せんがわ劇場演劇コンクール 公演情報 せんがわ劇場演劇コンクール」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 映像鑑賞

    満足度★★★★

    一つ一つの作品の面白さもだが、作品の幅の広さもこの演劇祭の醍醐味だと思う。私が見たのは映像だったので、生の舞台とは性質は異なるが、かなり楽しめました。

  • 実演鑑賞

    価格0円

    2日目は11時30分からの上演。2団体の上演だが、表彰式があり、その中で専門審査員が全団体の講評をするため開始時間が早くなっている。専門審査員の講評は、以前(少なくとも自分が全団体を観劇し、授賞式を観覧しだした第5回から第10回)に比べると優しく前向きに思える。今回は「良く出来ている」といった主旨の肯定を前提にした講評(以前は「ダメだし」の辛口印象)だ。
    (上演時間は各30~40分内)

    ネタバレBOX

    5月22日(日)11:30
    安住の地(京都府)『アーツ』

    舞台美術は、中央に紗幕のある大きな別室(空間)を設える。設置・撤収も審査時間と関りがあるから、各団体とも小物中心だが…。ストレートプレイにムーヴメントを使った観せ方。物語は美術館で、一人の鑑賞者が逮捕された。本人は「絵を見ていただけ」、美術館側は「作品に危害が及ぶ可能性があった」と主張する。それを孤独に聞いている存在が「絵」だった。絵の追憶とも言える、自分が描かれたあの頃のことを話し出す。絵の歴史的な制作経緯や価値を現在と過去(原始時代ー壁画や戦時中)を交錯して展開していく。絵が好きな青年は出征し帰らぬ人に、その兄の願いで弟が美術学校で学ぶため 大切にしていた欅の木を切って学費に充てるが…。空襲の最中に置いてきた絵を取りに戻る姿、絵の悲しい出来事の変遷が語られる。

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    5月22日(日)13:00
    階(缶々の階)(大阪府・兵庫県)『だから君はここにいるのか』【舞台編】  

    冒頭は、観念的といった印象。
    舞台は、劇場の公演準備前の舞台。仕込みが遅れている舞台上で、一人の俳優が、スタッフのために缶コーヒーを両腕に抱え待っている。と、台本の台詞を正確に喋る見知らぬ男が現れる。その台詞は、舞台上にいる俳優が喋るはずだったもの。すでに削除され無になった台詞と台詞がなくなって出番が無くなった俳優が いつの間にか同化してくる不思議感覚。劇に登場しなかった登場人物(台詞)とその役を演じるはずだった俳優の物語はシュール。他方、台詞とは誰のためのものか?観客に向けてであれば、観客不在の前説は何なのか。スタッフが声のみ出演という劇中内の前説アナウンスが笑える。

    〇団体受賞
    グランプリ
    階(缶々の階)『「だから君はここにいるのか」【舞台編】』(作・演出:久野那美)
    オーディエンス賞
    安住の地『アーツ』(作・演出:私道かぴ)

    〇個人受賞
    劇作家賞
    神保治暉(エリア51『てつたう』)
    演出家賞
    星善之(ほしぷろ『「なめとこ山の熊のことならおもしろい。」』)
    俳優賞
    瀧澤綾音(ほしぷろ『「なめとこ山の熊のことならおもしろい。」』)

    *専門審査員によるファイナリスト5団体への講評は、後日劇場ホームページにて発表される予定。
  • 実演鑑賞

    価格0円

    毎年楽しみにしている演劇コンクール。今年も全5作品の観劇と審査講評、授賞式まで観覧が出来た。実施目的は、概ね「『次世代を担う芸術家と鑑賞者の育成』をめざす企画」ということらしい。

    ファイナル5団体の上演順は、抽選による希望順らしいが、偶然にも初日3団体は東日本、2日目の2団体は西日本となっている。既に結果発表されているが、偶然にもグランプリとオーディエンス賞は2日目に上演した関西の2劇団が受賞した。とは言え、自分が観た限りでは、それぞれ特色ある劇作が出来ていたと思う。満足した観劇内容、同時に学ぶべきことや気付きが多くあり、充実した2日間であった。
    なお、「観てきた!」は、コンクール日程のとおり2回に分けて記載し、団体ごとの★評価はしない。
    (上演時間は各30~40分内)

    ネタバレBOX

    全5団体中、4団体がムーヴメントというかコンテンポラリーダンスといった身体表現(演技)を演じて物語を展開していく。最後の「階(缶々の階)」という団体だけが、ストレートプレイで観せる。比較的短い時間内で上演するためには、身体表現を取り入れた作品のほうが視覚的な印象が強くコンクール向きなのだろうか。

