寛容のオルギア Orgy of Tolerance 公演情報 寛容のオルギア Orgy of Tolerance」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
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  • 満足度★★★

    挑発的な悪趣味
    刺激的なパフォーマンスを繰りひろげるベルギーの作家ヤン・ファーブル。さいたま芸術劇場で見るのはこれが4回目。
    楽しいことや面白いことよりも、頭に来ることや苛立たしいことを表現するときに活気付くという意味で、今回はパンクなスピリットが漲っている。
    (なぜかしら関西弁でいうと)
    ファーブルのおっちゃん、今回は相当怒ってまっせ。ほいで何に怒ってるかっちゅうたら、ほれはもう世界の現状に対してやね。

    ネタバレBOX

    下着姿の4人がいきなりオナニーを始めるという衝撃の出だし。ゲリラというか見た目はパルチザンと呼びたくなる別な4人が、付き添うようにそれを見守る。長々と続くオナニーシーンのあと、終わった4人が啜り泣きを始めるところで、彼らがどうやらゲリラあるいはテロリストの人質で、オナニーを無理強いされたらしいことがわかる。
    性と暴力。消費と物欲。それらをモチーフにして、いろんなものが槍玉に上がる。タバコをふかし、飲み物をこぼし、イエス・キリストをおちょくり、股を開き、服を脱ぐ。人種も国民も、日本も埼玉も、観客も批評家も、作者も作品も、あらゆるものに噛み付いていく。
    ダンス作品だと思って見たら大間違い。終盤でそれなりの動きがあるとはいえ、これまでに見たヤン・ファーブルの作品のなかではいちばん演劇的。そしてこの過激さはかなり賛否両論というか、否定的な意見を生みそうな気配。

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