ダルカラでまたやる前に。
PC不調で登録が遅れていました。今更だけどしっかり印象は残っています。以下、当時の日記より。
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去年、おやつの時間堂にて「小屋入りから一週間の制作過程を公開して最終日に本番」という企画で上演された演目。両方を観ると比較したくなるかもしれません。しかしこれらは完全に別物。
今回はじっくり稽古をしているのもあって質感が違った気がします。視覚的ではない意味で、色が濃かった。白いキャンバスを適切な色使いで染めていました。先述の企画の際にはタッチが荒い部分もあり、それが生命を感じさせもしたのですが。その時はどちらかと言えばパフォーマンスに近いライブ感でした。それからするとこちらは地に足が着いています。そしてその分、純粋に演劇として観ていられます。普段観ない方にもオススメ出来ると思います。観る側が大笑いや大泣きをしたくなる様な場面はないけれど、微笑んだり切なくなったりはするはず。勢いで感情を押し付けるのではなく、自然と引き寄せて移入させる形。『演劇って何が面白いの?』という問いに対して理想的な答えがこの演目かもしれません。
満足度★★★
翻訳劇の言葉
おもしろくなりそうなところで終わってしまった印象がありました。
女優陣が翻訳劇の言葉をものにして、自分のことばで話し、感情も豊かに表現できていたことが、すばらしかったです。
満足度★★★
くすぐったい残念さ。
面白くなりそうになると幕切れ。じっくりみたいところが見られずに終幕。題材が面白いだけに残念。わくわくさせられて、肩すかしの繰り返し。でもお父さんの公式は最高。
満足度★★★★
もしかして反動?(笑)
じっくりコトコト煮込んだスープというか、基礎のコンクリート打ちから時間をかけたというか、隅から隅までピシッと筋が通った安定感があり、安心して観ていられる、な感じ?
その昔、労演会員である父親が都合で行けなくなった時にピンチヒッターで観に行った芝居などと共通の「落ち着いた」雰囲気が「芝居芝居している」的、あるいは「戯曲ってのはこういうモンさ」的な。
その意味でコロ主宰が普段柿喰う客で演っているものの真逆とも言え、「え、もしかして反動?」みたいな…(笑)
親子ものが弱点な身としては、第2幕第1場の回想シーンにおける父と娘の会話に顕れた父親の理解・愛情にホロリ。
また、そういえば第1幕の幕切れも鮮やか。ある意味オーソドックスで「あ、ここで休憩かな」とちゃんと予測できたりして。
さらに、数学者の父が、数学に関する才能の片鱗を見せる娘に「お前の悩みの数も数学的だ」などと言うユーモアも外国戯曲的かも。
満足度★★★★
こんな
「俳優座」がやりそうな、カッチリした翻訳劇を王子小劇場で見られるとは!!
(笑)。
さすが黒澤世莉! そんな誉められ方をしてもうれしくはないだろう。
WIPも行った身としては、稽古から本番へのブラッシアップの過程に興味がわいた。
「わぁ、おもしろい」って舞台でも、感動で持ってかれて涙ウルウルという舞台でもないので、冷静に役者の演技に注目できるので、けっこうガチで取り組まざるを得ない役者陣はたいへんだったろう。
でも、コロがこんなのをやりたいと思うことに、驚き。で、できちゃう実力に…
あ、こりゃ、そんなに不思議じゃないか、「柿」でしごかれてるもんな。
収穫は「リュカ」のこいけけいこ。今回はとても、美人でしたぁ。
とりわけ企画力に脱帽
※お手伝いさせていただきましたので★つけてません。
正直、08年末日本でこの脚本を上演する意味はあまり感じられなかったが、
(チラシにも書かれているように)『柿喰う客』所属の役者・コロの企画として、
ものすごく重要な意味があったと思う。
その企画→実行力は本当にすばらしい。
作品も、翻訳劇特有の臭みも少なく、上質に丁寧に作られていて
本当に長さを感じさせない素敵な舞台だったと思う。
個人的に、お姉さんの表情の創り方が、他の人のストレートさと比べて
ちょっとひねられていたのが、若干違和感を覚えた。
次回も期待大。
満足度★★★
評判は良かったけど
正直言って、このお芝居はよく判りませんでした。
台詞やそれに込められている深さを期待して観劇しましたが、
ありきたりの翻訳劇の域を越えていないような感じを受けました。
奇をてらったような舞台設定も観にくかった。
次回作に期待したいです。
満足度★★★★
キャスティングの妙によって、昨年より生々しい。
キャストが違うといろいろ変わった。
父は神経質な感じから
とらえどころのない飄々とした印象に。
姉はタフで生真面目な感じから
さっぱりした(やや軽い)パンピー風に。
この布陣の違いだけでも昨年観たものとは
だいぶムードが違う。
また、セットがあるかないかでも違う。
少女漫画と単館映画ほど違う。
大人の娯楽っつー感じでデート日和でした。
グレイト!
