満足度★★★★
なかなか見ることのできない
日帰りで見に行った初日。
久しぶりのク・ナウカメンバーの出演に、それだけでもワクワクものでした。
数年前のク・ナウカ版「夢幻能オセロー」の原形をとどめつつも、今回は、韓国らしい「恨」(ハン)のイメージが色濃く出た舞台となりました。
ただ、皆さんのいうように、元のお話や日韓の歴史的背景がわからないとツライ部分もあったかと思います。
イ・ユンテク氏とク・ナウカは、韓国ブームのずっと以前から交流があり、今回の作品はそれ故にできたんだなあと、感慨深く見ていました。
いずれにせよ、関西では、この類でこのレベルの「日韓交流」作品はまず見ることができません。
たくさんの刺激を受けて、見に行ってよかったなあと思いました。
満足度★★★
これを観て怒ってはいけない
説明を見ると、
平川祐弘が謡曲台本に翻案した『夢幻能 オセロー』
と、あった。
だから、夢幻能として見なくてはならない。様式を理解して鑑賞する、という心構えが必要。あるいは、単純に、これが好きか、これが面白いか、ということじゃないかな。
で、だけど、
いろんな表現手法がごっちゃにされてて、お得だと思った。全体として興味深く見られた。
内容はとっつきにくく、理解は難しい。能の鑑賞方法としては事前勉強が有効な訳だけど、これもそういう、事前勉強が必要な感じ。具体的には、オセローの人種が違うこと、政治的背景、ここまでの理解がないといけない気がした。
大変情けないことに、普通の芝居の態を為した「狂言パート1」からやっと舞台に気持ちが入って行けた。夢幻なんて拘らないで、デズデモーナがなんなのかは最初の方で明らかにして欲しかった。
満足度★★
あまりに前衛的すぎて ???
いろいろ演出家は勉強しているのだろうけど、
あまりにも抽象的すぎて、前衛的すぎて。
かなり退屈・・・な後味。
結局、何を描きたかったのだろうか???
韓国的な様式美?日本的な情緒さ?
メッセージが読み取れないってのは、
伝え方に問題があると、僕は思っている。
こちらは、観客なのだから。
観客をさておいて、作家のテーマだけを押し付けるのは
有償公演においてはエゴ以外の何者でもない。
オセローって、いわばメジャーな作品をベースに、
なんとなく、これってアートでしょ?って
場面が多すぎて、
とっても浅はかな演出としか思えない。
劇場のサイズと、作品の規模もチグハグ。
シアタートラム辺りで、限られた人を対象に、
ひっそり趣味の発表会として世に出されれば、
よかったのではないでしょうか。
満足度★★★
生演奏、舞台美術・映像(字幕)はすばらしい
これは『オセロー』というより、『オセロー』を題材にした別の作品。
たぶん原型をとどめているのは
イアーゴーがオセローに妻の浮気を吹き込む場面くらい。
というか
ストーリーに大陸・半島・日本の歴史を入れ込んだから
かなり短くした話が更に訳分からなくなっている。
会場で睡魔に負けている人もチラホラ。
台詞も
能や狂言っぽくしたのか昔の言葉使いなので非常に聞き取りづらく、
これで初めて『オセロー』を観た人はちょっとかわいそうかも。
それに語り部のような感じで出てきてた杖を持った人が
どういう立場なのか最後までよく分からず。
最後にカーテンコールは
悲劇にも関わらず恐ろしく明るいお祭り騒ぎ!
韓国の演劇のカーテンコールはこんな感じなのか?
という感じで訳の分からない『オセロー』だが
生演奏、舞台美術・映像(字幕)はすばらしい。
それだけにもったいない舞台だった。