公演情報
「三人姉妹」の観てきた!クチコミ一覧
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/11/07 (日)
価格4,000円
7日13時開演の千穐楽の舞台を拝見(126分)。
まず何よりも有難かったのは
アクト青山の頃から存じ上げてる、葵ミサさん
先月上演の『マリアの首』で拝見したばかりの、那須野恵さん
そして、会場で配役表を見てビックリ!の、兎団・柳橋龍さん
と、顔と名前が一致する役者さんが3人もおられたこと。
おかげで、長々としたカタカナ綴りにアレルギーを覚える、”ロシアン・ネーム”苦手男にも、比較的、早い時間帯に、登場人物の把握ができたのは、正直、助かった。
あと、実は(あらすじは承知しているものの)『三人姉妹』を観るのは初めてで、他の劇団等が上演した同作品と比較することは出来ないが、本日の舞台に限って言えば、大変平易にまとめられていたのでは?と感じられた。
勿論、原作自体のチカラによるところ大なのであろうが、(話の本筋には直接は絡まない、フェドーチク、ロデー、フェラポントを除いた)登場人物個々のキャラが立っていて、かつ、背景等の説明セリフも、不自然さを覚えさせずに、すんなりと飲み込めた。
さて、観劇しての感想だが、主要な登場人物の性別・年齢に関係なく、彼ら彼女らの言動に”身に覚え”があり、つい我が身を重ね合わせてしまうこと数多しw
若い頃でなく、無駄に歳を重ねたせいかなぁと苦笑を禁じ得なかった。
感慨深い時間を過ごせたことに感謝!
実演鑑賞
満足度★★★★★
前回作品に引き続き拝見しました。古典もともと結構好きなので、とても面白かったです。前回同様、演出も素晴らしく、とても分かりやすく観やすい内容でした。三人姉妹は、違う団体のを拝見したことがありますが、皆さんの舞台の方がとてもわかりやすく、感情移入しながら観られたように思います。役者の皆さんの熱演も素晴らしかったです。お疲れさまでした。
実演鑑賞
前作の評判がよかったためか、観客の期待感が強く感じられ、満席だった。
私自身もそれにもれず、観劇。
個性的な三姉妹の会話を楽しむ。
わがままであるが、素直に本音をぶつけ、それに男性が右往左往させられているのも少しかわいそうと思ったり。
彼女たちも日常に振り回され、気の毒だなと思ったり。
何気ない日常のなかで、チェーフォフは何を伝えたかったのか、いろいろ考えさせられておもしろかった。
チェーフォフの名作を観れて満足でした。ロシアの雰囲気が好きです。ロシアのよく聴く歌を役者さんが口ずさむとパッと明るくなりました。
ひとつだけ、気になったことは、満席状態なので、一部指定席でも仕方ないですが、残りは自由席だと有り難いのですが...
[エー、この席?] と言い、不満げに顔をしかめている人がいた。
私も小柄で背が低く、運悪く後方の席で、目の前に欧米人なみの巨大な男性が座り舞台が全く見えなり、ひどく悲しくなりました。
自由席なら、少し移動して問題が解決したかも...
素晴らしい役者さんたちの熱演、とてもよかったです。
実演鑑賞
満足度★★★★
海外古典戯曲を上演し続けている 劇団つばめ組の「三人姉妹」、よくまとまっていると思う。確かに登場人物、特に三姉妹の性格や立場といった表現は堪能できた。しかし、その人物たちが描く物語への集約というか集中が弱いように思われたのが勿体なかった。人物描写がしっかり出来ているから面白いはず、その先入観の外にあった印象だ。
この戯曲は、表層的には帝政ロシア末期における没落家族、その三人姉妹の悲しい運命を描く暗い憂鬱な物語だ。人が持つ夢や希望が、時々の状況によって日常的な現実のなかで次第に萎んで枯れてゆく。他方では、単なる暗く悲しい物語ではなくて、悲劇を基調としつつも喜劇的な要素も取り込んだ、それこそ人間の悲喜交々を描いた人生劇でもある。その基調である悲劇的な雰囲気が弱く、惰性的に現状を受け入れるしかない、といった喜劇性も感じられない、無色透明感で被われていた。
この戯曲を現代日本で上演するには、コロナ禍での日常の暮らしにみる社会的な閉塞感を背景に取り込んで、今上演する意味があることを示して欲しかった。
(上演時間2時間)
実演鑑賞
満足度★★★
まず杉崎智子さんが登場して入念なストレッチを始める。次に登場した那須野恵さんは手に持った本から目を離せない。最後に吉田直子さんが現れ、那須野さんから本を取り上げる。この三人姉妹の物語が開幕。
末娘イリーナ、アイドル声優風味のブリっ子な杉崎智子さんが可愛らしい。次女マーシャ、那須野恵さんは芯の強いインテリ既婚女性で、歌を口ずさむ癖。長女オーリガ(オーリャ)、吉田直子さんは未婚の教員で多忙な仕事の重責に悲鳴を上げている。この三人が本当に魅力的に描かれ遣り取りをずっと観ていられる。
11年前、父の仕事でモスクワから辺鄙な田舎町に越してきた一家。そこでは身に付けた教養も文化も意味を成さない。1年前父が亡くなり、遺された三姉妹はモスクワに帰京することを唯一の“希望”として暮らしている。オーリガの弟、二人の兄としてアンドレイ(石倉研史郎氏)と云う長男もいる。
正統派古典劇の進行は葵ミサさん演じるアンドレイの恋人、ナターリャの登場から崩れて行く。凄く現代っぽい所作、着こなし、口調。そこから次々とスマホで記念撮影する者や「俺ら東京さ行ぐだ」のコロナ禍バージョンのカラオケ等遊び心が展開される。
ロシア革命前夜の緩やかに国が滅んでいく兆しともっと新しい別の何かが人々を救済し導いてくれるような祈りにも似た予感が作品内に充満している。作中人物は常に未来の人々のことを意識する。「数百年後の人達は今の私達をどう捉えるのかしら?」「自分達は未来の子孫達に幸福を届ける為、働き苦しんでいるのだ。」その観点が興味深い。
先日亡くなられた白土三平の傑作『忍者武芸帳・影丸伝』。その最終回、処刑される影丸の最後の台詞「われらは遠くから来た。そして遠くまで行くのだ」(イタリア共産党のパルミロ・トリアッティの言葉が元ネタ)。現在の人類の社会は未だ不完全な形態であり、過渡期にすぎないと云う。今が完成された全てではないのだ。
希望とは、この酷い状況から自分を連れ出してくれる可能性を感じられる切っ掛け。三人姉妹にとっては「モスクワ」だったり「不倫(本物の愛)」だったり、それはぼんやりとしていて、けれど確然と胸裡に秘めて生きていく。
当日配布パンフの中の主催者の言葉が良かった。「演劇は祈りだと私は考える。だが祈りにもどれだけの意味があるのか。」「だが意味がなくても行動するのが人間である。」