実演鑑賞
満足度★★★★★
とても面白かった。なんとなく難しい系の作品かと思ってたけどそんなことなかった。スタイリッシュな演出でテンポよくときに笑いも散りばめつつ、俊徳丸伝説をモチーフにいくつかの愛情と哀しみと裁くこと許すことについて描いていた。それぞれの関係の鮮やかさと痛みが胸にしみた。
実演鑑賞
満足度★★★★
■90分強■
劇作家協会新人戯曲賞の最終候補作となり、『優秀新人戯曲集2020』にも収録された、能『弱法師』を下敷きとする一作。最終選考会から2年近い時を経て大幅な加筆修正がなされた脚本はもともと強かった奇怪味、不条理味がさらに強まり、秀逸にしてブラックな言葉遊びがさらに足されて確実にブラッシュアップされていたが、「ほんの少し複雑な物語」と当日パンフの挨拶文で作者自身も認めている通り、改作を経ても脚本のゴチャついた感じは解消されておらず、新人戯曲賞版同様、話はかなり呑み込みづらく、最後の最後まで消化しきれなかった。不条理味の強い作風からしてストンと腑に落ちるような劇を書く気は毛頭ないのだとしても、主人公である盲目の少年の今は亡きお母さんが誰なのか、せめてそれぐらいは詳らかにして欲しかったところ。とはいえ、二、三人いるお母さん候補のうち、少年の回想シーンに登場する鳩川七海さん扮するお母さんの、なんと魅力的なこと! 夕日の中にいるのだと少年の父が教えるお母さんは真っ赤な服を身にまとって強烈な存在感を放ち、演じた鳩川さんの地(じ)なのだろう、明るくおおらかで優しそうな雰囲気が客、殊に男性客を放ってはおかず、「元始、女性は太陽であった」という言葉を想起しながら、周囲を煌々と照らすような華々しいその姿に見入ってしまった。
本作の分かりづらさを非難するようなことを延々書いておきながらこんなことを述べるのはおかしいのかもしれないが、ド冒頭で提示された伏線を回収しつつさらに話を謎めかせるようなラストも好き。
最後に、本カンパニーはクリエイター集団という性格が強く、「映像作家や俳優、ダンサー、写真家などジャンルを超えた作家が集まり、(中略)創作をする演劇集団」だそうで、事実、シンプルなセットに絵や映像を投射して状況を表現する趣向などはたいそう効果的で面白く、プロフェッショナリズムを感じたが、各クリエイターの仕事を演出家が統括しきれていない印象は否めず。演出面における、全体的に不統一な感じはそこに起因するのでは?
実演鑑賞
満足度★★★★
一週間記憶を寝かせたら、「風景」はクリアに焼き付いてるがストーリーがぼんやり。思い出してみると・・劇は謎解き式の進行だが一観客的には最後にもつれた糸が解けてスッキリ、とは行き切れず。ただ盲の息子と父、母という三者のストーリー自体は数行で説明できたように思う。これに絡まる人物らとの関係がややこしかった(メインストーリーを盛り立てる役どころなのか、もう一つの物語として存在感を持つべき役どころなのかがいまいちハッキリせず)。
だがアウトラインを部分的に書き込んで行くタッチの中に、情動を伴って「父」が存在感をもたげるあたりがこの作品の核で、演出、演技がドライにドローイングした石灰色のカンバスにうっすら「色」が浮かんでいる的な、画法が売りのようである。
若い俳優のキャラも生かしつつの当て書きに思える所があったが、キャラ頼みのリアリティの薄いキャラを演じる姿より、もっと重層的な(つまりは人間の)役を担う俳優の頑張りを観たい・・とは劇団の志向の否定か?
