Le Fils 息子 公演情報 Le Fils 息子」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
1-3件 / 3件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    それぞれが葛藤し悩む中、愛情を抱きながらもすれ違っていく。ヒリヒリするような展開を息を呑むように見守った。戯曲も演出もキャストもハイレベルで完成度の高い舞台だった。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    一度こじれると簡単に直せない、思春期の子供を持つ困難を、抑制的に、リアルに、しかし切実に描いて、目の離せない2時間だった。高校生の息子が、学校に行くふりをして何ヶ月もサボっていた。元妻から驚きの話を聞かされた、父(元夫)は息子に「なぜだ」と聞くが、息子は「わからない」としかいわない。ここから意思疎通がうまくいかなくなる。

    息子は「ぼくは生きることがうまくできない」と訴えるのだが、父も母もまともに受け取れない。一方、父・母が必死に息子のために準備する家や、転校先を、息子は受け入れるように見えるのだが、本心はわからない。息子が母とはダメだというから、父は若い再婚相手と、乳飲み子のいる家に息子を引き取る。父のもとで素直そうに見えるが、しかし…。息子に「どうして母さんと僕を捨てたんだ」「ぼくを傷つけたのは父さんだ」と言われたら、父親はどうすればいいのか

    父は成功した弁護士である。パリにも仕事人間はいる。でも日本の父親より、よほど家庭を大事にしているというべきだろう。母親も働いていた気がするが、職業が出てきたか、忘れた。
    岡本健一、伊勢佳代、若村麻由美、そして新人で岡本の息子の岡本圭人。4人の俳優もみな素晴らしい。実に生々しい切ない舞台だった。

    ネタバレBOX

    精神病院で、両親が医師から選択を迫られた時、僕は最初、あれ、退院させないの?と思った。息子にあそこまで言われれば、退院させるでしょうと。病院の医師と息子とどちらを信用するのかと。でも、実は芝居の中の父も息子を退院させたのだ。そこまできてで、僕は気づいた。これは悲劇で終わるのか!と。見事に感情を持って行かれた、巧みな展開だった。しかも、最後に、一瞬希望を見せて、それは幻だったとわかる。何度も儚いのぞみを持たされた。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    2019年の「父」が評判であった同作者による新作、タイトルもずばり「息子」は「母」に始まる三部作の三作目だとか。「ある息子」でなく「いわゆる息子」への眼差しのある、特殊と言えば特殊だが変哲のないと言えばよくある思春期の子と親の物語。フランス人演出舞台は初。演出は淡々とシーンを折り重ねて行く。人物らが渦中にある感情を観客は「演技を介した」記号として受け取る。だが感情移入を排してもそこに「ある」ドラマが、否ドラマのドラマたる所以が、やがて姿を現わす。
    舞台を思い出しながらなぜかふと過ぎったのが映画「花様年華」(内容は全く違うが)。幾度も繰り返されるアンニュイなワルツと、どこか覗き見るような(思いきり寄っていようが変わらぬ)カメラの「眼差し」は、この舞台で言えば・・・簡素な装置(十分に「家庭」である事を教えるパーツはある)の無機質な転換の形式が、「実験台」に置かれた人間たちとそれを眺める観客との関係をやんわりと作り、音楽はどこかで聞いたクラシック曲が各場面に当てられ、微かな感情移入を助けるが逆に「いかにも」なニュアンスも湛えて微妙~な線を行く。(場面に寄り添いながらも、一定の距離をとっている感じ。)
    お話についてはまた後日。

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