※展開も知っていて台詞もある程度覚えているので
(=再演までのブランクが短いので)
初見の時よりか興奮度は下がった。
そういった意味での☆4つ。
満足度★★★★★
繊細かつ大胆
良いほんに良いキャストでした。
クレアは本当にお姉ちゃんという感じがしたし、ロバートは数学者らしく気難しい感じました。
キャサリンも痛々しいほど繊細な心がよくわかり、思わず感情移入してしまいました。観る事ができてよかったです。
満足度★★★★★
期待以上!
とにかく素晴らしいの一言に尽きる。今年1年の観劇を締めくくるにふさわしい芝居でした。2時間半の時間の長さなんて全く感じさせない,濃厚で緊張感あふれる完璧な舞台でした。観劇できて幸せです。
満足度★★★★★
叙情的な演劇の最高峰!
「proof」という作品は、幸運にも今まで見たことがありませんでした。
そして、今回コロブチカのこの舞台で初めて出会えた事が幸せです。
柿喰う客のコロさん主催で、DULL-COLORED POPの谷さん翻訳、黒沢世莉さん演出とあっては期待も高まるというもの。
アメリカの戯曲らしい雰囲気が良く出ていて、やはり日本の作品とは違うのだと意識させられるけど、それが逆に心地よいというくらいになっているのは、黒沢世莉さんの演出力と、コロさんのアメリカ戯曲でも自然体な演技・セリフによる部分が大きい気がしました。
10分間の休憩を挟んでの、2時間30分。
全く長さを感じさせないとはこの事だ、と言うほど時間を感じませんでした。
満足度★★★
共感。
キャサリン役のコロさんに物凄く感情移入しながら見てしまいました。
歯がゆいし、痛いし、イライラするし、切ないし。
でも前半やや飽きたのが正直なところ。
脚本の好みの問題だと思います。
満足度★★★★
いい話でした
オーソドックスで質の高いストーリー。
オーソドックスとは悪口でなく、古びない王道への賞賛。
「凄い」ではなく、「いい話だった」と素直に思えるようなお芝居。
ストレートにそう思えることは、素晴らしいと気づきました。
こんなホンが書けたとき、脚本家も「最高!」と思ったりするんでしょうか。
才能の証明になるしね。
満足度★★★★
濃密な時間
「休憩です」と言われて驚いた。時計を見ると、芝居が始まってすでに1時間以上経過していたけれど、実感としてはほんの短い時間に感じられたから。
それほど引き込まれてしまったのは、4人の濃密な演技によるものだろう。それぞれの役の細やかな心の動きが、表情からしっかりと伝わってくる。特に、コロさんの演じたキャサリンの繊細さと大胆さには目を奪われた。
観に行ってよかったと心から思える美しい舞台。観た後に、少しだけやさしくなれる気がした。
満足度★★★★
おススメです!
全く初見の俳優さんたちでしたが、素晴らしい舞台でした。ころさんの熱演がステキでした。表情を見事に使い分けて演じきっていました。こいけけいこさん(逆から呼んでも「こいけけいこ」さんだ!)は不思議な存在感のある女優さんだ。普段もあの笑みのままなんだろうか?他の役も観てみたいです。年末にいい舞台に出会いました。王子小劇場も初めてでしたが、いい劇場ですね。ちょくちょくお邪魔することになりそうです。