“Na” 公演情報 “Na”」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
1-7件 / 7件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    「Na=名」をめぐる7本の短編からなる公演。

    揃いの白いツナギ(無名性の象徴ですね)を着た4人の出演者が、劇中で名前(と人格が一致した)「人物」を演じることはほとんどありません。通し番号か、「王様」「先生」といった代替可能な役割で呼ばれることで起こる混乱や事件を扱った7つの小さな喜劇から、笑いはもちろん、ふんわりと人間関係の緊張や情が引き出され、最終的にはやはり「名」が保証する(人物としての)同一性に焦点があたる構成に唸らされました。

    コントの集成といってもいい内容で、演技も戯画的なものですが、ダジャレのくだらなさ、身体をつかった表現での奮闘ぶりだけでなく、たとえば「王様ゲーム」で生み出された嫌な緊張感、失敗の末自分の「名前」を食べてしまうアオヤギさんの焦りなど、関係性によって生み出される感情にフォーカスしている点が、スマートでした。同じツナギを着た二人の演奏者の存在、使われ方も、単なるBGM係ではない意味と持っていたと思います。こうした感性は、たとえば今後、子供向けのコンテンツなどでもうまく生かせそうな可能性も感じました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    タイトルの「Na」ってなんだろうなと思っていたので、いろんな「Na、ナ、な」で遊ぶことが楽しくて、言葉には視覚・聴覚・舌感覚などさまざまな要素が詰まっているんだなと再確認しました。

    ネタバレBOX

    展開はシンプルで、誰でもわかりやすいのに飽きない!そして遊び心たっぷり。凝った笑いや、シンプルな笑いなど、ビジュアルで見せる笑いや(国旗ネタは爆笑しました…!)、音で楽しむ笑いなどさまざま。観客に呼びかけるという直接的なコミュニケーションのシーンだけでなく、全体を通して、観客の存在を意識し、相互関係を作ろうとしている様子を感じました。

    4人の俳優と2人のミュージシャンが、全力でパフォーマンスしてくださるからこそ、時に組み込まれるダジャレ的な笑いもあたたかくなっていく。実は個人的にはダジャレというものが苦手なのですが、瞬間的にだけ瞬発力で笑わせようとするのではなく、出演者たちの真摯さ、前後の空気感の作り方、観客の反応とのちょっとしたキャッチボールなど、空間ごとつくっていく要素としてダジャレがあるので楽しめる。ダジャレを好きにさせてくれてありがとうございます(笑)。

    そういった関係性の作り方にはドラマがあり、いくつもの小話が関連したりはしているのですが、もう少し全体を通したダイナミズムがあるともっと印象深くなると思います。
    また、冒頭の「王様ゲーム」はハラスメント的なシーンですこし見るのがつらいのですが、そこに王様など登場人物の人間性や関係がもっと描き込まれるか、他のセットリストとの明確な関係性があれば、ハラスメント的なシーンの存在意義があり、また作品に厚みも出るかなと想像しました。

    また制作面で、Na=「名」として、チラシのデザインやチケットがこだわられていて、細部への遊び心を感じました。当日パンフがQRコードになっていて、アクセスしてみて当日のラインナップがわかる流れに。個人的にはQRコードパンフはコロナ禍にも対応しているし嵩張らないし好きなのですが、スマホを持っていない人もいるのでそういう方は見られたのかな、と少し心配にはなりました(けれども相談したら丁寧に対応してくださいそうな受付の雰囲気づくりや、並ぶ観客への声かけの柔らかさも良かったです)。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

     シンプルな舞台美術と衣装を用い、観客の想像力を喚起することで劇世界を構築するミニマルなオムニバス作品群だった。

    ネタバレBOX

     コミカルなコント集であり愉快だったが、それ以上にならなかったのが残念である。「名」を巡るそれぞれのエピソードは小品ながら「よくできた」という印象だとしても、「名」とは何かという議論にまで到達しない。名付けるという行為に代表されるように、「名」が「パフォーマンス」と深い結びつきがあるだけに、もったいなかった。
     純粋に音楽要員としてのみ登場していると思っていた演奏家たちもまた「パフォーマー」であるとし、その人たちのみのエピソードがあったことは、予想外の面白さがあった。また、大道具等がシンプルであるために照明の美しさが際立っていたように思う。俳優は技術の差がやや目についてしまった。
  • 実演鑑賞

     2020年3月に上演予定だった作品の延期公演です。購入した台本によると、半分ぐらい差し替えることになったそうです。2年の歳月を経てブラッシュアップされたんですね。

     「名前」をテーマに、だじゃれを駆使してエピソードを積み上げていく短編集。お揃いのつなぎのユニフォームを着た出演者、演奏者たちが、マイムや歌などで楽しませるコント集と言ってもいいかもしれません。4つの灰色の箱が小道具、大道具を兼ねます(個数はうろ覚え)。

     抽象美術・小道具で衣装も匿名性が高く、作品全体のクオリティーは生身の俳優の演技次第と言っていい舞台です。役作りの手がかりが少なく、衣裳の助けもほぼ得られず、道具なしの場面もありますから、観客に見せたいものをきめ細やかに実現させるには、つま先から頭のてっぺんまで意識を行き届かせる演技が求められます。

     「名(名前)」がテーマということで、チケットは名刺型の小さなカードでした。残念ながら老眼が進んでしまった私には、文字が読めなかった…。カードに記載されたQRコードから当日パンフレットがわりのウェブサイトへ。顔写真を見ればわかるとはいえ、出演者が何役を演じたかのテキスト情報は欲しかったですね。稽古場インタビュー動画を見ればいいってことかしら。

     ロビーの物販では脚本、Tシャツ、サコッシュなどが充実していました。規制退場あり。小劇場で出来得る限りのコロナ対策をしてくださったように思います。ありがとうございました!