実演鑑賞
満足度★★★
能の『弱法師(よろぼし)』をモチーフに捨てた盲目の我が子を家に連れ帰る父親の話。···では無いようだ。いろんな要素を詰め込み過ぎて、逆に散漫な味になってしまった印象。好き嫌いはかなり分かれるだろう。料理と同じで旨味成分が多過ぎても不味く感じるように人は出来ている。この題材ならもっとタイトに絞り込んだ方が客はのめり込んで観た。
ステージの下部が出入りできるようになっていて、グレート・ムタ宜しく役者が匍匐前進で消えたり現れたり。見たことのない装置で演者を撮影し、その姿をイラスト風に変換してリアルタイムでステージ背面の二面の壁に投影してみせたり。アイディアと技術が迸る。変換した3Dデータ画像はバレットタイムのようにぐるぐるぐるぐる廻る廻る。何じゃこりゃ未来都市か?と驚いた。特筆すべきは衣装デザインで、鈴木みのるの剃り込みや象形文字のようにジャケットをカットして、それを糸で縫い合わせたオーダーメイド。色々引っ掛かるので、着脱は大変そうだ。
駅で飛び込み自殺の高校生、目撃者は元裁判官と主人公である盲目の青年。青年は目が見えないものの、「許すな」と呟いた轢死者の最後の言葉を聴き取っていた。元裁判官の男は、その青年が自分が棄てた我が子であることに気付く。
女刑事役の松本真依さんが非常に魅力的。クールにもコメディにも振れるキャパシティ。毎日毎日彼女の下に自首してくる高校時代の友人役は橘カレンさん、彼女の告解すべき犯した罪とは?
素晴らしかったのはイマジネーションを刺激する台詞の数々。「天国は太陽、それは夕陽の中にある。」「地獄は影の中に。人は誰もがそれを連れて歩いている」。
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【雑誌掲載情報】 発売中の「Meets Regional」2021年11月号 吉永美和子さんのミニレビューにて幻灯劇場『盲年』京都公演を取り上げていただきました。 素敵なアフターレポートを書いていただきました!ぜひお手にとってみて… https://t.co/p0xpabaAhd
約3年前
10月4日は、鳩川七海の誕生日でした。 『盲年』ツアーの千秋楽が誕生日でした。ありがとうございました。 昨年は小劇場から大劇場、またNHK朝ドラ『おちょやん』に出演しました。おじいちゃんおばあちゃん親戚全員が大喜びでした。 今後も… https://t.co/yFCXwr5yYU
約3年前
はてなブログに投稿しました スタイリッシュな演出魅力的だが、今回は筋立てにやや疑問も 幻灯劇場「盲年」@こまばアゴラ劇場 - 中西理の下北沢通信 https://t.co/uPOAS5Zm76 #はてなブログ
約3年前
@hatokawananami 幻灯劇場独自の誕生日サプライズだなぁ。 誕生日おめでとうございます🎊 26歳の初舞台ガッツリ観させて貰いましたよ(´∀`*)ウフフ
約3年前
盲年の「あけみ」は、エレキテル連合の「あけみ」から来てると、私は睨んでるのよー
約3年前
幻灯劇場 盲年 東京公演終演しました。 完売で嬉しかったです。 観に来てくださった皆様、関係者の皆様と貴重な時間を共有させていただき楽しかったたです。ありがとうございました。 寒くなってきますがお元気で〜! https://t.co/rd3V2dOF0J
約3年前
アンケートでも好評だった衣装は初演に引き続き杉山沙織によるもの。 初演は映像にとけ込む配色だったが、再演では映像の中でも自立する様な配色に。『盲年』という物語から裁断+縫い合わせという手法を選んだのが素晴らしかった。 東京公演を… https://t.co/FYkulGDTCk
約3年前
アンケートでも好評だった衣装は初演に引き続き杉山沙織によるもの。 初演は映像にとけ込む配色だったが、再演では映像の中でも自立する様な配色に。『盲年』という物語から裁断+縫い合わせという手法を選んだのが素晴らしかった。 東京公演を… https://t.co/7MpxP5YaUc
約3年前
隙あらば自分語りかましましたが、定期的に嵐を呼ぶ(物理) 幻灯劇場を今後ともよろしくお願いします。 寒すぎてもう豚汁飲みたいなぁ。 皆様もまだまだ油断せず、体調にお気をつけてお過ごしくださいね〜〜〜〜
