日本のラジオ『カケコミウッタエ』@三鷹市芸術文化センター星のホール5/29マチネ観劇
太宰治の本、昔読んだ記憶があったが、観る前にもう一回読んでおけば良かった。
あと、登場人物に気持ちを置くことが難しい作品は、自分は苦手なんだとわかった。
距離を置いて観るには、自分的に準備が必要だった.
本公演は、初めてで、申し訳ない感じですが、何だろ。今日の私の体調というか、気持ちで観たのが良くなかったかも。俳優陣は、力ある人ばかりだった。舞台の流れを感じようとして自分も掴もうとしてるけど
掴めず、どんどん流れて、濁流になってぷくぷくと溺れた。
名瀬の人間ぽくない浮世感。
粕井の至極常識人の典型のような感じ。最初は。
後半の、崩れていく感じは、ぞくっとした。
嫌いではない。
可動する舞台美術。
動く俳優。
変化する感情。
もっと、私が
感じ取れたらよかったのにと。
最後、あの位置に名瀬が居るのは、張り付けられたからなのか?
何となく、そう見えた気がする
満足度★★★★
日本のラジオ観劇も何気に回を重ねる中、間口の広いステージで観る新鮮さがあった。そして舞台のユニークな使われ方も印象的ではあったが、印象としての最大は屋代氏による翻案、原作『駈込み訴え』との絶妙な距離のとり方だろうか。文句を先に言えば、名瀬役の俳優の台詞が早口と標準語でない抑揚で聞き取れず、指定を誤っている(狭い劇場なら反響なく耳に届くだろう速度だったが)。そのせいばかりでないにせよ度々睡魔に襲われた、その上での以下感想。
原作の一人称の語り手(ユダ)に重なる粕井(フジタタイセイ)と、イエスに重なる名瀬(宝保里実)の構図の捉え方が面白い。特にイエス側からの(時間を超越して未来から語るような)応答が、ユダの屈折した感情が一方的に生れたのでなく関係の相互作用があった、という視点を示すところ(もちろんフィクションではあるが)。
「健康道場」なる宗教チックなサークルのような団体を設定し、そのメンバー数名(ひやかし会員含む)や共通の知人(独特なキャラを持つ兄弟)が交わす会話によって、健康道場やメンバーについての情報、またそれを通して人間の依存性や、宗教的側面や抗えない心情などメインテーマにどこか繋がるような視点を掘り起こす。そしてそこここにキリスト教のモチーフが鏤められている。
ちなみに健康道場は自然(の意思)という意味に近い「おひかりさま」なる存在をキーワードに、メンバーが話をしてそれを皆が聴くという儀式のようなピアカウンセリングのような時間を共有する、言わばサークル(信者を狭い教義に閉じ込めて搾取し団体勢力拡大を目指す新興宗教とは一線を画しあくまで「よい生き方」を目指す単純で純粋な団体という設定になっている)。
イエスに重なる名瀬は団体のリーダーでも多大な支持を集める存在でもないが、ユダである粕井は名瀬の天真爛漫さ、自由さを心中嫉妬を伴う感情で見ている。形象的には名瀬はアスペルガーや精神障害を想像させ、一見突飛だが何処か芯を穿った言動を行なう「天才肌」(見方によれば役立たずと一蹴されかねない)。その名瀬に作者は、健康道場での「話」はそれらしくアレンジした創作で、毎回メンバーを納得させる話を捻り出そうと努力した、との台詞を言わせる。だが頷くメンバーの中で粕井だけは違う反応をするのを「気にしていた」、とも語らせる。さらに名瀬は、自然を志向する健康道場で重んじられ発揮されるメンバーらの素直さを、粕井は「憎んでいるようだった」と言い、ユダなる粕井の人物像を捉えていた事を仄めかす。
終わってみれば、宗教や聖書や運動を揶揄するスパイスを時折まぶしつつ、自由な名瀬と些事に捕われる凡人粕井の構図をあぶり出し、互いに認識しあっていたというドラマ性によって溜飲を下げる中々上出来な作品に思えた。が、記憶は歯抜け状態。買って来た台本を読み直してみる事にする。
満足度★★★★★
太宰が好きなら、三鷹まで足を伸ばして観る価値があると思います。今までにないイメージが広がって、「駆け込み訴え」にはすごく想像の余地があるなあと感じました。
昨日無理して観ておけば、今日は答え合わせをしながら、もう一度観れたのにと少し後悔…
私は行けないけど、気になっている方がいたら、明日6/2(日)14時の千秋楽にすべりこんで下さい!
