満足度★★★★★
秀逸な外国映画のようでした
青年団系の芝居によくある、始まる前から、出演者が舞台上に意味なくいる演出、普段はあまり好きではありませんが、この芝居に関しては、そこから既に秀逸でした。
だって、出演者が、全員、既に、左官職人として、壁を丹念に塗り固めていたから…。特に、平田さんの存在感は見事としか言いようがありませんでした。何十年も、この仕事を黙々とやり続けて来た本物の職人さんにしか見えない。以前から大好きな役者さんを、更に大好きになり、尊敬しました。
アイルランドの芝居って、何故か、行ったこともない国なのに、懐かしさがあり、胸が締め付けられるような息苦しさを追体験するような劇後感をよく感じるのですが、この芝居もそうでした。
同じ職場の微妙な人間関係、生活の不安や厳しさ、どこか、違う場所に逃げ出したくなる閉塞感…、そういった、微細な感情の縺れが、写実に描かれ、見事な作劇でした。
相変わらず、田村さんの、セット使いの巧さには驚嘆もの。
平田さん、板尾さん、阿南さんの演技が互角で、まるで、昔のヨーロッパ映画の秀作を観るようでした。
惜しむらくは、柄本さん。屈折してナイーブな青年役は、任に合っていましたが、如何せん、活舌が、お父様譲り。映像なら何とか拾ってくれるでしょうが、劇場だと、大切な台詞が聞き取れず、致命傷でした。
満足度★★
始まってんの?
会場入ったら、壁塗ってる人が居たから、ステージ作ってるのかと思ったら、すでに芝居が始まっていたようでビックリ。4人とも良い感じの芝居でしたが、話の内容があまり面白くないので、それが最大の欠点かも。
満足度★★★★
板尾さんの存在感
板尾さんの存在感に、流されてみてしまいました。
柄本くんはわざとききとれないの?って演出なかんじなくらい序盤の早口セリフに焦ったけど、かわいらしいねっとりしたさわやかな青年でもたもたと軽くてなんともいえない魅力的な若手俳優さんだなと感じました。
舞台装置が建造物ってかんじで素敵でした。
満足度★★★
出演者・演出は良かったが。。。
シリーズ・同時代【海外編】前回の『昔の女』もそうだったが
なんか元々の脚本があんまり面白くないような気がする。
特に前半部分は、睡魔との闘いだった。
後半取っ組み合いのケンカしたり面白くなってきたが、
いまいちよく分からない終わり方。
出演者、
阿南さん、熱い!いい感じ。
平田さん、おじいちゃん役はまってる。途中平田さんであること忘れてた。
柄本さんは正直残念な感じ。滑舌がイマイチ、早口になると
何いってるのかよく分からない。
やはり、一番の驚きは板尾さん!
元々演技はうまいのは知っていたが、
阿南さん、平田さんと比べても全然負けてない。
というか独特の存在感では勝ってる?
それにしても
『昔の女』の最後の最後で大きく可動するステージといい
今回の実際のタイル張りといい、ステージ金かかってるなー。
やっぱり、国立劇場だから?
満足度★★★★
底辺なんだけど
どこか品があって上質。
スラングが飛び交う人間模様の中にも、それぞれのプライドや押し殺された気持ちが隠されていて、笑いながらも胸が痛くなる。
キャストやシチュエーション的にコメディに寄る感じなのかと思いきや笑いは抑え目でとても好み。
満足度★★★★
タイル!貼る!
黙々とタイルを貼りながらも、4人の登場人物の内側で渦巻く思惑。やり取りの軽妙さとそれぞれの人物の背景がバランスよくキレイな戯曲が丁寧に演じられてました。満足。