約3年前
幻灯劇場第九回公演 『盲年』京都-東京ツアー 大変なこのご時世、舞台が出来るという事は奇跡だと思っています 京都と東京関わって頂いた全ての方に感謝致します 沢山の努力と沢山の偶然が重なって演劇が出来ているという事を忘れずにこれ… https://t.co/bXbhHjgp6M
約3年前
@hatokawananami 鳩川先輩!京都→東京とお疲れ様でした。 後輩(@momoko_ono )の推薦をもらって初めての幻灯劇場でしたが、楽しめました✌️次回公演も楽しみにしています✨
約3年前
幻灯劇場 こいしい
約3年前
幻灯劇場「盲年」 京都・東京ツアー公演 全ステージ終演いたしました🕺 ご来場ありがとうございました! 吉田くんも工場長も検品係も、暴れるヌタウナギくらい扱いの大変な役柄でしたが、安全にフィニッシュできてよかった! 次は今月か… https://t.co/FmkZERUqsf
約3年前
幻灯劇場『盲年』 京都公演、東京公演ともに終演いたしました。ご来場下さった方々、スタッフ、関係者、皆様にありがとうございました!! 貴重な京都と東京のツアー公演に出演が出来て嬉しかったです。 終演後も油断せずに過ごします💪 https://t.co/sizl50x0uy
約3年前
幻灯劇場 盲年 京都東京ツアー公演 ありがとうございました 事務,明美,守屋香織などをしてました 鳩川七海でした また会いましょ 撮影:中谷利明 https://t.co/GK86FGhDj4
約3年前
幻灯劇場 盲年 京都東京ツアー公演 ありがとうございました 事務,明美,守屋香織,その他多勢役の 鳩川七海でした また会いましょ 撮影:中谷利明 https://t.co/oZIOQKK4OT
約3年前
本公演にご協力頂いている皆様です。ありがとうございます! 脚本協力:総本山三井寺、岩田慈観(真言宗単立寺院 ⻘蓮庵)、芳野香(ATCスタジオK) 協力:安住の地、ISSO inc.、およそ三十世帯、劇団衛星、幻灯劇場、ドキドキ… https://t.co/fJfmG4zDXQ
約3年前
幻灯劇場第九回公演 『盲年』京都-東京ツアー 一年半ぶりの劇団公演が無事終演しました。不安だった初の東京公演も完売、全公演満席という最高の状態で上演することが叶いました。 この大変な時期にご観劇下さったみなさん、座組の皆、作品に… https://t.co/0cXfp9R0bW
約3年前
@tatukaze753 次は幻灯劇場さんとしてなのか、はたまた他なのかも期待してますね♬
約3年前
幻灯劇場第九回公演 『盲年』京都-東京ツアー 一年半ぶりの劇団公演が無事、全ステージ終演しました。 この大変な時世にご観劇下さった458名のみなさん、座組のみんな、作品に関わって下さったすべての方々に感謝です。 https://t.co/RwCf0vHdlx
約3年前
盲年 真っ白な空間に黒い男が出てきて始まって良かった 色んな映像が白い美術にうつされて駅や工場や家やら過去やら冒険した気分 なんと…と思った場面があった。薄暗い工場 安物のスピーカーから流れてくるオーケストラ音楽、横たわる侵入者(… https://t.co/XUnRDRzpKJ
約3年前
盲年 真っ白な美術に黒い男が出てきて始まって良かった 色んな絵が白い美術にうつされて駅や工場や家やら過去やら冒険した気分 なんと…と思った場面があった。薄暗い工場 安物のスピーカーから流れてくるオーケストラ音楽、横たわる侵入者(?… https://t.co/pXqDcOuILl
約3年前
幻灯劇場、盲年無事、アゴラ劇場でよ東京公演も終了したそうで、皆さんお疲れ様でした。 デザインした美術を褒められることが不思議と多くて、ふわふわした気持ちですが。謙虚そして貪欲に邁進していこうと思います。 お越しいただきありがと… https://t.co/07RmHbWqum
約3年前
幻灯劇場『盲年』続、この瞬時に場面を変え風景を醸し描かれるものを具象化し演じられるものを裏打する仕掛けが、舞台を疾走させるのではなく、むしろ俳優達が描く刹那の足がかりとなり、その奥行きとなり、冴えを作り物語を丁寧に鮮やかに浮かび上… https://t.co/iIeFkSLJkE
