公演情報
「狂人と尼僧」の観てきた!クチコミ一覧
満足度★★★★
サイマル演劇団二度目、赤井氏演出は三本目だったか。予想したテイストではあったが、今回は戯曲(作者)に興味がありそしてその期待には応える内容であった。
客演陣にヒロインを演じた元唐組女優・赤松由美、同男優・気田睦と奇しくも共演となり、両者とも存在感あり。昨年横浜で「発見」した演劇集団・荒馬の旅の田村義明氏、怪優と呼ぶに相応しい葉月結子(恐らくサイマル関係)等役者ぶりを味わう快楽は保証付きという所であった。
作品については、時代性を表わす幾つかの特徴と、戯曲に流れる「気分」を堪能したが、筋は部分的に見落とし、本来目指された戯曲の方向も掴みそこねた。それでもドラマの骨格から言葉から迫力は滲み、劇的瞬間がある。狂気がスタンダードである空気が好みであった。
満足度★★★★
鑑賞日2019/08/23 (金) 14:30
100年前の演劇というとかなり古い感じがするのだけれど、この舞台に見られるフロイト批判の側面からすれば、確かに現代思想批判をなしているわけで、私たちの足元を強く意識させる。
舞台上の虚構と、舞台裏の現実。舞台では死は死ではなく、舞台の裏に一歩引き下がれば死者は生者になり、いつでもまた舞台に登場できるのだということを即物的に見せてくれる。虚構を常に現実が凌駕してしまう、演劇の可変性・脆弱性を突き付けてくるヴィトカッツィの攻撃的な姿勢は、誰が狂人なのか、聖域とは何なのかといった物語性を大いにぐらつかせ、私たち観客を混沌の奈落に落とし込む。物知り顔の観客は、解釈という行為自体も許されない。
よいものを見せていただいた。