観ました
何だか密教というか、誰にも知られていない場所で、誰にも知られていない集団の特別な儀式を目撃してしまった気がした。誰にもマネできない、彼女だけの時間。重力というものはこんなにも簡単に変化するものだったっけ?
踊る霊長類
現代美術製作所という会場は前にいちど、トリのマークが公演をやったときに来たことがある。中央に太い柱がある、かなり広い場所。踊る場所として選ばれたのは白い壁が直角に並ぶその一角。ゆるい曲線を描いて置かれた椅子と二つの壁が扇型のスペースを区切っている。その真ん中あたりに扇風機が一台、開演前から回っている。左右の壁際に小さなスピーカー。下手にスタンド式の照明器具が3つ。
神村恵が客席後方から、客の間を抜けて登場。衣裳は黒っぽい膝丈のスカート。Tシャツはピンクと紫の中間みたいな色。足袋サイズのグレイのソックスは扇風機のスイッチを足で切り、蹴飛ばすように扇風機を倒してあとで、じきに脱いでしまった。