魔と怨の伝説 公演情報 魔と怨の伝説」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.7
1-3件 / 3件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    そうだ藤田傳・・・今回のは初見だがずっと前に1、2作お目にかかった事がありこういうタッチだった。戯曲としての完成度はぶっちゃけた話、高くない。というか戯曲という形を取った詩と言った方が良い。人物は役を与えられているが多くの場合コロス的に立ち回る。そう見えるのは台詞総体が一つの詩でありモノローグであるからだ、と思う。
    だがそれは芝居を観終えて、咀嚼しようと思いを巡らして思い当たる事で。。役者は十分に魅力的に演じ、切り取った場面の視覚的・聴覚的な「完成度」は高く「ドラマ」の展開への期待は高まる。が、ドラマとしての完結は見ない。
    この作家の筆致は歴史的な事件・事象を舐め、思わせぶりな台詞をフックに観客に岩山を登らせ、作者の世界観、眼差しを共有させるのだが、事件や事象を一望できる山頂には着かない。これは「歴史」に依拠した作風のためだ、と理解する。
    歴史という下地のあるカンバスに、上塗りしていく手法が、つまり下地とのコラボがうまく結実すれば作品としての美を放つが、今作は下地が何であるかは不明。戦後日本の事件に横たわる病理を取り上げた(又は具体的な事件を念頭にした)感触は残すのであるが(永山則夫が浮かぶ)、作者としてはそれが下地となり得ると想定したのだろう。最初に示されるフィクションとしての「事件」は、観客の関心をその先へと引っ張るが、事件の犯人(主人公とも言える)がそうする必然性に辿り着いた実感がない(あるいは描き切れてない)。
    事件そしてその謎解きという典型的なミステリーの形を持つ今作のラスト、個別具体の事件の種明かしが訪れる事はない。社会背景、生育過程の風景から、事件の原因を推定せよ、で一個の人生を描いたと言えるだろうか。
    書かれた時期には作品の背景として想像し得たものがあった、のかも知れないが。。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    「何かつまらなそうだな」と内心思っていたのだが、いざ観てみれば大当たり。気の狂った脚本にゾクゾク。これが映画だったらカルト扱いで大井武蔵野館辺りで延々特集上映されていたことだろう。橋本忍監督作品に通ずる魅力。ただ、一般的には訳の分からぬ超論理に敬遠する方が多いことも確か。

    東大卒の息子の農林省への就職が決まり、可愛い婚約者をお披露目するホーム・パーティー。一家の幸福の絶頂の時にそれは起こった。真面目一徹の会社役員の父がパーティー後に息子を滅多刺しにして殺した。止めに入る妻も大怪我。逮捕勾留された父の裁判が始まる。仏頂面で何も答えようとしない父。検事と弁護士の攻防。誰にも理解出来ない父の動機。

    後方のスクリーンに映し出される映画のスチールのようなスライド写真。非常に解り易い演出。裁判所から話は始まるが、段々と異世界に迷い込んでいく『羅生門』のようなスタイル。

    ずっと仏頂面の父親、神原弘之氏が素晴らしい。全く内面が掴めない。
    弁護人、青木和宣氏も自然な語り口で巧い。
    証人として呼ばれた刑事、木之村達也氏はずっとニコニコ笑っている。この役作りは怖ろしい。
    検事補の角島(かどしま)美緒さんは北川景子や葉月里緒奈系の迫力ある美人。
    息子の恋人、山丸莉菜さんはいつもながら可愛かった。彼女が出ているだけで作品の生命力が変わる。
    巫女の上野裕子さんも強烈。いつの時代の話なのか?

    ネタバレBOX

    裁判が進んでいくと、殺された息子が証人として現れる。父が完璧に用意した英才教育、何も選択出来ず鬱屈を抱えたまま素敵な家族を演じ続けたこと。
    父は捨て子で東北の養護施設を点々とし、ある家族に養子に貰われた。どうにか勉学に励むことで苦境を脱し、一流企業に就職、妻と子を持つ。だが本当の父親を知らない自分には真似事の父親しか出来ないというコンプレックス。

    そして時空は遡り、父の産まれた本州最北端の部落。その地は激しい潮流の為、漁業も出来ず、たまに流れ着く難破した船の積荷が生活の糧であった。その年は難破船もなく、食糧難の為、子供を産むことが禁止される。而して産まれた赤ん坊は殺すに殺せず養護施設に捨てられる。

