春がハーモニカを吹く理由

東京カンカンブラザーズ（東京都）

公演に携わっているメンバー：8人

団体紹介

三年前、川口清人を中心に旗揚げ。
現在、劇団員は畠山U輔、石塚あつこ、内藤千紗を含めた四名。

脚本・演出の川口は、日常に転がっているドラマを描くことを得意としており、毎公演終了後、お客様の意見を参考にしながら時にはコメディ、時にはシリアスと幅広いジャンルをこなす。

演出に関しては、舞台監督さん、舞台美術さんとの打ち合わせで小劇場の可能性を追求し、あまり観られないような、お客様を驚かせる仕掛けを組み込む。

公演ごとに、その台本に照らし合わせながら役者とディスカッションをし、人物を掘り下げてキャラクターを作っていく。

色んなジャンルを上演しているにも関わらず、「泣けて笑えて心温まる」という劇団色が崩れないのはチームワークの成せる業ではないかと自負しております。

何より意識していることは、お客様を第一に考えるということ。
自分たちよがりになることは避け、観て下さったお客様に笑ってもらえるか、感動してもらえるか、最後まで飽きずに観てもらえるかという部分を真剣に考えながら作品を作っている団体です。

応募公演への意気込み

この作品は、脚本の川口がテレビで観たあるカップルがモチーフになっています。

それは去年のクリスマス、とある遊園地の電光掲示板に、次々と誰かが誰かに宛てたメッセージが映し出されました。

親子、恋人、友達、兄弟、姉妹……

テレビカメラが捉えたのは、一組のカップル。

掲示板に、

「〇〇君へ
去年も一緒にここに来たね、
今年も一緒に来れたね、
来年も一緒に来ようね
〇〇より」

と映し出されました。

彼女が彼に送ったメッセージです。

それを見た時に、すごく温かい気持ちになり、同時に彼らのことをもっと知りたくなったのです。

そこで、勝手に彼らのことを想像しながら人物を造形し、ドラマを考えました。
この二人がどうなれば、お客様は感情移入してくれるのか？

そして、殺人事件の冤罪に巻き込まれてしまうという設定が決まりました。
彼が殺人事件の容疑者として逮捕されてしまったらどうなってしまうのだろう、と。

理不尽な運命に翻弄されるこのカップルを中心に、家族や友人、彼らを取り巻く人々が織りなすヒューマンラブストーリー。

「愛」、「友情」、「悪意」が入り乱れ、お客さんの感情を揺さぶる渾身作です！！

将来のビジョン

劇団を始めた頃は、とにかく早く大きな劇場で公演を打ちたい、早くバイトを辞めてお芝居だけで食えるようになりたい、などと考えていましたが、それは後からついてくるものなのかなと考えるようになりました。

とにかく今は、劇場に観に来てくださるお客様のために全力を尽くすということを第一に考えています。

そして、お芝居が終わった瞬間、お客様に「来てよかった」と思っていただき、役者が居酒屋に行った時、近くの席から、「今日のカンカンのお芝居面白かったね」、「また次も観たいね」なんていう声が聞こえてくるような、そんな劇団になれればいいなと思っています。

その結果、動員が伸びて、いつか大きな劇場でできればと……
そうなったとしたら、ロングラン公演や全国ツアーなどもやりたくなるのかも知れません。

ただ、もしそうなったとしても、お客様のおかげで公演が打てるという感謝の気持ち、お客様のためにお芝居をするという熱い思いは持ち続けていきたいと思っております。