期間	2003/12/05 (金) ～ 2003/12/05 (金)
劇場	PEPPERLAND
出演	【ACT】NEVERLOSE、【BAND】SHINTO-KA、PINPRICKS、アイアンクロー、スモーキーゴールド、TILLEWING、NothingFaceFromColombia、SUBLIKE
脚本	片山雄一
演出	片山雄一
料金（1枚あたり）	～【発売日】
公式／劇場サイト	http://www.neverlose.jp/nl/archives/200512/31-2009.php ※正式な公演情報は公式サイトでご確認ください。
タイムテーブル
説明	［パンフレット「ごあいさつに代えて」より引用］夜中に突然、誰かの事を思い出す時があります。それが昔振られた女なら酔っぱらって悪態の一つもつけるのですが、なぜでしょう、あなたの事を思い出しました。　もういい歳ですから、髪の生え際が危なくなっている頃でしょう。結婚をして子供がいるかも知れません。男の僕から見ても格好良かった身体は、お腹の辺りから脂肪に包まれているはずです。あなたは僕のヒーローでした。中学３年の受験間際の僕を捕まえて、酒と、タバコと、音楽と、遊びと、女性の口説き方を教えてくれました。僕はあなたと一緒にいるのが楽しくて楽しくて、よく深夜に家を抜け出して、多摩川の河川敷まで自転車を漕いで行きました。コロンビアレコードの看板と川崎球場の照明、遠くでは灯台と羽田の飛行場が光って綺麗でした。　多分、今のあなたは、ガード下の飲み屋でクダを巻いているような気がします。あの時心の底から嫌っていた事を平気でやっている事でしょう。きっとそうなんだろ？だって、会わなくなってから、あなたの名前を聞いた事はありませんから。でも僕は、それでもいいと思ってます。それでもあなたは、僕のヒーローでしたから。　僕も変わりました。あの頃より、酒もタバコも音楽も遊びも女性の事も少しは詳しくなったつもりです。ずっとしていた歴史の勉強も、サッカーもやめてしまいました。続けているのは文章を書く事だけです。１０年も経つと色々と薄汚れていきます。思い出さえも美化されて、いいとこ取りです。そんな事は解っているんですが、それでも僕は、あの時のあなたを尊敬しています。でもきっと、もう街で会ってもお互い解らないでしょう。気づかずにすれ違って、それぞれ自分の進む方向に歩いて行くだけです。　今回の作品は僕とあなたの事を元にしています。橋の袂で僕たちが集っていた時の話です。あの時僕に、これを聞きなよと言ってＣＤをくれたように、この間友達が、これを聞けよと言ってＣＤを２枚くれました。僕は今、幸せなんです。あの時よりもＣＤ１枚分だけかも知れませんが幸せです。そんな気持ちを形にしようと思いながら、僕は今も、書く事だけはやめていません。出会った冬がまた来ました。別れた春もすぐにやってきます。そして夏が来て秋が来て、またすぐに冬が来て、そうやって、一つずつ歳をとっていこうと思っています。もう一度あの時をではなく、さようなら、そしてはじめましてとくり返して。あの時あなたがそうしてくれたように、きっと今度は、僕の番なんです。元気ですか？僕は、元気ですよ。 2003.11　作／演出　片山雄一
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