リチャード・イーター 公演情報 リチャード・イーター」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.1
21-23件 / 23件中
  • 満足度★★★★

    原作のうまみがしっかり残って
    劇団銀石初見。

    比較的長めの上演時間でしたが、
    「リチャード三世」の物語のうまみというか面白さが
    うまく抽出されていて、
    時間を忘れて観ることができました。

    物語の咀嚼の仕方に、
    センスを感じさせてくれる舞台でもありました






    ネタバレBOX

    戯曲に忠実にということではなく、
    戯曲をうまく解きほどいて
    舞台に載せていくやり方が、
    とてもうまく機能していたと思います。

    コンサバティブな舞台がもつほどの
    深い愛憎までは表現できていなかったかもしれません。
    それでも、普遍的な人間の業のようなものは
    感じることができましたし、
    軽薄・陳腐な印象を受けることもありませんでした。
    それどころか
    リチャード3世を二面的に分離する手法もしっかりと機能していたし、
    未来からの推理小説家と編集者を巧みに時代に閉じ込めて
    戯曲のコンテンツを整理し、物語のスピード感をつけていくので
    観ていて不要な重さや大仰さを感じないですんだようにも思います。

    戯画化されたような脇役たちの味付けも
    善良さや愚かさのデフォルメとして
    うまく観客を取り込んでいたとおもいます。
    歴史からの戯曲の歪曲を
    「なまり」にのせて表現していくやり方にも
    感心しました。

    初日ということもあってか
    終盤、王の座をその手におさめてからの没落の部分が、
    バランスとして
    すこし淡白すぎるような印象はありましたが、
    そのあたりは公演が重なるうちにうまく落ち着くような感じもして。

    役者にもハリがあって
    物語の不要な重さを消して
    今のテイストに仕立て上げるやり方に
    安っぽさが付きまとわないのがすごくよい。

    舞台装置や衣装も役者たちをしっかり生かしていたし、
    なによりも
    遊び心がここそこにうまく織り込まれていて
    観ていて、理屈をこえておもしろいのです。

  • 満足度★★★

    せむしの行進は印象的
    ある歴史作家の妄想の中で、進行する「リチャードⅢ世」の物語。
    チラシ等をみて、「リチャードⅢ世」を題材に、全く新しい作品を出現させるのと思っていたが、ストーリー自体は、設定を現在に置き換えているものの、原作「リチャードⅢ世」にきわめて忠実であった。

    ネタバレBOX

    リチャードを、表(善人)と裏(悪人)に分けて、2人が一役を演ずるといった演出など、新味は感じられた。
    キャラクターは誰もが、どこかに不具を抱え、正常な人間は誰も居ないことを示そうとしているかのようである。
    せむしたちが舞台上を所狭しと行進する様はそのことを端的にあらわしていたのではないだろうか。
    今度は、原作を持たない作品を見てみたいと思った。
  • 満足度★★★★

    突き抜けた舞台でした。
    まるで歌のないミュージカルですね。
    音響、照明、舞台美術、衣装など、どれを取ってもスタイリッシュな舞台でした。良くも悪くも。特に音響、映像!オープニングのシーンは芝居を見ていて久々にぞくぞくしました。鳥肌。良かったです。

    銀石メソッドとして客席を巻き込むということを明言しているだけあって、非常に惹き付けられるところがありました。
    演出が凄い。と思わせられる芝居でした。
    個人的に演技演技してる芝居はあまり好きじゃないんですが(まあシェイクスピア作品はそういうものだと思いますし)、それを踏まえても凄い。全体的に若さを感じます。若さ故の荒や未熟なところも、若さ故のエネルギッシュなところでカバーされていたんじゃないかな。と。

    ひとつだけ、役者さんの動きや声の出し方が気になりました。
    喉辛くないですか…聞いてるこっちが痛くなってきました。
    あと足音。合わせるの頑張って下さい…(笑)

    演出としてあれだけ完成されている舞台なので、細かいところが気になります。
    あと数回の公演でもっと良くなるんじゃないですかね。

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