サンサーラ式葬送入門-自在篇- 公演情報 サンサーラ式葬送入門-自在篇-」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    観てきた!を書くときに鑑賞方法を選択するようになっていますが、いつからこうなったのでしょうか。今日まで気づきませんでした。
    初演も観たはずなのに不思議な物語だったということ以外ほとんど覚えていませんでしたので、新鮮な気持ちで楽しめました。ただ、甲斐を演じた竹石悟朗さんの存在が切なかったことだけはなぜか鮮明な記憶として残っています。
    あんなにその世界観に染めておきながらの最後の「えっ?」
    それはこちらのセリフです。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    初演を知っていて、一ヶ月前に普賢篇を観ているので話の流れは充分に分かった上で鑑賞。普賢篇と対になるちょっとした工夫・劇伴曲の変更が作品を新鮮に見せてくれた。

    期待していたご出演者の演技に大変満足。
    細川演出は俳優の個性を伸ばすようなところがある(と個人的に感じている)ので今作もとても楽しく拝見できた。

    以下ネタバレ。

    ネタバレBOX

    観客の反応が気になりながら作ったという初演とは異なり、今作は作品に自信を持って作り上げたもの。いろいろなシーンによりメリハリがついていたように感じた。

    出色のシーンは幸村先生を送るシーンか。「送る」はすなわち「殺害」である。しかし舞台上に展開される空気のカジュアルさが客席をも包んで笑いが起こる。
    初演時からこのシーンは笑いの起こるシーンだが凄惨な殺害シーンであり、その前後に日常たる食事がおこなわれる異常さを感じられるか、観客として試されている気分になる。

    初演より派手になった殺害シーンといえば境のシーン。斬られた場所をいたぶられて痛みに上がる境の悲鳴が流石。甲斐は標的をいたぶり、芹沢はそんな甲斐を止めるという点に人物像を垣間見た気持ちになる。
    境は殺されたあとの幽霊としての演技も最高!まばたきの少ないカッとひらかれた眼、工藤が起き上がったときに数瞬遅れてすうーと半身を上げる動き。お前を恨んでいると言いたげな、こう、まさにイメージしている「幽霊」だった。

    「ある男」作品の初手から自らの生命を売却しようとするこの人物は実は最初から異常人物である。それが最初から最後まで貫き通されているような演技。初演と同じ俳優が同じ役を演じているが初演よりパワフル、アップデートされているように感じた。

    「あのお方」藍川青年はAとBで俳優が別。どちらもイマドキの高校生として登場するのに終盤にはまるで別人のよう。年齢相応の感じも、超越した感じもどちらも読み取らせる佇まい。普賢篇の俳優のときもそうだったが「おいで」にぞっとするし艶を感じさせてくれた。自在篇の藍川青年、学ランの下が半袖なのとても良いです。素でどきっとしました。良いです。

    初演時から異色で目立つ役といえば殺し屋でありながら殺し屋らしからぬせりちゃんとその下にいる甲斐くん。今作も殺し屋らしからぬ芹沢はどこか聖人のような佇まい、慈母のごとき優しい顔で工藤を懐柔する。飄々とした初演の芹沢よりも優しさと冷静さを前面に出したような造形は俳優の内面があらわれたようで、この演技を観られる幸福を感じた。
    甲斐くんのやんちゃぶりは初演と同様でありながら、より獰猛で威張りがち、チンピラ感の増した甲斐くんは長身もあいまって大型犬の様相。愛すべきキャラクターをこの俳優に演じてもらえてありがたい。

    再演にあたり普賢篇・自在篇で加わったシーンはご都合主義的な感じあるが苦笑、まさに”入門”した工藤が習得した知識をつかおうとする場面ということで面白く拝見。

    あいかわらず銃声にびっくりします。殺害シーン多数のエンタメ作。脚本には余白があり、説明しすぎることはしませんし正解も解釈の間違いも提示されません。ご自由にどうぞというスタンスなのかな。
    作り手は好きに作るし、観客は好きに解釈する。それもまた良しと思っています。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    どうしても好き嫌いは出る話ですが個人的にはやはり好きな作品。無理のない役者の数で無理のない時間に収まっていたように思う、やはり完成度が高い。中でも初演を見ているので薄々そう思ってはいたが笑いどころかほぼほぼセリフもない宮井さんの芝居がいい意味でヤバかった。

    ネタバレBOX

    警察チームを若手に振っているが、これは何か意図してのことだろうか。個人的には結果的に作品中唯一の希望になっており、より未来の希望感があって良いと思った。

    小劇場の椅子の硬さを再確認した。2時間はきつい
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    サンサーラとはサンスクリット語で輪廻のことであり、この舞台では死後どのように転生するかがテーマである。ただし哲学的な考察があるわけではなくチラシ(注)から受けるようなインド的な匂いもない。輪廻にこんな法則があったら面白いでしょうと言っているだけである。どんな法則を採用するかは作者の自由なわけで面白いと感じるかどうかは観客次第である。

    色々と複雑な構成になっていてカーテンコールでこんなに沢山の俳優さんが登場していたのかと驚いた。謎めいた演出も多いがそれらが解決されるという作りにはなっていないし、結果的に無駄な場面もあって楽しめるかどうかは観客次第である。

    劇団6番シードの魅力的な役者さん達が出演されていてそこは楽しめたが上記の2点については私好みではなかった。もしかして綿密な伏線回収があったのを私が理解できなかったということがあるかもしれないがそれを含めての満足度なのでご容赦願いたい。

    注)CoRichで表示されている画像は公演パンフレットのものであり、チラシは2月のものを左右反転して赤青の色を入れ替えたようなものである。

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