    5月21日(土)13:30
    盛夏火(東京都) 『スプリング・リバーブ』

    観客を異次元に誘い込むようだ。たつき、マヤなどが、演劇コンクール出場のため、音響・照明スタッフを引き連れ、せんがわ劇場へ下見に来ていた。仕込んだコンクール下見(3月中旬)という設定とコンクール当日(5月21日ー観客視点)の違いが緩い笑いを誘う。姿を見せない照明係の声だけ出演も仕込み光景を思わせる。少しオカルト的とも思える不思議感覚。
    コンクールで優勝したいがために実現不可能な演出ばかり夢想するたつきと、小学生時代を過ごした仙川での日々を懐かしむマヤ。地元ということもあり、地域情報はリアルだ。たつき達は期限までに無事作品を完成させる事はできるのか、という夢想世界へ戻っていく。
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    5月21日(土)15:00
    ほしぷろ(福島県) 『「なめとこ山の熊のことならおもしろい。」』

    抽象的な印象。物語の展開に合わせ、中央奥の壁に映像による風景映写。宮沢賢治『なめとこ山の熊』を原作にしたクリエイション作品。脚立を持ち出し、その高さを「山」、結んだビニール紐が「川」、いくつかの紐で括られた空間が「街」を表現する。
    登場するのは人間と動物(熊)・・・生と死、地元出身か否か(よそ者)、都邑といった対比を現した内容のようだ。原作に語り手として現れる「私」や「僕」、現代を生きる私たち自身の言葉から、小十郎と私たちに共通する普遍性や差異を見つめ直すという。映像美が際立ち、演劇が活きているのか?ただ、殆ど喋らないが瀧澤綾音さんの存在感ある演技は凄い!
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    5月21日(土)16:30
    エリア51(東京都・インターネット)『てつたう』

    ムーヴメントー 2人が背中合わせに寄り掛かる姿が印象的だ。この姿は「人」という字に見えるが、「支え合う」と「反目する」という反対の意味を表しているよう。
    冒頭は自動車教習所の車内(緊密空間)光景から始まる。園児の列に突っ込む車。その運転手。運転手を介護していたヘルパー。現実にあった事故を連想し居た堪れなかった。先生たちと子供たちがつないでいた手、そして痛む手。手と手を介して伝えると伝わる。顔だけは知っている人、「ヨォ」と挨拶をするだけの心地良い(適度)距離感と車内空間を対比する巧さ。違う空間の広がりを通して人間関係が描かれているよう。
  • 実演鑑賞

    40分弱とは思えないくらい充実した内容の作品群。
    帰宅後、ライブ配信でも論評が視聴でき、別の目線からじっくり噛みしめる事ができました。

    初日1公演目から好スタート、成夏火さん。
    演技力の点では些か不利だったかなぁと思いつつ、仙川住民じゃなくても自然と笑ってしまうご当地ネタの数々、憎めない面々。
    そして今回のせんがわ劇場演劇コンクールそのものが舞台という発想力!
    5月21日13時30分~、この時、このせんがわ劇場でしか成立しない世界観、作品の一員である一観客となって最高に楽しめました。
    これからがとても楽しみな劇団さん。

    優勝された階(缶々の階)さんの作品も劇団モノ。
    「劇に登場しなかった登場人物と、その役を演じるはずだった俳優の物語。」
    度々やむない理由で舞台の中止が発表されている昨今。
    本来なら今日、この劇場でこの公演をやっていたはずなのに。
    時々それがあまりに理不尽に思えて不思議な感覚となって降りてくるのですが、それとよく似た感覚へと誘ってくれる作品。
    二人芝居での優勝、お見事でした。

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  1. 更新しました(そろそろ終わりかも)。第12回せんがわ劇場演劇コンクール(2022/5/21&22)感想など https://t.co/IgEN2kX77k

    約2年前

  2. 第12回せんがわ劇場演劇コンクール(2022/5/21&22)の感想をまとめました。多くのツイートをありがとうございます。随時更新しています。ご自分のツイートは削除してほしいという方がいらっしゃいましたら、お手数ですがリプライにて… https://t.co/6S5ol1Rbaj

    約2年前

  3. 作品の解説や作中のプレイリストから、YouTube配信を観た方の感想まで盛りだくさん 「第12回せんがわ劇場演劇コンクール(2022/5/21&22)感想など」https://t.co/0CO2ygOnaI @k_tokunagaさんから #編集部イチオシ

    約2年前

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