公演情報
「クリシェ」の観てきた!クチコミ一覧
満足度★★★★
鑑賞日2020/02/01 (土) 19:00
映画や演劇などで描かれてきたさまざまな物語へのオマージュが込められたエピソードやアイコン。女優や劇作家たちの暮らしはあきらかに作り物めいて、その胡散臭さと現実の歪さが怖いと同時に少し笑いを誘ったりもする。
それぞれのわかりやすい役割の裏に真実の顔があったり、それもまた見せかけに過ぎなかったり。
そして何より、姉妹を演じる川村 毅氏と加納幸和氏の存在感が独特の雰囲気を醸し出していた。
ことに加納さんが登場された時の美しさには思わずハッと息を飲んだ。
自分の日常の生活とは別次元の、奇妙な味の奇妙な物語。ゾワゾワするような居心地の悪さな奇妙な親密感を楽しんだ。
満足度★★★★
パフォーマーとしての川村毅は新人戯曲賞審査会で垣間見ていた。「やり手」であった(審査員や司会としてだが..何しろ声が通る)。その川村氏が昨年の審査会に姿を見せなかった。昨秋の劇団公演あたりからどこか孤独な勝負師のオーラを出していたが(個人の印象)、どうやら劇作家協会からも撤退したらしい(恐らく)。
組織に居る事の安定と窮屈さから抜け出たのだとしたら、やはり真っ向勝負を始めたという事ではないか・・。等というのはゴシップ並の憶測であった(失礼)。だがそんな想像と今回の「クリシェ」は妙に馴染んだので、ゲテモノ見たさに足を運んだ。
劇場へ走ったが冒頭を見逃し、語り手役の男が導入で語った情報がどこまでであったか・・老いた元女優姉妹が住まう邸内の状況が、見終えた時点で悔しくもスッキリ解明できず、未消化(いつか戯曲を立ち読みするつもり...コラ)。
だがそれをおいても、過去の栄光に浸り、今がその時であると倒錯し、周囲を巻き添えにして生きる・・その姿そのものを「こわい」と思うのは何故か。自分がそうなりたくない(だがなるかも知れない)醜さへの恐怖。守りたいものなど無い、と思っている者でも、恐怖映画を見て恐怖をおぼえるのは、やはり何かを守ろうと構えているから。恐怖はだから、己が美的感性、願望を指し示している。そして勿論、そこには差別の根源がある。
ナルシスティックな悲劇的な叫びを観客が受け止めるのでなく、グロテスクの様相に観客が叫びを上げる。最大のガス抜き。もっとも今作は謎解きの順当な道筋をたどる折り目正しいお話のようで。
グランギニョル、という見知らぬジャンルを観たく一時期焦がれたものだが、今作がそれだとしたら想像と違った。BGMに阿鼻叫喚の声、人が死にまくる、血を浴びて快感!・・そういう劇団既にあるが、これは何だろう。破壊願望か。ふと思い出したのは、小学生の頃、お化け屋敷に憧れ、住みたいと思った。怖いものと同化したい欲求・・少年期特有のもの? 性的な領域とどこか繋がっていた気も。。
人が人でない存在によって不可避に苛まれる状況が、人を「生」へと駆り立てる・・その力を求めていたのかも。
一体何の話だ。
満足度★★★★★
自分では、完成度の高い舞台芸術を観たという印象だ。脚本、演出、照明・音響といった舞台技術はもちろん、役者の演技力が素晴らしかった。
タイトル「クリシェ」は、サスペンス映画の名作へのオマージュ、紋切り型のメロドラマのことらしい。タイトルを意識した公演は観応え十分だ。
(上演時間1時間50分)