満足度★★★
105分休憩なし。
直球のストレートプレイと言っていいと思う。役者さんの演技が非常に魅力的で、繊細で、それを味わうという観点では非常に楽しかったのだけれども。
ストーリーの点では、全くしっくりこなかった。
他者に自分の中にないものの存在を見出した時、愛と憎悪は非常に近い感情で、ある愛の中でその憎悪について書いた物語・・・、だとは思うんだけれども。私の中では、そこから展開することなく「ふうん」という感想に落ち着いてしまった。
満足度★★★★
鑑賞日2019/05/29 (水) 14:00
座席I列19番
価格2,500円
原作「駈込み訴え」の一人芝居版を2つ観ていた先入観もあってか印象が「一人芝居っぽい」。……と言うか一人芝居に再現場面を挿入したような?
しかしその一方で主人公以外の登場人物も皆アクが強くキャラが立って存在感を主張しているという二律背反アンビバレント状態なのがフシギ。
また、事前情報で構造を一部知っていた舞台美術も「まさかの使い方(笑)」で、なんと贅沢な。
前回といい今回といい、なんちゅー使い方を……次に使う機会があったらどうするのかという期待も膨らむ。
あと、メインの二人の役名、名瀬と粕井の由来は察したし、後で改めて当日パンフレットを見たらほぼ元ネタまんまなものも2つ。屋代さんによればすべての役名に意味があるとのことだが、それら4つ以外は察することができないのがちょっとクヤしい。(笑)
満足度★★★★★
屋代さんが人間ドラマを書いたなと思った
これはフジタタイセイであるし宝保里実でもある作品で
二人という人間がこの世にいなければ存在しない物語
それぞれがそれぞれであることに苦しくなって居場所を無くすし
二人であるからこそ救われる物語が有った
とにかくみんなに見てもらいたいのが宝保さんその人
中性的な役柄の宝保里実が自分のことを「僕」と言って微笑んだりほくそ笑んだり
奔放だったり純信だったりする姿、みんな想像してみて欲しい
そうそこに舞台にいるのそれが!
誰もが胸を鷲掴まれるようなそれが!
本作には舞台を言葉で埋める美しさがあって
坊園さんや安東さんや辻さんが橋をかけて
横手さんや沈さんや岡野さんが石を投げる
大きく静かな河のような空間に居心地の良さと劣情が同居する
この公演に関するtwitter
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電動夏子安置システム「尾を咥えたり愚者の口」@下北沢駅前劇場 MCR「死んだら流石に愛しく思え」@スズナリ 日本のラジオ「カケコミウッタエ」@三鷹星のホール JACROW「ざくろのような」@座・高円寺1 充実の五月でした。 皆さま… https://t.co/xwtPTcSa6z
5年以上前
カケコミウッタエの手妻先生可愛かったなあとちょくちょく脳裏をよぎってまう 150分の1ぐらいでいいからあの茶目っ気がほしい
5年以上前
この一人称独白体を現代に置き換えて、「富嶽の会」という集団のなかで起きた群像劇にしたのが『カケコミウッタエ』であり、ユダは粕井(フジタタイセイ)、キリストは名瀬(宝保里実)になっている。名瀬は常に笑顔だが、粕井が死んだとき、泣き顔と笑顔が入り混じった表情を見せる。→
5年以上前
先週の土曜は三鷹で、日本のラジオの『カケコミウッタエ』(屋代秀樹作・演出)を見る。〈太宰治作品をモチーフにした演劇公演〉としての上演であり、原作は、ユダがキリストを、銀貨と引き換えに祭司長たちに売り渡したときの気持ちの大きな揺れを、一人称独白体で表現した短篇小説である。→
5年以上前
@green_mor 個人的にはフジタ氏の演技って避けていたのですが、カケコミウッタエを観てすげえんだな、このひと、って再認識しました。 いろいろクセがある方ですが、そんなのよりステージ内外で表現するフジタ氏カッコいいなーと
5年以上前
日本のラジオ「カケコミウッタエ」 。よく実社会でも問題になるような団体のグロテスクさをイメージする人もいるだろうが、屋代さんが見つめているのはその人々の心の純粋であり、またその目は極めてフラットだ。役者は皆ストンと腑に落ち… https://t.co/Ux8GKJRBP2 #拝見
5年以上前
日本のラジオ、「カケコミウッタエ」楽日、観劇。 横断するイエス。ワタシも桃の花が好きだ。
5年以上前
今年初観劇で『わが家の最終的解決』 令和初観劇で『いいヒト』 26歳初観劇で『カケコミウッタエ』 いや、ヤバい。 いい年すぎる 来年死んでるかもな
