最後の料理人 公演情報 最後の料理人」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.1
1-10件 / 10件中
  • 満足度★★★★

    良い、味わい、してます。
    それぞれのキャラクターが個性的で面白く、伝説の言い伝えなのか、
    御伽噺なのか、妄想なのか、現実なのか、歪み揺れ動きながら渦を巻いて
    核心へ。
    水ぶっ掛けるわ、ほんとに料理するわ、女だらけの、本気度高い舞台。
    冒頭のアニメーションも楽しい。

    ネタバレBOX

    おかかさんは、“本当の”おかあさん、だったんだね。
  • 満足度★★★

    突拍子のなさは若干軽減?
    作った料理を食べた人が皆幸せになるという都市伝説系料理人「おかあさん」ではないかと思われる女性がやっている喫茶店の常連となった作家(ライター?)が観察するその店と客たちの様子…な物語。
    ちょっとシュールかつややブラックという持ち味はそのままながら、過去3回の本公演に比べると突拍子のなさ(笑)が若干軽減された感じ。
    やっぱり下北沢進出ということで手堅くまとめたのかしら?
    が、夢落ちのようでそうでもなく、どこまでが現実なのか多層構造で煙に巻くようなのは岸野ワールドっちゅうか味わいワールドっちゅうか、その真骨頂かも。(笑)

  • 満足度★★★

    デジタルとアナログ
    徹底したデジタルのオープニングから突如アナログのストーリーが始まるところ、ここに御伽噺の神秘性を感じました。

    想像を織り交ぜていきながら混沌をダンスで表現する手法は個人的には好きです。ダンスの具合も程よく抜けていて女性だけの構成に適しているように見えます。

    皆様仰るとおりOP映像の印象がそのまま引っ張られた感があり、物語の核と呼応していないように見受けられました。

    キャラクターの創りも、自信をもってもっと繊細で洗練されて良いのではと思います。

  • 満足度★★★

    作家の白日夢願望?
    タイトルバックに使われる荒船泰廣による不気味なアニメーションに比べれば、後の展開は意外にふつうに感じた。楽器のガチャガチャした生演奏で出演者たちが踊る場面は唐十郎風だし、ノスタルジックな録音音楽で女性たちがポージングする場面は清水邦夫風で、どこか70年代初頭のアングラ芝居の懐かしさも感じさせた。
    フラッシュバックのように同じ印象の場面が続くので、少々退屈でもあるが
    とても不思議な世界に思わず引き込まれる。
    「喫茶店に伝説の料理人がいて、こんなことが起こったら面白いね」という作家の白日夢願望を具現化したような作品に思えた。

    ネタバレBOX

    旱魃による飢饉に見舞われたらしい村の3人の農婦の会話から物語は
    始まる。食べるものが何もないのに、「こういうときは抱かれたくなる」などと
    言い出し、村に残る男はいたっけという話題で、老衰で亡くなった村人の
    名やジョニー・デップの名前が出てくるなどメチャクチャだ。
    場面が変わって、めいめいコンプレックスを抱え、どこか壊れている女たちが集う喫茶店。
    アングラ芝居の雰囲気と言ったが、言い換えると小劇場演劇の
    貧乏くささも漂う。また、女子校の学園祭劇の雰囲気もあり、洗練された
    感じではない。ホラーと御伽噺は切っても切れない縁があると思うが、
    「注文の多い料理店」みたいなのを想像したら、あそこまでブラックな話では
    なかった。
    「女たちの呪い」をときどき呪文のように口にしながら折鶴を折っているメガネ(宮沢紗恵子)、小説を書きながら、女たちを観察している小利口そうな女たまこ(浅野千鶴)、この2人にそっくりな物言いと容貌の知人がいるので、思わず笑ってしまった。願望に合わせて嘘をつき、妊婦を装い、ばれても悪びれず、笑い飛ばす女(川口恵理)。個人的には、出会い系サイトで不倫してるクールなコーヒー夫人(梅澤和美)が魅力的だった。
    ミュージカルのアニーみたいなヘアスタイルで「おかか」を演じるタカハシカナコのオバチャンぶりは強烈。彼女がいないと、この芝居は成立しなかったと思われる。ああいうオバチャンっていますね。笑い上戸の陰に実は隠された素顔があるのかと思ったが、おかかは最後まで屈託なく笑っていた。
    手癖の悪いバイト(宮本奈津美)が店の金をごまかしたり、万引きをしても、ニコニコして許すというより、受け入れてしまう。少し頭が弱いみたいな物言いのバイトのマイを演じているのが作・演出家の岸野聡子。
    メガネの宮沢紗恵子が頭にタオルを巻いていきなり立川談志のモノマネを始めるなど、突拍子もないリアクションもあった。
    すべてはたまこの妄想なのか。日照りで餓死した女が生まれ変わって、今度はたまこの言うように至福の味わいの中で死んだとしたら・・・なんて考えたり。嫌いな芝居ではないが、何かもうひとつ味がしまらないような感じが残った。
    余談だが伝説のある飲食店には、やはり白日夢を期待するものだ。60年代に東京・蒲田に「80番(オッタンタ)」といううまい外国料理を食べさせる店があり、ここの皿洗いは有名なミュージシャンになれるという伝説を店主がこしらえたらしい。事実、この店から、有名GSグループのメンバーも輩出した。
    中学生のとき、授業中にこの「オッタンタ」を舞台にした白日夢のショートストーリーを落書きしたものだ。写真と地図から場所にあたりをつけて、見に行ったことがあるが、大人になって蒲田に勤務したときには、町の様子が変わり、もう場所さえも覚えていなかった。オッタンタについては「店はなくなっても、伝説は残った」と何かの本に書いてあった。この芝居を観て、久々にオッタンタのことを思い出した。

