公演情報
「ヒ me 呼」の観てきた!クチコミ一覧
実演鑑賞
満足度★★★★
いやあもう、なんでもありだな⁉️しりあがり寿さん脚本・天野天街さん演出で馬鹿馬鹿しいほどのエネルギーや可笑しさは言うまでもないけど、「恋」という新たな流行病に罹る恋人たちがそれぞれ素敵に見えてくるのは役者さんたちが魅力的だからかもしれない。
実演鑑賞
久々に天野天街演出舞台を拝めると密かに期待したが・・所謂「天野作品」は演出は脚本と一体であったと思い当たる。
今作は単刀直入に言えば脚本に難がある。冒頭、古からの由来のある温泉(というより遺跡?)から一気に古代へ飛ぶ。仮想の古代王国で奇想天外かつ希有壮大な物語が展開するが、話の定着と飛躍のバランスがSFチックな話では難しい。天野節は散発的に織り込まれるが、原作は「設定」を正当化するストーリー説明に終始してどうにか結末にこぎつけた印象で、天野トリックを優位に効かす余地がない。「天野天街世界」に塗り込まれる事のない天野氏演出舞台を初めて観た。私的には残念な出来。
自由恋愛を「知らなかった」という設定に、やはり無理があったと思う。
火(ヒ)族、水(ミ)族、木(コ)族という三民族は、ジャンケンのように互いが接触するとどちらかを消滅させてしまう存在。だから共存していても「恋愛対象」とならなかった。というより互いに反目しつつもヒミコに従う事で共存していた。ところが女王ヒミコの下命または死により、王命ではなく部族同士のコミュニケーションで国を運営する必要が生じ、悶着がありつつも交流が生まれる。これが「一目惚れ」の機会を作る。
惹かれ合う二人(男女関係に限らず)が部族の違いを超えて繋がろうとする所の描写が面白いが、複数カップルで同じ意味合いの場面が描かれると、やや冗長。二人は接触するとビリっと来るが、最終的には「最初は怖くてもこうしていれば・・」と、皆が手を繋ぎ合い、分立を乗り越えて行くというクライマックスは神話的な描写で「自由恋愛発祥」が標される。
着想は面白く、「接触」こそ生命の源だ、というメッセージは現在を意識したものであるのは間違いない。
ただ、「まだ自由恋愛を発見していない」未開の状態から、「何だか惹かれてしまう」事の発見、そしてそれが常態化するまでのストーリーでは、ドラマに必要な葛藤や障害が希薄になる。単純化すればこの芝居は、三部族が生物学的に接触困難であった、という障害を、生物学的な変異に拠って克服した、というだけの事になり、カタルシスがない。細かなエピソードや歌・踊り、笑いで肉付けし、それが話の前進に貢献してもいるが伏線回収の構成として弱いのは否めない。
恋愛を縛るのはむしろ社会システムが構築され、しきたりや制度が作られて行く段階だ。統治者は統治に不都合な「自由」に制約を課して行く。支配層や一定の地位を有難がる人々にとっては、現状維持が至上命題であり、体制に揺らぎが生じるのは人民に「富」や「余暇」が生じて「知」を手にする時だ。領土を超えようとする人々と押さえ込もうとする領主の相克の光景がみられるのは、文明興隆の時代、産業革命以後~現代。為政者は常に人民に「知」を与えまいとする。現在の日本では現状維持層の広がりが目立つが、反知性主義に表れるように「知」を手放し、後は何を指針に生きるのか(朝のワイドショーの占いか)。。
このような時代に自分を見失わないために、素直に自分の「好き」を殺さず育てよ、とは正しいのであるが、ピンと来なかった理由には物語の起伏という事以上に、何かある気がするがまだぼんやりしている。「ああなりたい」人物像として、古代の人々が迫って来なかったから、だろうか。
