公演情報
「みえないランドセル」の観てきた!クチコミ一覧
実演鑑賞
満足度★★★★
文学座俳優にして「書く人」である山谷典子女史のring-bong観劇は久々の二度目。休憩10分を挟み二時間半とアナウンスを聞いてお~と思う。前に観た芝居は(失礼ながら)この時間に耐えるだけの戯曲が書けるという印象を持たなかった。
だが開幕し、出だしから作劇に磨きがかかった事を実感。母子の世界と、なぜかパン屋に設定されたセミパブリック空間に自然に入り込め、序盤で登場する殆どの人物らを手際よく紹介し識別もしやすい。休憩後の二幕は照準を当てた人物に接近し、生々しさを増す。深みに降りていく筆捌きは中々。ここで漸く登場となる、水野あきの貢献が大きい。
ただ大団円は「長い」と感じる自分がいた。その感じ方はよく女性だけの会話の場に立ち会った時のそれに似ている気が。性差、とは簡単に言いたくないが・・
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2021/05/17 (月) 14:00
座席1階
テーマは児童虐待。重い話になりそうだと思っていたが、多彩な登場人物を配置し、押さえるべきところは押さえてハッピーエンドに仕上がっている。
前回の緊急事態宣言で上演が延期になった。その時も申し込んでいたので、期待を膨らませて久しぶりのアゴラへ足を運んだ。
この物語が秀逸なのは、主要な登場人物の女性にそれぞれ「過去」を持たせているところだ。生まれたばかりの娘を放置して男と出て行ってしまう主人公・遥に寄り添い続ける助産師の雪だが、彼女は専門職としての倫理観からだけで「特定妊婦」であった遥の支援をしていたわけではなかった。(特定妊婦は、妊婦検診に訪れないなど、出産や子育てに課題があると思われる女性のこと。保健師などによる支援の対象になる)。ネタバレになるので詳しくは書かないが、遥が雪に「子供を産んだこともないのに、私のことなんかわからない」と言い放ったところから、一つの糸がほぐれて物語の幅を広げていく。
同様なことが、赤いランドセルを背負って夜間中学に通う84歳のみどりの過去でも明かされる。彼女も赤ちゃんの泣き声を聞きつけて何度も遥の家のドアとたたき心配をするのだが、彼女にとっても「子供を育てる」というキーワードに絡む一本の糸が舞台に絡んでいく。
いい脚本だと思う。すすり泣きをしている人が客席のあちこちにいた。自分も最近、NHKの「透明なゆりかご」の再放送で見たケースと同じような場面が出てきて、思わず感涙を誘われてしまった。
山谷さんの前回の上演延期でのメッセージなどから、コロナ禍と深く関係している物語かと思ってしまったが、そうではない。コロナ禍の生活という設定だけに役者さんは皆、マスクをつけている。マスクなどに絡んで笑いを取るようなところはあったが、この物語はいつ上演されても客席の心をしっかりとつかむ力があると思う。もちろん、コロナ禍での子育てがお母さんをより孤独にし、虐待を生むという背景は示唆されているのかもしれないが。
最後にもう一つ秀逸な点を。この物語の舞台であるパン屋さんの近くの広場に児童相談所の建設が計画されていて、登場人物の中にも「迷惑だ」という気持ちを述べた人がいたというところだ。子どもや年寄りのことなど日ごろはあまり関係がないと思っていると、児童養護施設や特別養護老人ホームなどによくない印象をもって「うちの近くにできるのは嫌だ」と感じる人は少なくない。この舞台では、最後は子どもの笑顔によって救われるという物語でありながら、児童相談所が迷惑施設だという会話を出しているところに、この物語を貫く作者の強いメッセージを受け取ることができる。
いい舞台だった。みどりが背負っていた赤いランドセルが、遥の娘・初音ちゃんに背負われる日が来ることを祈りたい。
映像鑑賞
満足度★★★★★
久しぶりの観劇でした。
明るくふるまう兄キャラは死んでるんだよね??虐待で・・
気になったのはいくつもあるけど、スモークか、換気目視のためにんだろか
現実はマスク生活だからこっちが正解なのわかるが、いい加減芝居でマスク演劇すんのやめてもらえないかな。役者観にいって顔が見れないなんてやっぱ変だよ。
実演鑑賞
満足度★★★★★
◼️約155分(途中休憩込み)◼️
ネグレクト問題を入り口にして、人間が生きていく上で何が大切なのかを教えてくれる、二時間をゆうに超える力作。
ヒロインの人物造形が定まらないところにずっと引っかかりを感じていたが、最終盤の素晴らしさたるや、そんなことがどうでもよくなるほど。
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2021/05/14 (金) 14:00
児童虐待を扱った演劇、と簡単には言えないリアルさを持った作品。いいモノを見せてもらった。
シングルマザー遥を取り巻く人々の造型や、遥の生い立ち・児童虐待の実際など、丁寧に描いて見応えある作品になっていたが、笑える場面もあり、堅苦しくなりすぎず、バランスが取れているのがいい。良い脚本と演出と役者が良い舞台を作る、良いパターンの芝居を見せてもらった。赤ちゃんの泣き声は人間にとっては嫌な音に聞こえる(ので、気づいて見てもらえる)という話を聞いたことがあるが、赤ちゃんの泣き声が続くシーンで、そんなことを思い出してしまった。