  • 満足度★★

    味わいは少しだけでした。
    オープニングの映像は期待が持てて良かったです。

    ネタバレBOX

    話は中盤まであまり面白くなくそして何だか分からず途中で何度か眠たくなってしまいました。
    観客に登場人物の行動が何か変だな?何かあるのかな?と思わせる力が足りなかったように思いました。終盤は面白くなってきたので残念でした。
    役者さんは皆さん良かったです。特におかか役の役者さんが良かったです。
  • 女性たちが元気
    役者のみなさんがとにかく生き生きとして元気で
    パワーをもらえる感じが好きです。

  • 満足度★★★

    毎度お馴染み
    荒船泰廣さんの映像、物語の内容を汲み取るセンスがいつも良くて今回も楽しませていただきました。芝居は店長である「おかか」の存在を強くし過ぎないで控えめに進み、7人の居場所がきちんとある感じ。ゆったりした時間が長く感じたかな。以前のお試し公演でやった役柄が前半登場します。おかかさん、愛おしい。

  • 満足度★★★★

    実は自然な感覚
    人物の描き方がとてもしっかりしていて、
    核心が無駄なく豊かに捉えられています。

    そのパーツで築かれた世界が
    自然な重さで降りてくる

    観ていてそのままに引きこまれてしまいました。

    ネタバレBOX

    要所がしっかりとしているお芝居で、
    よしんば多重構造的な部分があっても
    すっと観る側に負荷なく伝わってきます。

    登場人物がうまくパターン化されているので
    風通しがすごくよいのです。
    視点がキチンと固定されていていることが
    物語をしっかりと安定させていていたように思います。
    小説の登場人物というフィルターが効いていて
    その喫茶店で時をすごす女性たちが、
    作り手が自然体で見えている感覚で
    描かれている。
    だから、終盤、観客が物語を俯瞰する場面、
    とても、ナチュラルに
    作り手が表現しようとする感覚が
    受け渡されてくるのです。

    それぞれの役者たちが自らの役割を
    豊かに演じきっていて・・・。
    人物の背景がよく見えなくても
    薄っぺらくなっていない・・・。

    歌やダンスなども、気持ちよく決まって
    感覚にふくらみが生まれて・・・。

    観終わって、その質感を自然に羽織らせてもらったような感覚が、
    とても印象的でした。




  • 満足度★★★

    不気味な笑顔
    キャラクタがいちいちおもしろいです。冒頭の件はおためしから、の?投稿タイトルは梅沢さんです。

  • 満足度★★★

    作家が描いたおとぎ話
    おとぎ話というにはファンタジーでもないし、ましてや、赤頭巾ちゃんや白雪姫や、とんがり帽子の7人の小人や、はたまた、白馬に乗った王子さまなんて登場しないのだっ!

    だから、おとぎ話にはちと、遠いが、それでも作家はおとぎ話といいはるのだった。(苦笑!

    以下はネタばれBOXにて。。


    ネタバレBOX

    ちなみに白馬に乗った王子さまは、中々見つからないと思う。だって白馬自体、あまり見かけないよね。王子を見つけるより白馬を見つけるほうがムズイ・・・。

    その昔、作家は母から聞かされていた「伝説の料理人」というおとぎ話の中のキャラクター、おかあさんを探す為にとある喫茶店を訪れる。そこには見た目もまんま、おっかさ~~ん!と叫びたくなるような、味噌汁の香りのするおかか(喫茶店の女主人)が居た。

    その喫茶店には出会い系サイトにハマル婦人、折鶴ばかりを作る女、嘘ばかりついて現実から逃避する女、万引き常習犯の喫茶店バイトの女、言葉の発音がオカシイ女・・・、と全員が満たされない女たちが集っている。

    と、同時にこの物語を書いてる作家・たまこ自身も満たされていない。かつて、「母の作る料理を食べると幸せになるぞー。」と言っていた母は、たまこが幼い時に何処かへ行ってしまったのだった。

    そんな闇を抱えた女たちがおかかの作ったオムレツを食べて満たされたい。と願う物語だったが、それを明るくダークに表現してたと思う。大きな笑いこそなかったが、それぞれの登場人物のキャラクターが個性的だった為に救われた。
    始まりの映像が素敵だったなぁ。誰が作ったんでしょうか?あの言葉のない映像が延々と続けばいいのに。と心から思っていたのでした。

    お家に帰ってオムライス作ろう!っと♪


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