雲。家。◆フェスティバル/トーキョー09春 公演情報 雲。家。◆フェスティバル/トーキョー09春」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 2.0
1-1件 / 1件中
  • 満足度★★

    詩的なアジテーション。
    「F/TはとりあえずPort-Bが観たい」という誰かの話を聞いて、観劇。
    イェリネクという作家でさえ、Wikipedia程度の知識しか持ち合わせていない。
    一部ではポルノ作家とさえ言われているイェリネクだが、さて……。

    かなり咀嚼しにくい作品だ。原作テキストだけではなおさらだろう。
    原語でなければ作品としての広がりを失うという感覚も、何となく判る。
    それを日本に置換する作業の努力は、感嘆させられる。

    しかし、どうにもイェリネクよりは高山明の強いメッセージを感じる。
    観察者というよりは、デモ行進の先頭に立っているような印象。

    ネタバレBOX

    ほぼ一人の声によって、録音/マイク等を通じて、丹念に語られていく。
    「私たちは」「私たちは」のリフレインに、うまく全容を掴むことができない。
    テキスト至上主義を掲げる私だが、これほど詩的言語に埋もれると戸惑う。

    その結果が、ナショナリストのアジテーションのように聞こえた。
    詩的な言葉で埋められているだけに、あまりにも力強い。
    サンシャイン60/巣鴨プリズンの光景は、想像を限定させるものがあった。
    考える契機というには踏み込んだ内容だったからかもしれない。

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