    裁判所に会いに来た実の父親を殺そうとする主人公。「俺が本当に殺したかったのは“父親”だったのだ」と。そこに祈りのような歌が流れる。今や廃村となった生まれ故郷の部落で母親達が歌っている。(ここの歌詞がはっきり聴き取れないのが残念)。呆然とする主人公。降り続ける雪。

    いろいろと解釈は可能だが、もう少しラストを上手く纏め上げたらとんでもない傑作になり得た筈。息子を殺さなくてはいけなかった理由が観客にも共有できたなら。

    冒頭から襤褸を纏った異形の者達がそれぞれ原始的な道具を使って効果音を鳴らし続ける。この演出が禍々しくて蠱惑的。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    ストーリーや演出が今ひとつまとまりがなくちぐはぐな印象。最後は、えっ?ここでおわり?となってしまった。

この公演に関するtwitter

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  1. 2本とも終演した作品ですが みやのりのかい『今は昔、栄養映画館』 見事な台詞の応酬に圧倒され沢山笑わせて頂きました。楽しい時間でした! 私は完全に宮地さんファンです。笑 劇団1980『魔と怨の伝説』 初めて拝見しましたがこちらも… https://t.co/hJdU6SGifF

    2年以上前

  2. 第76回公演「魔と怨の伝説」 無事に千秋楽まで終えることが出来ました。 ご来場頂いた皆様、応援頂いた皆様、ありがとうございました。 https://t.co/ByxOz5ZkdK

    2年以上前

  3. 劇団1980『魔と怨の伝説』無事千穐楽を迎えることができました!このような状況下で完走できたことがとても幸せです。ご覧頂きました皆さま、ありがとうございました。劇団1980の皆さま、カンパニーの皆さま、お世話になりました!ありがと… https://t.co/b2uIwMXS1b

    2年以上前

  4. 『劇団1980 第76回公演 魔と怨の伝説』千穐楽を迎え、無事に全日程を終える事が出来ました! ありがとうございました。 写真は演出 小林七緒さんと。 https://t.co/bEaUKY9kwW

    2年以上前

  5. 劇団1980公演、「魔と怨の伝説」無事、全日程を終えることが出来ました。 夢中になって駆け抜けた1ヶ月ちょい。はじめてのお囃子で手のひらに出来た血豆は、勲章です。 旦那に息子を殺された母として、妻として、家族を守ろうとして心が揺れ… https://t.co/tWRYO9wtvB

    2年以上前

  6. 劇団1980「魔と怨の伝説」終わりました。昨年の延期を経て完走できた事嬉しく思います。 ご来場いただいたお客様ありがとうございました! 出演者、スタッフさん、関わった全ての皆様お世話になりました。 また皆様とご一緒できる日をお… https://t.co/KxHv94Vrvy

    2年以上前

  7. 劇団1980『魔と怨の伝説』 めっちゃくちゃ面白かった 今日が千秋楽で誰にもおすすめできん悔しい 美しい…美しかった…… 人の配置というか周りの何者にも見える人たちの役割というか、そういう部分が自分の心の中で(とても良い…!)とな… https://t.co/afNQHmzqnk

    2年以上前

  8. 劇団1980第76回公演『魔と怨の伝説』@シアターX。裁判劇から過去が交錯し、父と息子、家族の因縁、因果に帰結する藤田傳版『砂の器』。山丸莉菜さんが客演とはいえ、実は重要な役柄で、プロジェクションマッピングを使った演出は流山児★事… https://t.co/vRF9VSue2s

    2年以上前

  9. これから、藤田傳・作、小林七緒演出、劇団1980第76回公演『魔と怨の伝説』@両国・シアターX。昨年8月の延期から1年越しの公演。初シアターX。千秋楽を拝見。 https://t.co/3vjjZjwKWH #魔と怨の伝説 #劇団1980

    2年以上前

  10. 劇団1980「魔と怨の伝説」後半の村での踊りのシーンで、衣装の防虫剤とカビ臭がひどくて、あのシーンだけは残念な感じ。あと、上演中にすぐ後ろから携帯着信音が長く鳴ってて、高齢者が多い客席だったから仕方ないのかなぁ。集中力が途切れるんだよね、お客も役者も。

    2年以上前

  11. これから、藤田傳・作、小林七緒演出、劇団1980第76回公演『魔と怨の伝説』@両国・シアターX。昨年8月の延期から1年越しの公演。初シアターX。千秋楽を拝見。 https://t.co/aJFKV7xyif #魔と怨の伝説 #劇団1980

