月光の在り処【ご来場ありがとうございました】 公演情報 月光の在り処【ご来場ありがとうございました】」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 2.7
1-3件 / 3件中
  • 満足度★★

    物語の設定はよかったのだけど
    ・・・なんていうか残念。

    メッセージの伝え方が、あまりにもストレート。
    せっかくの演劇なんだから、その物語にメッセージを込めるだけで、すべて直接的な言葉にしなくても、と思う。
    それを伝える演技も・・・、だった。

    1時間55分が長く感じてしまった。

    ネタバレBOX

    神宮外苑の競技場に大学のゼミらしき人々が訪れる。引率する講師により、66年前にここでは学徒動員の壮行会があったことを告げられる。もちろん学生はそのことを知っているのだが、講師は今、自分たちに同じことが起きたらどうするのかと問いかける。
    1943年の同じ競技場では、学徒動員壮行会が行われ、学生たちが行進をしていた。そして出征。
    ジャングルの中、従軍看護婦とともに敗走する日本軍。その中に学徒動員の壮行会にいた2人の将校がいた。
    さらに、近未来の同じ競技場では、第3次世界大戦が起こり、地下のシェルターに生き残った人々がいた。地上ではまだ戦闘が続いていた。

    この時空を超えた3つのストーリーが、微妙なシンクロとともに進行していく。

    なかなか面白そうな内容となりそうだった。
    特に冒頭(ラストでもある)のシーンは衝撃的で物語の始まりはよかったのだ。

    しかし、その3つは生命の糸で繋がっていることや、近未来に日本軍の兵士が幻のように現れるのだが、あまりドラマチックさは感じない。

    命が繋がっていくことの大切さをもっと強調すべきではなかったのだろうか。近未来では「なんでこんなことになってしまったのか」ということや現代での「戦争に向かうことの恐れ」がやけに声高に叫ばれるのだが、どうも上滑りしてしまっており、命を繋ぐことの大切さにはうまく絡めていないように感じたからだ。
    これはもったいないと思う。
    また、幻で現れる(時空を超えて現れる)兵士は少々蛇足的に感じてしまった。

    戦争に対するメッセージがあまりにも、メッセージ、メッセージしすぎというか、直接すぎて逆に伝わらない。
    それを台詞にして発するのは、1人悦に入った感じの役者たちで、しかも、その台詞自体は、あまりにも紋切り型なので、聞いていて辛いものがあった。
    物語がきちんとしていれば、直接的な台詞にしなくても伝わるのだということを言いたい。

    内容に関しても、戦場で敵に遭遇し、仲間には降伏して生きろと伝えるわりには、自分は「敵と戦っているのではなく、戦争と戦っているのだ」と言いながらも、自らの死を選んでしまう学徒の少尉がいた。戦争と戦って勝つということは、とりもなおさず「生き残る」ということなのではないのだろうか。
    生きることの大切さを訴えなければ、物語全体とのバランスがとれないように思える。ドラマチックにする、ということを取り違えてしまったようにしか感じられなかった。

    また、冒頭の学生たちを競技場に連れて行った講師は、学生に何を学ばせたかったのかが、イマイチ伝わってこない。自分は出産で講師を辞め、学生には論文を提出させるだけという、放りっぱなしの状態なので、学生は単に論文をみんなで書いた(一部の学生は自分で本を探して読んだだけ)というだけで、何を学んだのかがまったく見えない。声高に、というか偉そうに「戦争が」と語る講師は、そんな抽象的なことを言うだけで、指導も何もしないのか、と呆れた。
    こここそ、「出産=新しい命」そして「それを繋ぐことの大切さ」を観客に感じられるようにしてほしかったと思う。
    どうも、設定は面白そうだったが、ストーリー的には少々雑な印象だ。

    また、出演者が多く、いろいろな人が物語の中心に現れてくる、という手法なのだろうが、力量的な問題もあり、観ている側の視点が定まらず、芯がつかみにくい。
    劇団の役者を1人でも多く出したいということはわかるのだが、そのレベルについて、つまり、舞台に立てるレベルかどうかは、もっと冷静に判断すべきだと思う。
    台詞を覚えてしゃべることができればいいのではないのだから。

    ダンスとの融合はとてもよかったと思う。ただし、もうひとつ身体にしなやかさが感じられなかったのは残念だ。
    また、ダンサーを使うということからか、ダンサーが絡むシーンが多すぎる印象だ。ピンポイントで使用を絞ったほうが効果的だったと思う。

    「生命」みたいなものの象徴として(確かにそんな使い方でもあったのだが)、もっときちんと全編を貫いてに使われていたら、かなりよかったのではないかと思った。「月の光」という大切なキーワードとともにそれができていたら良い舞台になっただろうと思う。

    以上、厳しいことを書いてきたが、あらゆる場面で真面目であり、ダンスとの融合や物語の広がりはよかったので、今後に期待をしたいと思う。
  • 満足度★★

    いやはや
    前回に比べ印象がずいぶん変わりました。


    個人的には
    こういうのものすごく好きでした。


    ただ、うーん

    テーマが、私の読み取りだと
    これまで多くの先人が行ってきたこと


    それをやるということは

    とてつもないリスキーさであると思う。

    それにあえて(かはわかりませんが)挑戦する、
    そこは評価したい


    ですが・・・・・うーん


    結局は作家が今伝えたいことを
    やればそれがいいんですよね



    ただやるんであれば

    もっと新鮮な切り口を観てみたかったかな

  • 満足度★★★★

    戦争を主軸とした3つの時間の話でした
    キーワードの場所は国立競技場。
    人の話や、体験談、家族にあてた遺書など。
    戦争についての話を、芝居として観ることが出来。
    見事に追体験させてくれる劇でした。
    過去・現代・未来。月光の下で繰り返される、愚かな人間の蛮行。
    合間に入る、花をモチーフとした舞踏も。表現が分かり易くてよかった。

    ネタバレBOX

    無理して過去と未来に接点出さなくとも良かったのでは?
    繋げるのなら、何かキーファクターが必要かと思った。

    衣装とか、頑張っていたのに。小道具の銃の設定が甘すぎましたね。
    非常にバランス欠いていたといえるでしょう。もったいない。

    ダンスは、最初何だ?と思わせつつ。
    見事に芝居に合っていました。

    途中入場してくる人が入るたびに、カーテンレールの音がして。
    大変気になったデス。
    カーテンの2m位のトコに、クリツプ止めして、めくって入ればよいのに!
    配慮が薄かったといえます。

    えー未来編。ラストはやっぱり・・・・。
    暗いよ! 
    女の子一人残して・・・・・。救いのあるもにして欲しかった気もするけど
    戦争って、理不尽が襲い掛かってくるものだし。
    芝居としては、あれが正しい〆でしたねー。
    (でも嫌なものですわ)

    ライトで森とか川とか表現してたのは、音とあいまって
    分かり易かった。GOODです。

    あとは細部の煮詰めかなってところです。
    過去の戦争話は、実話であり。心に強く印象つけられました。

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