5年以上前
日本のラジオ「カケコミウッタエ」 思えばこの上なく幸福な時間だったなと、座組の方々には信じられないくらい支えてもらっていて、私は信じられないくらい甘え倒しており、終わってしまったけれどもありがとうと伝えきれてないような気がして https://t.co/9Nmi6Wi2Dp
5年以上前
終演後、朝までQueen歌って昼過ぎに起きてオープンカーを三鷹に飛ばした。屋代さんの頭の中を観るのは気持ち悪くて楽しいから、実物を見かけても会釈に留め、口をきかないでおこうと決めたりした。帰りに宝保さんのダバダバ走りを真似しながら、くら寿司にカケコミウッタエ。 #マクベス
5年以上前
日本のラジオ『カケコミウッタエ』 1時間位経ってから緞帳や舞台の使い方に気付いて驚いた。文学的にはチラシで完結していたような気がする。粕井役の人が立ち上がる時にシャツの裾を直す所が好きだった。名瀬役の堺雅人みたいな人が好きで抱き… https://t.co/TVbAQ5g53U
5年以上前
日本のラジオ「カケコミウッタエ」 これね、ちょっと観たかった。 どうして時間とお金と体って無限にないのかしら。チラシデザインがいい面白いのがとても好き。(観てない者としての感想)
5年以上前
日本のラジオさんのカケコミウッタエは四季JCSと公演日程どんかぶりしていなければなぁ…ぐぅ…観たかったなぁ…ぐぅ…
5年以上前
カケコミウッタエ無事終演いたしました。脚本も演出も過渡期というか、もっと色々勉強したり、やり方考えなきゃなーと思いました。いつもそうなんだけど出演者は最高で「役者が全員良かった」と言われるのが一番嬉しい。
5年以上前
日本のラジオ「カケコミウッタエ」全部終わりました!この公演にお関わりのすべての皆様ありがとうございました!毎日ゲラゲラ笑って、たのしかった〜〜! https://t.co/jj1GmKmbnv
5年以上前
日本のラジオ 「カケコミウッタエ」 @三鷹市芸術文化センター 星のホール 全部終わりました。座組のみんな、観てくれた全ての人、ありがとうございました。観れなかった人の為にほんの少しのざまあみろを込めたダイジェスト画像でお別れです。 https://t.co/Qfj27V9f14
5年以上前
日本のラジオ「カケコミウッタエ」 全日程、終演いたしました ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。 名瀬役でした。イエスであり、太宰であり、性別も年齢も不詳な、人の役でした。 今までで一番好きな役でした。 ありがとう… https://t.co/lqM1kTbrDU
5年以上前
日本のラジオ「カケコミウッタエ」 終わりました。 客席から観たいと心底思っていました。 客席から観たいと心底思っていました。 面白いのだもの。 もちこに任せてたすゞひも千秋楽 QPも千秋楽 吸収して現場に還元。 https://t.co/Nka6SM5z4f
5年以上前
『ショウジョジゴク』『カケコミウッタエ』と常にモヤモヤさせてくれる日本のラジオと前説も後説も常にモゴモゴしている屋代秀樹。次はこれか。『ナイゲン』はタイトルと多バージョンな事しか知らない。最初に観る『ナイゲン』はこれでいいの?モヤ… https://t.co/wb99dtpJsI
5年以上前
あの箱の動かし方が解釈しきれていないのが、無念。ラストの十字架はさすがに分かるけど。茅場も、そう。あれなんでカヤファなんだ?登場人物の中で一人、コミュニケーション外だった。野菜を見つめる茅場は闇を見つめているようにしか見えない。安東信助の醸し出す虚無感がヤバい。 #カケコミウッタエ
5年以上前
沈ゆうこと田中渚の姉妹は名前からして百姓女の姉妹に対応するのだけど、粕井との関係に絞られているのが興味深い。粕井は麻里弥(丸田とでも)結ばれていれば、死ななかった(幸福かどうかは別の話)という暗示。犬と猫。狂気と正気。どちらとは語らず、ただ、そこに置く屋代秀樹。 #カケコミウッタエ
5年以上前
ある意味で常人の粕井が異様な名瀬にハマるのは何故か?そこに『長いお別れ』のマーロウとレノックスの関係が重なる。再会したレノックス(イエスの復活だ)を拒否するマーロウと大量の錠剤を呑んで悶死する粕井。立ち去るレノックスと「彼がいなくては私もいない」と自死する名瀬。 #カケコミウッタエ
5年以上前