終わり良ければ、という話もある。冒頭エピソード(現代)では中年男と若い女性のカップルが登場し、男が誘った秘湯に着いてみたが地元旅館の女将っぽい婆が「先ごろの地震で地下水脈が割れて枯れた」との説明で、女は男を見限る。残った男が温泉に建った碑に手を触れると古代に飛ぶ、という運びなのだが、さてラスト。同じ場面に戻り、古代に紛れ込んだ男が現代に戻った体。そこへ女が別の若い男と登場する。先まで自分と居たはずの女は男を覚えておらず、周囲の者も現カップルを承認している。狐につままれた中年男、という「現実は厳しい」オチである。これが捻りがない。冒頭の予感を裏切る展開か、何か中年男にもたらされる教訓(獲得物)がせめてあれば何だが、惨めな三枚目で放置される。作者が考えすぎて一周してしまったのか・・。例えば若い男女を結び合ってる動機が不純で、今見た「純粋な惹かれ合い」と遠くかけ離れてしまった現代をチクリとやって終わるとか、それだけでも感触は違ったかも。
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2021/10/02 (土)
価格4,500円
2日19時開演回を拝見(約2時間15分)。
温泉浸かって・浴衣に着替えて・のんびり気分で眺める、昭和30〜40年代のお盆興行の喜劇映画のような作品。終始、ニコニコしながら観させてもらった。
【追記】
(歳がバレてしまうがw)終盤に登場する、卑弥呼のアレを目にして、『8時だョ!全員集合』のジャンボマックスを想起。心の中で思わず喝采♪
実演鑑賞
満足度★★★
古代、人々は恋を知らなかった。はやり病(胸が苦しい、味がしない等コロナっぽい)で卑弥呼が死ぬ。地下の墓所で、ヒ(火)族、ミ(水)族、コ(木)族が通夜の宴会。すると、部族を超えてよく似た別のはやり病(=恋)がみるみる広がり、男と女、男と男、あるいは女と女が「胸を痛め、食事の味も感じない」ほどの恋に落ちる。と思うと、墓所の出口が大石でふさがれて出られなくなり、恋患者は伝染性があるとして隔離される。救護班が結成され、未来に発明されるスクリーンで、離れていても会話ができるようになり…。
奇想天外、荒唐無稽な物語で、よくもこんなバカバカしい話をと思う。見どころは5元多発同時ループの宴会場面や、インチキ言語の伝言ゲーム、短いコントの連続のようなギャグ、ダジャレ、愉快なマッピング映像等々を舞台で目撃・経験することにある。様々な仕掛けを、おもちゃ箱をひっくり返したように盛り込んで、唯一無二の天野天外ワールドを作り上げる。3年ほど前に新国立劇場で初めて見てびっくりしたが、二度目の今回は少しなれたのと、舞台の条件が新国立ほどよくないので、少しアナログ的でおとなしい。
換気のためと称して、流山児祥氏が3度乱入。最後はヒ族の長と師弟対談を始める。「青山の全共闘副議長がいまや演出家協会会長。トップになって、あんたも変わったね」というやり取りは楽屋ネタだが面白かった。2時間10分休憩なし
実演鑑賞
満足度★★★★★
天野天街の演出。答えた役者。しりあがり脚本
案内からのいきなりスタート
良かったの一言。
少し補足
古代人導入部分を受け入れられるかどーか。
(アフターで言われてた観たことない、くどくした同時会話。確かに。)
流山児アジ健在。笑
お薦め!
実演鑑賞
満足度★★★
前半はかなり退屈でつまらない。隣の人は早々に退席。その気持ちもよく判る。演出・天野天街の遣り口が何となく掴めてきた。こちらから心を開いて歩み寄らないと面白くなっていかない感じ。しりあがり寿の三年ぶりの書き下ろし新作。
開演前のSEがカントリー調のギター・インストゥルメンタルで凄く良い。エンディングで皆が踊る『浴衣の大団円』のフレーズがブリッジとして劇中で多用されるのだが、それも名曲。作曲・諏訪創となっているが、何か何処かで聴いた曲のような。
デモクラシイタケ役の甲津拓平(こうづたくへい)氏は太ると凄味を増して、六平直政似。ヒロイン山丸莉菜さんはえらく可愛かった。小劇場美人とでもいうのか。彼女が居ないと退屈で観ていられない位。コメディエンヌ平野直美さんは力尽くでストーリーをぶん回してくれた。
後半四分の一がやっと面白くなるのでもっと全体を短くした方が良い。