夏への扉 2021 公演情報 夏への扉 2021」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.8
1-6件 / 6件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2021/12/10 (金) 18:30

     過去に囚われて、なかなか現実を見つめようとせず、付き合っている男性ともやや溝が出来ている、親から継いだ喫茶店経営者の女性が、お香を売る怪しげな中年会社員からお香をつい買ってしまい、その匂いを嗅ぐと眠って、1960年代の同じ喫茶店で気が付き、そこに出入りする個性的な人たちとの交流、自分がかつて大好きだったおじさんの若い頃との交流などを通して、少しずつ打ち解け、最終的には自分の亡くなってしまった家族やおじさんとの記憶は、時々思い出そうとすると蘇ってくるものだから、現実には会えないとしても悲嘆にくれて、現実から目を背けなくても良いんだと悟り、現実に戻っていくまでの主人公の心の揺れ動きや、小さな成長を丁寧に描いていて、最後は自然と感動してしまっていた。
     
     お香で主人公の女性が眠って過去に行くという、今まで誰もあんまり考えていそうでなかったタイムスリップのきっかけが、奇想天外で面白かった。

     一人ひとりの人物が非常に個性的で、魅力的で感情移入できた。また、人物とそれを演じる役者が重なって見えて、演技があまりにもさり気なく、自然な雰囲気で、それでいて誇張すべきところは誇張していて、そこらへんのバランスが不自然に見えず、感心してしまった。

     現実から香りを通して意識が過去に行った主人公の女性が、1960年代の喫茶店で出会う人たちとのカルチャーギャップにおける笑い、若い頃のおじさんや若い頃のお父さんなどの誤魔化し合戦によるあけすけで無理くりな言い訳による笑い、主人公の女性が、若い頃のおじさんや両親などに対する勘違い笑いなど、多岐に渡るコメディ要素がそこかしこに散りばめられており、退屈せず、大いに笑って、肩の力を抜いて楽しめた。

     喫茶店のセットに4つの扉があり、物語と大きく関わり、1960年代喫茶店になった時に、4つの扉から入れ代わり立ち代わり登場人物がせわしなく出たり入ったりするのに使う、その使い方が見ていて飽きなかった。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    グッときますね。レトロな雰囲気が心地良い芝居でした。タイムスリップ物というより夢オチ物に近いのかな。

  • 実演鑑賞

    良い舞台だったと思います。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    日頃都心の劇場に行くことが多いので、小金井?遠いな・・・と思いましたが、なあに、吉祥寺から3駅です。ちょっと歩いても(コミュニティーバスもあります)見に行く価値があります!
    「夏への扉」と言う単語だけでドキドキします。夏休みを想像するからでしょうか。暑いし汗はベタベタするので、夏は苦手なんですが。
    懐かしい雰囲気の喫茶店に、レコード、私でも記憶にあるフレーズがたくさん出てきて楽しかったです。主人公と一緒に不思議な世界に行けました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    昭和の香りのするレトロなセット、音楽など懐かしさがあふれ、素敵なお芝居でした。

    タイムスリップの仕方も、ワーッいう感じでした。こういう手があったか...
    ネタバレになるので書けないが、自然でいい!!!

    優しさが溢れ、昔はこういう風景があたりまえだったのに...
    今の世の中は少し寂しい気がした。
    役者さんたちの演技、とても自然で味があり、素晴らしかった。
    素敵な時間を有難うございました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    面白い! お薦め。
    手の指の間から大切な思い出がポロポロと零れ落ちるが、その愛しい思いをそっと救い上げ、固く握りしめ楽しかった時を想像・回想する。ラストの明るく力強い台詞…「楽しい夏休みだった。私はこの思い出を一生忘れない!」は心に響く。寒風吹きすさぶ中、劇場へ向かったが、帰路は心が ほっこりするような心持になれる、そぅ心が温まる秀作なのだ。
    (上演時間1時間40分)

    ネタバレBOX

    舞台となるのがビートルズが来日した1966年、昭和の雰囲気が漂う喫茶店「セブン・ドアーズ」。店内セットで気になるのが、いくつもあるドア・・上手から「ヒルトン」「地下鉄」「病院」「国鉄」とあり、それぞれに所要時間が書かれている。カウンター、腰高スツール、テーブル等を設え、内装(レンガ壁)、壁に多くの写真を飾り 実に丁寧に作り込んでいる。何となく行ったことがあるような雰囲気の喫茶店、懐かしさを覚える。上部 後方には暗幕があり、それを開閉することで物語の時代・時季を表す。

    この作品は2002年に初演、2006年に再演、さらに番外公演も実施しているという。何度も上演し(観)たくなるのが頷ける。公演でも2002年当時を思わせる携帯電話を使用するなど細かい配慮。主人公・桑野明日香は、母が亡くなり喪失感に苛まれている。その様子を心配する恋人の隆。或る冬の日、胡散臭い男が、癒しの香を売りに来る。彼女は「明日への活力がわく香」を所望し、それを嗅いだところ、’66年夏にタイムリープ・・「夏への扉」を開けたのだ。実はタイムパラドックスを避けるため、彼女が生まれる前、すなわち存在しない年代を描く(理屈ではなく)。両親や好きな叔父がまだ生きている。ビートルズが宿泊しているホテルの近くにあるこの喫茶店は賑やか。活気のある日々を満喫し、いつしか元の世界へ戻りたくないと…。

    舞台美術の見事さはもちろん、時代の季節感を出すため、後方の暗幕を開閉する。冬の現在は暗幕で仄暗くどんよりとしている。一方、暗幕を開けた’66年は明るくカラッと晴れた青空を思わせる。衣装も時代や時季にあわせ着替える。外から店内に入ってきた父の顔は汗がいっぱい。明日香の後を追ってタイムリープした隆のワイシャツも汗で濡れている。2002年という未来だから分かる これからのこと、逆に1966年当時でしか知り得なかった事情が明かされ、自分が本当に愛され望まれて生まれた。今、亡くなった人々との楽しかった夏の日々は思い出しかない。しかし人は(楽しい)思い出だけでも生きていける。

    音楽はもちろん、レコードで聴くビートルズや日本のグループサウンズの懐かしの曲が流れる。物語で登場する平本恵は、いつの時代でもいる熱烈なファンを表すが、ビートルズは特別な話題性をもっていたようだ。そう言えば、明日香が嗅いだ香は客席(2列目で観劇)にまで漂ってきた。その匂いこそが熱気臭のようなものか。
    物語(脚本)の面白さ…人が持つ懐古、回顧、郷愁といった思いは、いつの時代になっても色褪せない輝きを放つ。それは自分のものでしかないのだから。ラストの明るく力強い台詞が心に響くのは、今となっては誰とも共有できないが、それでも過去に存在したことは事実。それを胸に刻み(思い出し)歩んでいくのだろう。
    次回公演も楽しみにしております。

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