はねぇよなぁと
安っぽいセットを見ながら思いました。
ファミリーミュージカルとはいえ1万円近くしてるんだから
立派な商業演劇です。
少しくらい手を加えてもよいかと。。。
まぁ判りやすい話ですし、強引なフライングなんかもあるんで
それなりに楽しめます。
今回は新星ユタを見ただけで十分堪能できました。