フジタのディレイするが豊かな表情と宝保の実はパターンの決まった表情。『駆込み訴え』はユダのイエスへの愛だけ語られるが『カケコミウッタエ』は名瀬の粕井への愛も語られる。二人を繋ぐのは「分かりあえやしないってことだけ分かりあうのさ」(『全ての言葉はさよなら』)。 #カケコミウッタエ
5年以上前
終わったので書く。辻の開演に際してのアナウンスと芝居の第一声のミックスからの気味が悪いくらい笑顔の宝保の動きと気味が悪いくらい放心したフジタの「申し上げます」で勝負は決まった。彼がユダなのだ、と。ラストでイエスなのだと分かる反転の… https://t.co/LYbk4aYLHn
5年以上前
ここで カケコミウッタエのツィートは 終わります。
5年以上前
昨日。日本のラジオ「カケコミウッタエ」を観た。暗闇に消えてゆく人たちの様が美しくておどろおどろしく、生きているのはキリストとユダだけで、死んでいるような人たちの中で寄り添って生きる、二人の孤独のように思えた。でも孤独と孤独は共存出来なくて、やっぱり独りになってしまうだなと。
5年以上前
日本のラジオ『カケコミウッタエ』を見た。演劇をしている方が普段の居方より普通に感じる俳優がいた。演技が自然って意味ではなく。後人を引きずる音が風に感じた時があった。演劇とは嘘を信じるところから始まってる。
5年以上前
三鷹市芸術文化センター星のホールにて 日本のラジオ『カケコミウッタエ』鑑賞。名瀬、完全に宝保さん(@houbo_)のための役だったな。消えちゃいそうで、でもたしかにそこに在った。性別とかどうでもよかった。伸ばした手の先に猫が見えた… https://t.co/MmWDF4bZhg
5年以上前
日本のラジオ「カケコミウッタエ」打ち上げを中抜けして帰路。初めての2週間小屋入り。座組みの人達、みんな良い人で楽しく過ごせました!
5年以上前
日本のラジオ「カケコミウッタエ」三鷹市芸術文化センター星のホールにて観劇。観終わった後、舞台セットは花に見えた。人間はどこか欠けているから美しいんだろうか。
5年以上前
くちさけもカケコミウッタエも見れずじまいで悔しい
5年以上前
カケコミウッタエに駆け込めないそんな人生だった…… スケジューリングもうすこしがんばろうよわたし……
5年以上前
もうネタバレ恐れなくていいから言うけど、カケコミウッタエの最後フジタさんが毒飲むところ、ディカプリオ版ロミジュリのロミオが死ぬとこみたいだと思ったんすよ。ジュリエット(宝保さん)が起き上がるようにも見えて。
5年以上前
日本ラジオ『カケコミウッタエ』千秋楽観劇しました。 どうしようもない"執着"というか"固執"を見て、「恋しなくちゃって思いました。」って安東さんに伝えたら、「それでいいんだよ😌」って言われました。かなさんと岡野さんの兄妹見れたの嬉しい。
5年以上前
カケコミウッタエも駆け込み訴えもフジタさんの役どころは(イスカリオテのユダ)激しく美しくて透明でこちらを悶えさすんですけどあの最期本当に最高でした 私はフジタさんマジでありがとうございますマジで(あの役をあのようなやべぇ色気をもってやっていただきまして...)と思ってます
5年以上前
日本のラジオさん『カケコミウッタエ』めちゃくちゃ良かったです。新約の追体験、鍋の晩餐シーンが良過ぎて、久方振りに大泣きした。出てる方々や空間や奥行きや何もかもが最高でした。ああいう積み重ねの先にあんなユダをされたらもう。本当に素晴… https://t.co/SnS7ijwZsV
5年以上前
日本のラジオ『カケコミウッタエ』、へへへって笑いながら観ていたのに、終盤気づくとぽろぽろと泣いていました。そして素敵な人しか出てこなくて驚きました。 明日からやみ・あがりシアター『こっちみてるの、しょうこ』の集中稽古が始まるので、わたしも頑張ろうとつよく思いました。
5年以上前
終わってしまった日本のラジオ「カケコミウッタエ」原作と照らし合わせて改めて「ブーフーウー」という感じなのですが、あらためてメインとなったほうぼさん&フジタさんの演技が凄かったなって...
5年以上前
カケコミウッタエ、二度目。 一度目に見れなかった細かいところまで見れて、やはり行ってよかった。 そして今日の芝居は非常に威勢がよかった、明るかった いいなぁ、あの感じ
5年以上前
日本のラジオ「カケコミウッタエ」@三鷹市芸術文化センター星のホール もう今日が楽日でしたが…面白かったです…。演出がとても好きでした。くっきりパキパキしてるの好きなんだなぁ。バランス良かったなぁ。
5年以上前