「 天才作家の7つの贈り物 」 公演情報 「 天才作家の7つの贈り物 」 」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
1-3件 / 3件中
  • 満足度★★★★★

    「どん底で」を観た!
    東京ノーヴィーの素晴らしいところは、ハイレベルな役者陣に独特の雰囲気を加味してワタクシ達観客をその風景の場所まで連れて行ってくれるところにあります。「天才作家の7つの贈り物」は日替わりで違った演目を2日前と同じキャストが演じる。という高度な技にただただ感服したのでした。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    地下の傾きかけた木賃宿で暮らす貧困層の人々は、それぞれの事情でここに流れ着き、その日暮らしをしていた。
    そこへ不思議な老人が舞い込み、いにしえのカウンセラー的な役割を果たすうちに彼らの生活が少しずつ変化していく。

    一方、その宿主・コストゥイリョフの妻ワシリーサは、夫から自由になりたいと考え、ワシリーサの情夫ペーペルが、彼女の実妹ナターシャに惚れていることに目をつけ利用する。ナターシャは姉夫婦の家に居候していて、虐待を受けていた。夫を殺害すれば、妹と結婚させ300ルーブリを提供しようと申し出る。ペーペルはワシリーサの誘惑にのり、コストゥイリョフを殺害するが、ワシリーサはペーペルが殺したと訴える。騙されたと知ったペーペルは、ワシリーサから計画を持ち込まれたことを訴える。そうしてナターシャは姉と自分の夫となる人が、共謀して義兄を殺害したことを悟り、ワシリーサとペーペルが犯人だと涙ながらに叫ぶ。

    人生の底辺に暮らす人々の可笑しくも悲しい人間模様と、貧困という牢獄から抜け出すことを夢見ながらも、抜け出せない彼らは誰一人幸福になることがなく、どん底にいる市民たちは、歌と酒だけを娯楽に日々の生活を送っていく。

    鍵屋の女房は病気で死に、役者は首を吊って自殺し、死体を置きっ放しで彼らは人生の最後を謳歌していた。反面、「俺達下等な人間は誇りや良心もないが、金持ちや権力を嫌う。」などと講釈し、かと思えば、「俺達はただ洋服を着たり脱いだりしただけの人生だったな・・。」と嘆く。その悲惨な姿は悲しみを通り越し異様なほど面白いのである。


    相変わらず照明は薄暗く地下の木賃宿の湿った不潔感や泥臭い雰囲気が見事に演出されていました。見応えのあるお芝居。下北沢でも同じものを公演されてるので、是非にお勧めしたい。




  • 満足度★★★★★

    傷ついたかもめ
    とにかく、素晴らしい!の一言!
    次は何を観るか迷うところ。(^0^)

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    青年トレープレフは、美しい湖のほとりにある伯父ソーリンの田舎屋敷に住んでいる。そこへ、著名な作家トリゴーリンを連れて、モスクワから有名女優である母アルカージナが華やかな空気と共に帰ってくる。

    湖の向うに住む女優を夢見る娘ニーナに恋をしているトレープレフは、自作の劇にニーナを主演させ、アルカージナらの前で上演するのだが、彼女は茶化すばかりで真剣に取り合わない。怒ったトレープレフは劇を中止する。医者のドールンはトレープレフの才能を評価し、励ます。

    ニーナはトレープレフの想いに気付いているが、女優として大きく成長しなくてはならないという野心に溢れている。そして、ニーナはトリゴーリン(アルカージナの愛人)に憧れ愛してしまい、やがてトリゴーリンはそんなニーナを受けとめる。

    そんな中、ニーナの気持ちを知ったトレープレフは、失意の中、自殺してしまう。
    トレープレフの苦悩は、アルカージナやトリゴーリンが少々の才能で華々しい成功を収めていることに対する不満と、自分の愛するニーナがそのアルカージナやトリゴーリンにあこがれて自分を捨ててモスクワへ行ってしまったことを主な内容としているが、彼は変化のない草深い田舎でこの単純な不幸に繰り返し浸っていただけでこれ以外何も経験することがなかった。雑誌に取り上げられて小説家として、そこそこ有名になってはいたが、ともかくこういう環境の中で書斎にひきこもり、ニーナに対する愛情だけをたよりに生きていたトレープレフは妄想と幻影の混沌のなかをふらついて、ただただ、出口のない単調な苦悩で神経をすり減らしてしまったのだった。

    これらの物語を薄明かりの中での演出で実に見応え充分な芝居で、水を反射する斜灯や照明がなんとも幻想的で美しく素敵でした。
    ソーリンを演じた渡部朋彦の演技が自然で良い味を出していて、どこまでも重いテーマなのに優雅な気持ちで観る事が出来ました。大満足!(^0^)
    どの役者も演技派で安心して観られ素晴らしい作品でした。




  • 満足度★★★★★

    ワーニャ伯父さん
    チェーホフは難しいものだと思っていた。
    ソ連なんて行ったこともないし
    100年前なんてもっとわからない。

    でも今日のワーニャ伯父さんは
    そんな事知らなくても
    おもしろかった。

    人間の本質って100年前も変わらず
    人種が違っても変わらないと思いました。

    一演目一公演なのにクオリティが高いのに驚きました。
    やっぱりレパートリーでやってるのが強いなぁと。

    他の演目も気になります。



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