満足度★★★
役者さんがみんないい
役者さんが実力派揃い、ということもありとても楽しめました。
ただ、どうしても後を引いてしまう違和感が一点。
12年振りに再開する母娘が、お互い強情っぱりってのはあれど
あんなに確執なく会話できるのかな?と。
ぼくだったら、どんな風に話していいのか、なにから話せばいいか、
話ができてもどこか心から会話できていないような、そんな感じが
想像できるのですが、意外とすんなりうち解けていたので
「こんなもん?」ってひっかかって仕方なかったです。
しかし稲川さんはすごいなあ。
満足度★★★
多様なドラマが展開
東京郊外の「ゴミ屋敷」を片付けるボランティアたちを描いた物語…などと書くと「オトナの青春モノ」っぽく聞こえてしまうが、一癖も二癖もある面々なので決してそんなことはなく(笑)、多様なドラマが展開されるという…。
その点では北京蝶々の『愛のLーシー』とテイストが近いかも? それにマチネに続きこちらも「純文学っぽい」薫りがするような…。
郊外の一軒家ということで、映画『剥き出しにっぽん』などの雰囲気も勝手に漠然と感じつつ、親子ネタに弱い身として終盤の さくら の落ち込み具合と立ち直りぶりが印象に残る。稲川実代子、さすがだなぁ。
また、「瀬戸内海にある痛みを取る施設」という目くばせにニヤリ。
それにしてもあの産廃、何だったんだろう…う~ん、気になる。
満足度★★★★★
今後も期待、キリンバズウカ!
稲川さんの魅力に、完全に飲み込まれていった自分。
とっても贅沢な時間でした。
永住禁止条例という設定に振り回され、
若者と老女の交換条件があったなら、
そこは一瞬にして変な利害関係が生まれる。
その設定全部が、よく出来ている。
とにかく、設定がすごい。
そしてとても上手い、役者たちの演技に脱帽。
とっても、暖かい、いいお芝居だった。
満足度★★★
今年一番のもったいない!
登米戯曲は、設定やツールが面白い。本当にアイディアの人だと思う。
しかし、それが生きているように見えない印象が強い。
あくまでキャラクタたちは設定という箱庭の中で賑々しくやっているが、
別にそんな箱庭がなくてもいいんじゃないの、という印象を与える。
これでは、もったいないおばけが出てしまう。
キャストについては何も言うべきことはない。
ベテランから若手まで取って代わる人が無いといった印象。
だから「当然面白い」となってしまい、戯曲や演出の成果となりにくい。
なかなか辛いところだとは思う。
満足度★★★★
さらっとうまく
実に軽快な舞台。
やはりうまい役者が揃っているだけありかなり面白かった。
コマツ企画の浦井には笑わされっぱなしだった。
ただひとつだけ。
それぞれの役の闇の部分になった時、全ての役者が淡白で深さを感じられず、あまりぐっと来なかったのが残念。
淡白は今の演劇のスタイルなのか?
キリンはこれからに俄然期待。
満足度★★★
観劇メモ
部分部分はいいのだけれど、芯がないなんとかのような。
全てのエピソードが、収束にむかうべく作られているんだろうなぁ、
とは思うのだけれど、それがうまく機能していない気がしました。
結果、なんだか短編をいくつもみたような気がします。
普通の人たちが紡ぐちょっと普通じゃない話。
こういう話は嫌いではありませんが、ときどきキャラにあわない
感じで叫びすぎです。叫び声の度に、あぁ、これは芝居なんだな、
と気持ちが冷めていくのが分かりました。
満足度★★★★
うまいよなぁ
さすが名のとおった役者さんがそろっているだけあって,そのまま違和感なく日常が目の前にあるって感じの芝居。うまいなぁ!感心させられます。強調されてはいますが,こういう人間たまにいるよなぁってのがあり,感情移入しすぎて観ていて腹を立てたり,ホッとしたりしましたが,時間がたつにつれて人間関係,特に親子の関係がジワッときてせつなくなります。自分の好みのストーリーではありませんが,観に行けてよかったと思っています。
満足度★★★★★
[ゴミ] と呼ばれる人間とのかかわりあい
観劇後、登場人物たちを「ゴミ」と置き換えると、あ!っと視界が開けたような。
東京にたくさんいる、ニートや夢見る夢子などの「ゴミ」。
そんなゴミが集まるゴミ屋敷。
ゴミの世話をすることで寂しさ紛らわしたり。ゴミからの脱却を夢みてみたり。
自分の手元にあるモノがゴミだと分かって捨ててみたり、客観的にはゴミなんだけど好きになったり。
そして本当は捨てたくなかった宝物も、ゴミのように捨ててしまった葛藤があったり。
うん、取捨選択の幅が広すぎる東京って、いろいろ、あるよ。
――最近、バニラのような甘い匂いがする。
それは、ゴミの異臭なんかではなく、ゴミと呼ばれる人たちが集まって織り成す優しいブレンド香なのかもしれませんね。
満足度★★★★★
とても素晴らしい
東京生まれ・東京育ちの私にはわからないこともあるだろうが、それでも素晴らしく面白い芝居でした。ただ母娘の葛藤がちょっと淡白だったように思います。もしかしたら次回作につながるのかもしれません。この本をあんなに若い方が書いたとは驚きました。来年の公演が待ちどうしいです。役者さん一人一人が個性的でとても良かった。