公演情報
「誰そ彼」の観てきた!クチコミ一覧
満足度★★★★
鑑賞日2019/09/19 (木) 19:30
座席A列11番
価格3,800円
実家の建物を解体し更地にするということで主人公が訪れるとそこには奇妙な占有者がいて……な物語。
従来とはちょっと趣を異にするコミカルなファンタジーかと思いながら観ていると次第にシリアスでビター、ダークな部分があらわれて終盤ではホラー的な薫りも。
そんな中にちゃんと教訓的なものも織り込まれていてまさに現代の寓話。
そういえば大人版「ユタと不思議な仲間たち」の味わいもあったな。
キャラクター造形と配役も人にあらざる者の「それらしさ」、憎まれ役の憎たらしさ、女優陣の美しさ・可愛さなどそれぞれにステキ。
浮世企画「誰そ彼」約2時間弱。妖怪話と社会問題を掛け合わせ今の日本を痛烈に風刺する娯楽作。見たいものしか見ず、見えても否定し、なかったことにする愚かな私たちの話。弟役の造形が素晴らしい。残すは本日18時、明日15時の回のみ。お見逃しなく。下北沢の駅前劇場。
満足度★★★★
「ドリンカー」以来3年振り二度目の浮世企画。前のも同じ駅前劇場(確か)で、両面客席を組み台上を見上げる具合だった。今回は通常の仕様だが室内を斜めに配置して具象を適度に省略しながら動線のバリエーションを可能にしていた。
前回との共通点はこれと言えないが、何処となく「らしさ」を覚える。作演出の今城文恵女史の個性は、和物に馴染みが濃いところ。「和」の心を具現したような存在(人間でない)が今作のヒーローであり「人間」を見定める目の存在だ。
超常現象やファンタジーのネックは「ルール」の設定であるが、(ぼんやりな部分もあるにはあるが)うまくストーリー化できた。多種の「非人間」がにぎにぎしく、いけ好かない人間に一泡吹かせる要素も含みつつ、実家の処分を巡る兄弟の対立図の推移を見つめていく。大詰めで予期せぬ災厄が訪れるがこれを如何に理解すれば良いだろう・・何かを連想させるが言葉に乗せづらい。だがこの展開を書ける所がこの作家の特性であるようにも思う。ゴヤの絵を思い出す。
満足度★★★★★
私の守備範囲では「蓬莱竜太+水木しげる」という感じだろうか。作者の上手さには脱帽だ。こういうものは始めたのは良いけれど終わり方に苦労するように思える。今作では中々の大技で締めくくっている。
役者さんも皆さん達者だ。とくに気弱そうな兄の短時間だけ出てくる高校生(?)時代のチンピラらしい物腰にはなるほどと納得させられた。そして鬼婆の怪しいオーラは男子(とくに私)の周りの時空を歪めていた。
満足度★★★★★
兄弟間の仲の悪さを軸にした人間ドラマとしての面白味と、朽ちていく実家に棲みついたもののけ達の漫画っぽい面白味。
とても巧く両立しているので、最初これは足し算的に面白い!と思って観ていましたが、人間達は観進めていくほどにその人柄の理解度が増していくし、もののけ達は観進めていくほどにそのユーモラスでブラックな存在感が妙に馴染んでくる。
自然と双方が融合していくものだから増々面白くなっていく展開、もう絶妙。
浮世企画さんを観るのは今回が初めてでしたが、まさかこんなに楽しくも哀しく、繊細でパンチの効いた作品に出会える事になるとは思っていませんでした。
非現実が同居することで、より存在の現実味が増していく人の描き方が巧いし、エンターテイメントとしても素晴らしい!
家族間でのわだかまり。笑っていたのに徐々に伝わってくるその辛さ。
甘えもある中、自分だけが都合よく解釈し、なかったも同然にしてきた事。
観終わってジ~ンとした後、何か身に覚えがないか、仲は良いとはいえ思わず我が身を振り返ってしまうほど、生きていくリアルと不思議さを合わせ持った作品でした。
満足度★★★★★
鑑賞日2019/09/19 (木) 19:30
「人は見たいものしか見ない」と言うが「見ようとすれば見える」ということを教えてくれる作品。
ユルいファンタジーかと思いきや、意外にずしんと来るのは
あるある感満載の設定とトコトンリアルな台詞の応酬。
特に兄と弟のそれはハラハラするほど緊迫感がある。
弟がこの先背負っていくものを思うと、その重さに押しつぶされそうになる。
そう思わせるラストを含め、ストーリー展開が秀逸。
キャスティングがうまくハマった役者陣も素晴らしい。