満足度★★★★★
[ゴミ] と呼ばれる人間とのかかわりあい
観劇後、登場人物たちを「ゴミ」と置き換えると、あ!っと視界が開けたような。
東京にたくさんいる、ニートや夢見る夢子などの「ゴミ」。
そんなゴミが集まるゴミ屋敷。
ゴミの世話をすることで寂しさ紛らわしたり。ゴミからの脱却を夢みてみたり。
自分の手元にあるモノがゴミだと分かって捨ててみたり、客観的にはゴミなんだけど好きになったり。
そして本当は捨てたくなかった宝物も、ゴミのように捨ててしまった葛藤があったり。
うん、取捨選択の幅が広すぎる東京って、いろいろ、あるよ。
――最近、バニラのような甘い匂いがする。
それは、ゴミの異臭なんかではなく、ゴミと呼ばれる人たちが集まって織り成す優しいブレンド香なのかもしれませんね。
満足度★★★★★
とても素晴らしい
東京生まれ・東京育ちの私にはわからないこともあるだろうが、それでも素晴らしく面白い芝居でした。ただ母娘の葛藤がちょっと淡白だったように思います。もしかしたら次回作につながるのかもしれません。この本をあんなに若い方が書いたとは驚きました。来年の公演が待ちどうしいです。役者さん一人一人が個性的でとても良かった。
満足度★★★★★
厳然とやわらかな距離感の超越
初日を観ました。
完成度の高い作品で
なにより、シーンごとに伝わってくる
人同士の想いのしなやかさに心奪われました。
物語には現実からのデフォルメが加えられているのですが、
それゆえに、見えるものがあって。
不要な重さを削ぎ落とした語り口がもたれることはなく、
でも、想いの交差は、観る側に生々しくやってきて。
べたな言い方ですが、見事にキリンバズウカの世界に取り込まれてしまいました。
満足度★★★★★
やっばり、人は人と一緒にいたいんだ
まず、なんと言ってもフライヤーがカッコいい。素敵だ。
ここに惹かれた。
そして、舞台は、フライヤーのように素晴らしいものであった。
平日夜間に満席なのもうなづける。
表面に見えるテーマ的なものだけではなく、その根底にある人の姿、特に現代に生きる人の姿・気持ちが浮かび上がってきた。
満足度★★★★★
サイコー!
平日にも関わらず、満席。
ギリギリに行ったので、入れないかとドキドキしました。
初キリンバズウカでしたが、この芝居に出会えた事に感謝。
先日、カスガイのリビングを観た際、ちょっと気になっていたのですが、
行ってよかったです。
役者は少し力不足な感がありましたが、脚本が良いので
総合点は高くしました。名作です。
キリンバズウカ、今後も追っていきますよ!
公演が少ないのが残念ですが・・・
満足度★★★★★
今後も期待、キリンバズウカ!
稲川さんの魅力に、完全に飲み込まれていった自分。
とっても贅沢な時間でした。
永住禁止条例という設定に振り回され、
若者と老女の交換条件があったなら、
そこは一瞬にして変な利害関係が生まれる。
その設定全部が、よく出来ている。
とにかく、設定がすごい。
そしてとても上手い、役者たちの演技に脱帽。
とっても、暖かい、いいお芝居だった。
満足度★★★★★
秀才のつくった傑作
現在の小劇場の代表作のようだなと感じました。
ずば抜けて何かがすごいというわけではないのだけれど、丁寧に作られているシーンの重なりに、きっとこの作品は秀才が命を削ってつくった舞台なのだろうなと想像させられ、いとおしくなりました。
満足度★★★★
「許し」
自分は十数回ほど小劇場のお芝居を拝見いたしました。
今まで拝見した役者の皆さんの多くが大変お若く、その若々しいエネルギーに、30代後半の自分は元気をいただいておりました(吸血鬼的にチューッと)
しかし今回「スメル」に出演されていた稲川実代子さんの人生スキルに裏打ちされたセリフには、ぐぐっと心を打たれてしまいました。
人は、許されて生きることで、許して生きていけるんだなぁと。
拝見できて幸せでした。
くれぐれも鼻血には気をつけます。
満足度★★★★
うまいよなぁ
さすが名のとおった役者さんがそろっているだけあって,そのまま違和感なく日常が目の前にあるって感じの芝居。うまいなぁ!感心させられます。強調されてはいますが,こういう人間たまにいるよなぁってのがあり,感情移入しすぎて観ていて腹を立てたり,ホッとしたりしましたが,時間がたつにつれて人間関係,特に親子の関係がジワッときてせつなくなります。自分の好みのストーリーではありませんが,観に行けてよかったと思っています。
満足度★★★★
さらっとうまく
実に軽快な舞台。
やはりうまい役者が揃っているだけありかなり面白かった。
コマツ企画の浦井には笑わされっぱなしだった。
ただひとつだけ。
それぞれの役の闇の部分になった時、全ての役者が淡白で深さを感じられず、あまりぐっと来なかったのが残念。
淡白は今の演劇のスタイルなのか?
キリンはこれからに俄然期待。
満足度★★★★
いい役者が揃ってますから
落ち着いてゆったりじっくり観ました。黒岩さんの侘び寂び、浦井さんのキャンキャンする箇所とかもうたまらなく良いのです。自分としては全国各地で芸術が重んじられ、東京に文化が集中し過ぎない時代が来たなら良い水の違う土地へ移動したいのが本音。この人口密度は異常。コンビニ密度も異常。そんなこんな頭をよぎる。その辺りも書くというのをなんかで聞いていたので楽しみにしていました。チラシから想像する母子以外の流れも初心者にも問題なく楽しめ、視点は自由に観られる芝居。作家のバランス感覚◎。役者の息づかいも◎。1時間40分。次も期待。
満足度★★★★
「スミタイ」か?
稲川さんのセリフ回しの上手さに感心!!!。 全体は初日だったので多少の硬さはあったのかも。親子は決着したようだけど、他の人たちがどうなったのかチョット気になる(住めるのか?) 楽しく観劇しました。後1回観たい!
満足度★★★
今年一番のもったいない!
登米戯曲は、設定やツールが面白い。本当にアイディアの人だと思う。
しかし、それが生きているように見えない印象が強い。
あくまでキャラクタたちは設定という箱庭の中で賑々しくやっているが、
別にそんな箱庭がなくてもいいんじゃないの、という印象を与える。
これでは、もったいないおばけが出てしまう。
キャストについては何も言うべきことはない。
ベテランから若手まで取って代わる人が無いといった印象。
だから「当然面白い」となってしまい、戯曲や演出の成果となりにくい。
なかなか辛いところだとは思う。