約3年前
10月4日昼にこまばアゴラ劇場で幻灯劇場『盲年』、劇団名で想像していたのとは異なり、背景がキレッキレの映像の創意に満たされ、場を作り、語り、俳優の身体がそのスピードや表現のニュアンスを鮮やかにしなやかに纏って物語を編み上げる。その… https://t.co/dHLQpIU2Sf
約3年前
この2週間、コトリ会議と幻灯劇場のお手伝いでちょこちょこ駒場アゴラに行ってきました! 特に幻灯劇場の盲年は4日間もおったから終わって名残惜しい… そんなこんなで夏休み終わった〜 https://t.co/O2YqdlhCgy
約3年前
盲年終演いたしました。
約3年前
幻灯劇場は愉快だ
約3年前
なんやかんやあり、昨日今日とピンチヒッターの舞台監督をやっておりました幻灯劇場『盲年』終演しました。 2年ぶりの舞台監督業務と1年8ヶ月ぶりの幻灯劇場でしたー
約3年前
昨日は幻灯劇場の『盲年』を観劇 不穏な展開なのに、ワクワクする演出とクセになるセリフ回しにずっと心を惹きつけられる舞台でした。 観れてよかった。 また東京でも公演してほしい... https://t.co/DNrdvHBwAa
約3年前
【終演しました】 幻灯劇場 第九回公演 『盲年』 京都・東京ツアー公演 全公演が終演しました!幻灯劇場にとって一年半ぶりの公演、そして初の東京公演でした。 大変なご時世の中、お越しいただいた皆様、応援してくださった皆様に大変感謝し… https://t.co/YB5wRmPYst
約3年前
幻灯劇場『盲年』東京公演 こまばアゴラ劇場 ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございます。 公演アンケートへのご協力をお願いいたします。 今後の活動・作品制作の参考にさせていただきます! https://t.co/Hl9i7t2cKt
約3年前
幻灯劇場『盲年』観劇 ともすれば重くみえてしまうようなストーリー 台詞回しや演出で退屈せずというか疲れさせずにみせてしまうのが流石 本当に好きな団体の東京公演 観に来れて良かった https://t.co/riaceV6PYs
約3年前
いよいよ向かうよ幻灯劇場の芝居を観に。 思えば鳩ぽっぽの芝居生で観るの初めてだわ。 東京暑いね・・・。 寒いって言ってごめんな。
約3年前
本日、千秋楽です! ウルトラQに出てくる怪獣みたいな顔した僕の写真を添えて……👺 幻灯劇場『盲年』東京公演 @こまばアゴラ劇場 https://t.co/gIWCaVLJDt https://t.co/LBbpsXoJSL
約3年前
幻灯劇場 第九回公演 『盲年』京都・東京ツアー 明日 千秋楽です! 10月4日(月)15:00〜 こまばアゴラ劇場 https://t.co/yqzAIDp56e 舞台写真撮影:中谷利明 https://t.co/2Y5H8FBVyW
約3年前
こまばアゴラ劇場にて幻灯劇場『盲年』を観ました。 お話自体はずんっ…とくるような内容なはずのに映像とか動きとか音楽とか笑いでカラッと観てました。ひゃー、もっと観てたいやつ、、、 https://t.co/JxDQ2reAF9
約3年前
盲年、チケット取りそびれたことを非常に後悔している
約3年前
@hatokawananami 年内の客演もやけど、幻灯劇場さんの関西の発表も楽しみにしてるね 東京ほんと盛り上がりますように( ˇωˇ人 )
約3年前
幻灯劇場『盲年』観劇してきました🌃 ダンスやプロジェクションマッピングで視覚的に鮮やかかつアクティブながら、秘やかな感情のやりとりが入り乱れていて最後まで何が起こるのかわからなかった。 観終わった後にずんっとくるタイプ💎 透 役の藤井颯太郎さんがとても良いお声でした!
約3年前
今日はこれから、幻灯劇場の『盲年』を拝見する。幻灯って言葉を知っていても実際に見たことのある年齢層って随分と上なのだろうと思う。さて、幻灯の様な上演なのだろうか。
約3年前
今日は幻灯劇場観て、そのあと映画館でバックトゥザフューチャー3観てんけど、幻灯のあと綺麗な夕焼けで、バックトゥザフューチャーのあと激しい雷雨で、すごい良かった。
約3年前