公演情報
「渦が森団地の眠れない子たち」の観てきた!クチコミ一覧
満足度★★★★★
藤原竜也、鈴木亮平の小学生姿に違和感を覚えなくなるほど、主役2人の演技が光っていた。考えてみれば、なんとも意味深なタイトルである。夜もおちおち眠れないほど、子どもの世界は大変なのだ。そして、その子どもたちの世界には、当然ながら大人たちの人間関係、家庭の事情が影を落としている。嫉妬、憧れ、憎しみ、悲しみ、寂しさ‥、さまざまな感情が渦巻く社会で天真爛漫に生きることは、子どもにとっても容易いことではない。藤原竜也演じる鉄志と鈴木亮平演じる圭一郎も、それぞれに複雑な感情を隠し持ちながら生きている。木場勝己の吐く、ごく当たり前のセリフが心にしみる。「子どもはえこひいきしてはいけません」。秋元松代のエッセーでもこんな一文を見つけた。「子供は親の愛情の照り翳りに敏感なものだ」。蓬莱竜太ならではの、いろいろと考えさせられる芝居だった。
満足度★★★★★
親子や夫婦のヒリヒリした感情を描いてピカイチの蓬莱竜太が、今回は団地の餓鬼大将を描いた。これがなかなか良くできていて、「ヒリヒリの子供版」というほど切ない舞台になった。仲間に「キング」とよばせる乱暴者の鉄志(藤原竜也)が、実は家では母に従順で泣いて詫びる。鉄志といとこの圭一郎(鈴木亮平)は、善人に見られようとしているが、実は心に闇を抱えてそれを隠している。その二人を第三者的につねに見ている圭一郎の妹(青山美郷)が明るくおてんばで気持ちいい。
木場勝己は脇役ながら、引っ張りだこで、他に俳優がいないのかというくらい。今回も渋く決めていた。奥貫薫も暗い陰をもった双子の姉妹(圭一郎と鉄志の母)を一人二役で、自然に演じていて舞台を引き締めていた。
開幕後、2場の圭一郎兄妹と鉄志の出会う場面は、笑い転げてしまった。自転車で街に買い物に行く場面は「ビューティフル・ワールド」でも舞台上で自転車をこぐ演出があたが、今回もうまい。鉄志の自転車「いなずまサンダー」号は、彼のええカッコしいの強情っぱりを視覚化していて、ぴったりだった。
ラスト近くの妹のセリフ、そして、最後に鉄志の、ここぞという心の重みがかかったセリフが最高だった。背景に3.11を思わせる地震があって、物語を動かす大きな影を落としているのも、観客を考えさせる。時々余震も起きる。戯曲の本で読みたい作品である。
満足度★★★
団地の子供の主導権争いというストーリーに馴染めないままの75分+15分休憩+65分。何かの寓話でもなさそうだ。鈴木亮平さんの妹役の青山美郷さんが切れの良い演技で私の一押し。