    ネタバレBOX

     前述しました通り、出演者への負荷が高いので、細かいところが目についてしまうんですよね…。小劇場で舞台と客席が近いのもあって、演技もダンスもよく見えて、おぼつかないところが気になりました。ネタが少し冗長に感じることもありました。

     生演奏(歌、ピアノ:加藤亜祐美、歌、チェロ:志賀千恵子)が楽しかったです。「いいなハケられて」「私たちもハケたいのに」と歌い、出ずっぱりの辛さを訴えます(笑)。「私たちはツナギを着てる。でもこの曲はツナギじゃない」というだじゃれも微笑ましかったですね。「この曲には名がない」と明かし、その場で観客に名前を付けてもらう趣向も、柔らかいムード作りに成功していました。

     青いツナギを着たアオヤギ(はぎわら水雨子)は動物の山羊ですが、呼び名を耳にして漢字の「青柳」が思い浮かんだのが面白かったです。はぎわら水雨子さんは、とぼけた味わいを醸しながら、悲しみ、切実さを真っすぐに届ける演技が好印象でした。

     代筆された手紙を恋人に届けるのは『シラノ・ド・ベルジュラック』からかしら。
     王様は、番号で呼んでいた召使に名前をつけます。名をつける行為によって、召使がかけがえのない1人の人間に変わる瞬間がありました。

    Set list
    1.Become a King(王様ゲーム)
    2.Ko So A Do(暗闇で遭難)
    3.Called “Sensei”(先生:医師、弁護士、議員…)
    4.Blue Goat(羊のなかに一匹の青いヤギ:アオヤギさんたら読まずに食べた)
    5.Number(王様の召使の名前は番号)
    6.No Name(生演奏:観客に曲名をつけてもらう)
    7.Named(アオヤギが王様からナナコ宛ての恋文を届ける)
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    鑑賞日2022/03/10 (木)

    巧みな身体表現がかもしだす「かわいげのある不条理さ」

     「名前」をテーマにした7本の小編を、ピアノ(加藤亜祐美)とチェロ( 志賀千恵子)を伴い4人の演者(佐藤竜、はぎわら水雨子、山﨑千尋、一宮周平)が次々に演じ分けていく。2020年3月に上演予定だった作品の2年越しのリベンジ上演である。

    ネタバレBOX

     本作第一の魅力は作劇の秀逸さである。作中では数や名詞、代名詞が導くミスコミュニケーションが巧みに表現されていた。それが顕著であった「Called "Sensei"」では、医者と弁護士、ダンススクールの講師がそれぞれを「先生」と呼び合うことで誰が誰を呼んでいるのか次第に混乱していく様子がコミカルに描かれていた。別役実の作品に出てくる、品詞の誤解でドラマを転がす手法で、大人から子どもまで楽しめる「かわいげのある不条理さ」とでもいうような作劇が脚本・演出の一宮周平の眼目だろう。

     定評のある身体表現の巧みさも本作の特徴である。「Ko・So・A・Do」では暗闇のなかさまよう二人の人物が電灯を片手にして闇を掻き分けていく。道中に出現する水の流れや焚き火の炎も演者が表現する。その手付きの鮮やかさ、仕草の丁寧さが目に焼き付いた。 

     ピアノとチェロの伴奏は作品に豊かな彩りを与えた。特に劇中音楽の曲名を観客に考えてもらうくだりでは、コロナ禍で絶えて久しい劇場の一体感を味わう貴重なひとときとなった。この場面を収めた一幕「No name」は、終盤で王様が家来に命じ恋文を認め、思いを寄せる他国の女性とやがて結ばれる「Number」と「Named」の連作の間に据えられほどよいブリッジであった。

     他方で芝居のパートと身体表現のパートがうまく融合できておらず、ぶつ切りになってしまっている印象を受けた。観客に台詞をわかりやすく伝えようとする俳優としての身体と、人にも自然にもなれる変幻自在の身体を同じ舞台の上に上げた点が目論見なのかもしれないが、私は観ていて混乱を覚えた。また演者たちの巧みさには感心したが、作品が変わると前作とはまるで別人のようになる変身の驚きを感じるまでには至らなかった点は残念であった。

     また作者の生真面目さゆえなのなかもしれないが、各エピソードをきれいにまとめようとしすぎていると感じた。登場人物たちが皆いいひと過ぎて食傷気味になったのも正直なところである。「Become a King」で必ず王様になる男の図太さ、「Blue Goat」でみんなから疎まれる青ヤギの鬱屈さといった側面をもう少し深く掘り下げたほうがドラマに厚みが出てくると感じた。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    今まで舞台をいくつも観てないので他の劇団がどういった感じなのか分かりませんが、パンチェッタならではの表現をしているように感じました。
    生演奏のBGMも素敵でした。
    評価を3にしたのは、独特で私には分からない部分が多かったというのが理由です。
    私も理解できるようにもっと色んな舞台を鑑賞していきたいと思います!

  • 実演鑑賞

    好きといっても世間から石を投げつけられることはない

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