きらめく星座 ~昭和オデオン堂物語~ 公演情報 きらめく星座 ~昭和オデオン堂物語~」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★★★

    予感が的中しなければと願います!!
    『ムサシ』 と『きらめく星座』のセット販売なんて、阿部さんに失礼です。

    前田亜季さんは風格が出てきましたね。

    ネタバレBOX

    『紙屋町さくらホテル』では、ああこの人たちは広島の原爆に遭うのかなと、やり切れない気持ちになりましたが、この作品でも、オデオン堂の主人夫婦(久保酎吉さん、愛華みれさん)は長崎に向かいます。

    予感が的中しなければと願います。
  • 満足度★★★★

    第5場がやはり白眉
    10年ぶり6度目(に加えて戯曲も読んでいるし)ということで内容はよく憶えていて、印象的なシーンや台詞などは舞台で演じられる前に脳内で再生されたりもするが、中でも初演時(85年9月)から感銘を受けている「人間についての広告文」を筆頭として名場面・名台詞のオンパレードな第5場がやはり白眉。また、10年前と同様に、源次郎のような人物を作り上げてしまったあの当時の教育に大いなる疑問(とはちょっと違うか)を感じる。(←これは第5場限定ではないが)

  • 満足度★★★★

    やっぱり、こまつ座はハズレがないな。
    今回も、「太鼓たたいて笛ふいて」「兄おとうと」同様の生ピアノ演奏の音楽劇。
    少し違うのが、音楽学生?という役で後藤浩明さんが演技もしつつ、
    要所要所で舞台上のピアノを弾く。

    はっきりとした主役がいない分
    話が、「太鼓~」「兄おとうと」に比べるやや弱いように感じた。
    上演時間85分+85分で、長くないというと嘘になるが
    特に後半部分はあっという間だった。

    阿部 力さん、他のメンバーに比べると
    やや歌、演技ともに硬かったかな?

  • 満足度★★★

    ひたむきにひたすらに
    いのうえ脚本の持ち味と私は感じている“人間賛歌”が、静かに
    けれどひたむきに演じ上げられていて胸打たれました。
    どんな時も、諦めないことで希望や奇跡は起きるかもしれない!
    真摯に作品を創り上げようとしているキャストとスタッフの取組み。
    ひびいて伝わってきました!

  • 満足度★★★★★

    作:井上ひさし自身の経験を元に、第二次大戦開戦1年前のレコード店「オデオン座」に集う人々の人間模様。
    井上ひさし作のこまつ座公演、銀河劇場とは珍しいです。
    ホリプロとの共同のためでしょうか。

    昭和15から16年、浅草のレコード店「オデオン座」に集う、明るくたくましい、個性豊かな人々。
    「紙屋町さくらホテル」にも通じる、一般市民の目線での戦争が題材です。

    次々に描かれる騒動は、大きなことではないけれど、何が起きても明るく楽しく歌い飛ばしてしまう家族が楽しいです。

    愛華みれ さんの元SKDのお母さんのおおらかさと明るさ、
    最近立て続けに舞台に出ている前田亜季さんもよかったですが、
    何といっても相島一之さんの生真面目な傷痍軍人の役。
    まじめでコミカルな面と、国に対して一途なゆえの苦悩が良かったです。
    この役が、当時の普通の日本人だったのではないかと思います。

    ネタバレBOX

    チラシのイラストや舞台上でも使われるガスマスクは、忍び寄る戦争の象徴であり、異様な外観。
    登場人物たちの未来に、この後起きるであろうより大きな戦禍を考えると、複雑な心境になります。
  • 満足度★★★★

    素直に「とてもいい舞台を観た」と言える
    戦争というのは、ある日突然やってくるのではなく、日常とつながってじわりとやってくる。

    舞台となるオリオン堂にも戦争がじんわりとやってくる。
    歌好きで明るい家庭がどうなっていくのかを悲壮感なしで描いているだけに、哀しみは増す。

    台詞1つひとつが、それこそきらめいていたり、ずっしりとした重みがあったりするのだ。

    かなり大げさに書けば、舞台の、芝居の楽しみというものが、すべてそこにあるようにすら感じた観劇だった。

    ネタバレBOX

    明るい家族(同居人を含め)なのだが、ことさら母親が明るく、けなげである。
    実際は、舞台の裏ではため息をついているのではないのだろうかと心配するほどだ。

    脱走兵の息子もあまりにもノー天気すぎて、どうやらこれは寓話なのだろうと思うのだ。
    堅物の傷病兵の元軍曹も、その描かれ方は、徹底的に戯画化されているし、その元軍曹と結婚する娘も、かなり酷い話なのだが屈託はない。
    寓話にしなくては描けないような話なのかもしれない。

    元軍曹が違和感を感じると吐露するあたりから、舞台の様子は、ぐっと緊迫してくる。彼の手の痛みも象徴的だ。こういうあたりの表現はさすがだと思う。

    まるで、あるいは当然のように戦争というものがあり、近所の目を気にして生きている、徐々に悪い方向に進んでいるのに、その状況にうまく対応して、そのことに気がつかない、そんな(たぶん)どこにでもあるような家族。

    そうやって生きていた家族は、結局バラバラになっても、強く嘆くことなく、あくまで前向きで、生きようとする力は強い。

    ただし、長崎に帰る夫婦と満州の開拓団へ教師として赴く男の行く末は、あと数年で、さらに過酷なものになるのだが。

    ラストのポスターにもあるガスマスク姿の不気味さは、強烈だった。

    そして、明るく、生きる力溢れる家族が最後に歌う歌に、ピアノの不協和音が激しく重なるラストは、家族の行く末を暗示して、鋭く心に突き刺さった。
    それを反芻しながらの帰り道であった。

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