    2年以上前

  12. 劇団1980「魔と怨の伝説」時系列が前後し、役者を複数役にする演出がユニークで面白かった。山丸莉菜は幸薄い役が似合うし、上手く演じてた。次は男を手玉に取りのしあがっていく悪女役を観てみたいかなぁ。あまり小劇場では見かけない高身長な… https://t.co/9UFk6ixgGI

    2年以上前

  13. 劇団1980『魔と怨の伝説』亡き座長・藤田傳の旧作を42年ぶりに再演。エリートサラリーマン(神原弘之)が順調な道を歩む一人息子を突如惨殺する、あまりな内容。学歴や結婚の扱いに時代を感じる。だが終盤の強引な飛躍で分かった。過去と向き… https://t.co/A7zSwCVDqJ

    2年以上前

  14. 刑務所を出所して思うこと 両国のシアターXカイにて 大田さん出演の舞台 魔と怨の伝説を鑑賞した 生の舞台を観たのは何年振りだろうか 世界観に引き込まれ 気が付いたら ラストに涙していた 凄く考えさせられ そして興味深く 面白かっ… https://t.co/M5EpwXIbRd

    2年以上前

  15. アメブロを投稿しました。 『劇団1980『魔と怨の伝説』』 https://t.co/qRO3H4yipm #アメブロ #劇団1980

    2年以上前

  16. 劇団1980『魔と怨の伝説』~藤田傳をたどる会主催~観劇。私の頭ではなかなか追い付けなかったかな。後半、皆の生き生きした姿が印象に残る。私が25年いた劇団。実家に帰省したような気分。このご時世、劇団員とは飲めないけど、お世話になっ… https://t.co/AG11XBMqOR

    2年以上前

  17. 劇団1980第76回公演「魔と怨の伝説」を観劇しました。 法廷で一つの事件の真実が少しずつ明らかになる物語…と思いきや、展開は予想よりも遥かに劇的で予想からは辿り着き難い結末を迎えました。 法廷から世界線や時間軸が広がっていく様が… https://t.co/YHKa6IK37T

    2年以上前

  18. これよりシアターΧ(カイ)にて劇団1980『魔と怨の伝説』(作:藤田傳、演出:小林七緒)。 https://t.co/I9SguM8zX5 #theatre2022

    2年以上前

  19. これから劇団1980「魔と怨の伝説」をシアターχで。 7月は例会のみ、今月は2本目。 体調不良と上演中止でびっくりするほど少ない観劇回数…。 https://t.co/ZJukr5u2DJ #劇団1980 #魔と怨の伝説 #シアターχ

    2年以上前

  20. 本番が近い緊張感といっぱい感が伝わって、こちらも汗ばむ。。。 開幕を祈りつつ、待って、待っています! 劇団1980、「魔と怨の伝説」両国、シアターカイにて来週水曜日から!! https://t.co/x0mBnQXKZL

    2年以上前

  21. / 🎟️販売中🎟️ \ 🉐 カンフェティ特別価格+600p付! 🉐 ╭━━━━━╮ 🎊開幕直前🎊 ╰━v━━━╯ 劇団1980『魔と怨の伝説』 8月17日(水)~21日(日) 🚩シアターX 残りわずか!お早めに!! https://t.co/eoNI7X9Gif

    2年以上前

  22. 劇団1980 第76回公演 「魔と怨の伝説」 2022年8月17日(水)~21(日) 劇場: 東京両国 シアターX(カイ) ■公演日時 8/17(水)…19:00  18(木)…14:00  19(金)…19:00  20(土… https://t.co/l5hPcwzy82

    2年以上前

  23. 今月17日〜22日東京・両国シアターX カイにて上演します劇団1980「魔と怨の伝説」に客演として出演いたします🙏演出は新国立劇場研修所時代お世話になった流山児★事務所の小林七緒さん!地元すみだの聖地的劇場、シアターX カイにいよ… https://t.co/MHGnpHUJ0O

    2年以上前

  24. 劇団1980「魔と怨の伝説」 通し稽古前にひとこと聞いてみました! 河波哲平くん(@tepp27150 )と 参川剛史さん(@mikawadesu715 ) ご協力ありがとうございました🙇‍♂️ https://t.co/Du0IObiZaR #劇団1980 #魔と怨の伝説

    2年以上前

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