錦繍 KINSHU 公演情報 錦繍 KINSHU」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★★

    (水戸公演)
    好きな小説だったので舞台も観てみました。

    書簡小説をどのうように舞台で表現するのか期待と不安が半分半分でしたが、舞台は小説のイメージを崩すことなく、生きている登場人物を感じることが出来て感動しました。

    小島聖さんの熱演、そして眼の輝きに鳥肌が立ちました。

  • 満足度★★★★

    小島聖さん、凄い!
    他の出演者もレベルが高すぎ!
    むしろ、個人的には鹿賀さんが一番イマイチ。。。
    イマイチというか、59歳という実年齢で30~40代の役を演じていることに
    最後まで違和感があった。別に悪いところがあったわけではない。
    (逆に59歳の鹿賀さんが回想シーンで中学生を演じてたのは面白かったが)
    それくらい、他の役者さんの演技が凄かった。

    舞台装置は、半円形の幕と箱イスのみ。
    小道具も、郵便の封書のみ。
    音楽は尺八の生演奏とモーツアルトの曲のみ。
    出番でない人も舞台上で見ているという
    なんか小劇場っぽい演出。
    演出が海外の人ということも影響してんのかな?

    それに照明もかなり細かく設定されているようで影も幻想的。

    話のストーリーが
    それほど好みでなかった以外は満点に近いかな?

  • 満足度★★★★★

    墨絵のような美しさ
    シンプルな装置の中で、静かに浮かび上げる運命の哀しさ、そして一瞬の光。

    すべてを読んでいるわけではないのだが、宮本輝の小説の中では、原作となる『錦繍』が一番好きだ。
    好きな小説なだけに、期待と興味で上演を観た。
    とても素晴らしい舞台だった。

    言葉にならない「何か」をすくい上げていたのが、原作の小説だった。
    そして、そのすくい上げたものをさらに、舞台にして見せてくれていたのだ。

    ネタバレBOX

    原作の往復書簡形式を見事に舞台化していた。
    手紙というものは、相手を目の前にしてコミュニケーションをとるものではなく、相手を脳裏に思い浮かべながら綴るものだ。
    そのときに相手への想いが、ペンに直結するのだが、自分の気持ちを言葉にすることは、自分との対峙でもある。
    自分の意識の下にあった気持ちがふいに浮かぶこともあれば、ホンネから無意識に遠ざかることもある。

    特に男女間の手紙はそうではないだろうか。
    さらにこの舞台での、かつて夫婦であった男女がまた偶然出会い、言葉もあまり交わさずに別れていった後の手紙は、自分の気持ちを巡る言葉の探索や言葉にすることの逡巡、せめぎ合いがあるだろう。

    相手との会話であり、自分との会話でもある。

    ホンネを語ること、知ることは恐ろしいものであり、自分の人生を否定しかねないからだ。

    そんなもどかしさが見事に描かれていたと思う。

    白と黒を基調としたセットと衣装、それなのに、華やかに見えたりするのだ。

    休憩を入れて3時間20分の長さは感じず、舞台に釘付けになった。
    当然だが、どの役者もじっくりと「人」を見せてくれた。
    人の気配や影を感じさせる演出も心に残った。
    舞台で生演奏される尺八も効果的であり、ストーリーに関係するモーツアルトの曲との響き合いも美しい。

    「錦繍」は、そのタイトルからも、大切な色がある。したがって、その色だけは舞台で、鮮やかに見せてほしかったと思うのだが、あえてそうせずに、台詞に込めて観客にゆだねたのかもしれない。
    しかし、個人的には、大きな舞台で冴える色を観たかったという想いはある。

    シンプルな装置や演出は、今年観た『春琴』のイメージにやや近かったともいえる。
  • 満足度★★★★★

    手紙のやり取りで味わい深い男女の人間模様。「生きていることと死んでいることは同じことかもしれない」
    再演です。初演も観ました。
    男女で交互に手紙を読み合いながら進行していく芝居の形式と
    垂れ幕と机といすくらいしかない舞台セット
    俳優とともに舞台上で生演奏する尺八のみよる音楽など
    特徴のある、しかしシンプルな様式で演じられる
    男女の大人の人間模様の機微が味わい深く、
    3時間を越えるのに長さをまったく感じさせません。

    鹿賀丈史さんは初演のとき、ちょっとミュージカルのような
    台詞回しが気になった記憶があるのですが、今回は非常に
    自然で静かな演技。

    気になる女優さんの一人、小島聖さんは、落ち着いた
    しっかりとした演技に驚きました。
    これまで見た作品ではもっとも大人で、存在感のある役でした。
    年齢的に鹿賀さんと釣り合わないのでは?という心配は、
    不要でした。

    そして中村ゆりさんの少し細身で妖しい美しさ、
    特に女学生のときに、男に強烈な印象を焼き付けたときの
    若い魔性の美しさが印象的でした。
    初演時には、馬淵英俚可さんも妖艶に演じられ、その魅力に
    それ以来、出演作はできるだけ観るようにしてます!

    「生きていることと死んでいることは同じことかもしれない」
    この言葉も、深く難しく。
    けれども不思議な面白さがあり、
    観るたびに違った感じ方が味わえる舞台です。

  • 満足度★★★★★

    ライティングが見事
    ブルーLEDと普通の白熱灯(かな?)の使い分けが絶妙でした。
    淡々と積み上げてゆく、手紙というやり取りの中で語られる、
    過去の話とその当時の心情。
    人間関係の微妙な距離感と、コミュミケーション。
    なるだろう結末を見据えての関係性、伴う時間の経過。
    単なる朗読劇となりかねない危うさを、
    皆が見事に演じ切ってました。見事な劇でありました。

    ネタバレBOX

    原作読んでいませんので、純粋に芝居のみで話の経過追っていけました。
    照明の妙が生かせるように、女性陣が皆白系統の服で統一されており。
    見事な効果を生んでいました。
    携帯もポケベルすら無い時代の劇にLEDライトのアンバランスさが、
    時代の進行を感じましたね。
    友情と愛情の間をうまく演じた秀逸なる劇とお見受けします。
    脱帽。
    3時間が短かったです。

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