満足度★★★★
温まりました
チラシやその他の前情報から、嘘をついて人を幸せにするお話になるのかな?と思っていたが、そうではなく、確かに嘘をついて本を仕上げて欲しいとの場面はあったが、それぞれが悩みながら、それぞれにとっての幸せを見つけるお話だったと感じました。
ある特定のキャラクターがグイグイひっぱていくお話ではないし(まあ居ないこともないが)、また、ぶっ飛んだお話でもないが(嘘をついて欲しい理由はぶっ飛んでるといえばぶっ飛んでるがww)
なんか観終ったら心が温まりました。面白いといういうより(いや面白いのかもしれないが)、いつの間にか物語に引き込まれていた。
したがって、上演時間が2時間とのことであったが、全然長くなかった。むしろあっという間であった。
満足度★★★★
やさしい嘘とはったりについて。
人間は誰しも自分自身を肯定し、あわよくば人様からも認められたいと願う欲張りで狡猾な生き物です。
ひとりの青年のモノローグからはじまるこの物語は、人を信じることを忘却した人でなしが、人を信じる気持ちを取り戻すまでの過程が描かれます。静と動。光と影。生と死。弱さと強さ。相反するふたつのコントラストを強調しながらも柔らかな雰囲気が舞台全体に流れるのは、人とのつながりを本当に大切にしたいという気持ちのあらわれではないでしょうか。見終わった後は、何だか無償に誰かにやさしさをおすそ分けしたくなるようなあたたかな気持ちになりました。