歴史の天使と住宅事情

歴史の天使と住宅事情

アシメとロージー(東京都)

公演に携わっているメンバー:7人

団体紹介
アシメとロージーは、2010年に和泉伸吾と相羽崇史が設立した演劇ユニットです。アシンメトリー(不均衡)な演出と、ナラトロジー(物語構造)な脚本にこだわりたいという、2人の思いで命名しました。ハイセンスな笑いと緻密な歴史的叙述のある作風にご好評いただいており、お客様と出演者が一体となって物語を「まなざす」姿勢も支持されています。

私たちの作劇法は、いくつかの点できわめてユニークです。アシロジでは、出演者のライフヒストリーを詳しく取材し、各々がもっともくつろいだ状態で演技にのぞめる役作りをおこなっています。出演者はかざらない普段使いのしゃべり方、動作を実践することで、各々の人生における最高のパフォーマンスが引き出され、作品が提示する諸問題を「自分たちごと」することができるとともに、お客様との心理的垣根を取り払い、劇場全体での一体感を醸造します。
アシロジが提示する諸問題とは、日常におけるとてもささやかな「気づき」に端を発しますが、それは存外、私たちにとってきわめて深刻な問題であったりします。また、このような問題を語る際、私たちはひたすらギャグを繰り返します。アシロジにおけるギャグとは、ただ笑いを誘うだけの機能にとどまらず、私たちの日常における深刻な問題に「気づく」ための装置なのです。

アシロジは、私たちの生きる社会、そしてそこに根づく記憶や歴史について、真摯に考えながらも、なによりお客様へのホスピタリティを第一に考えます。私たちは、笑いあり涙あり、小劇場演劇ファンの方からふだん演劇を見慣れない方まで、どなたにも楽しんでいただける作品づくりをつねに目指しています。
ぜひ一度、アシロジをご賞味ください!
応募公演への意気込み
会社を定年退職し、妻の13回忌を済ませ、マイホームのローンを払い終えた男が、 3月のよく晴れた日、「歴史の天使」をめぐる小さな旅に出ます。「歴史の天使」とは、ヴァルター・ベンヤミン「歴史哲学テーゼ」に記述のある、歴史を正面から見つめ、人々のカタストローフを見守る形而上的存在。本作では、男のささやかな旅をロードムービー的に物語りながら、昨今の住宅事情、および「土地と歴史」にまつわる人々の営みに対して、切実な問題提起をおこないます。

一方で、本作では全編において異化効果的ギャグを満載しています。「気づき」を誘発させる装置としての構造化された「笑い」は、今回も無数に用意いたしました。

また、前々作よりアシロジ独特の手法として採用していますが、「出演者全員がお客様の最前列に座り、物語を眺めている」という演出手法を、このたびも取り入れています。私たちの生活は、つねに誰かの、あるいは「歴史の天使」の目によってまなざされています。出演者、お客様ともども上演中の作品をまなざすことにより、私たちの問題を、より「私たちごと」にできるという仕掛けになっています。劇場全体での一体感も増し、とてもあたたかい空間が形成されている、とご来場いただいたお客様からもご好評をいただいています。

現在、本番に向けて鋭意、稽古中ですが、笑いと感動、リアリズムと現代口語体が不思議な同居をして、たいへん楽しい作品にしあがりそうです。また、個性ある魅力的な出演者たちにも、ぜひご期待ください。
将来のビジョン
アシメとロージーでは、昨年から「持続可能アート」という言葉を使い、今までにないやり方で劇団運営に取り組んでいます。
主宰の和泉と相羽は、本業はクリエーターです。出演者・スタッフの多くも専門性の高い仕事を持つ自立した社会人です。日々、社会において高いクリエイティビティを用いて働く私たちは、アシロジを「クリエイティブの調整弁」として見なし、日々の暮らしにある「気づき」を私たちごととして共有しながら、高いクオリティでこれを表現していきます。また、たいへんありがたいことに、ご贔屓いただいているお客様の多くもアシロジをそのようにご活用いただいています。アシロジは、メンバー、お客様双方にとってオルタナティブな劇団として、皆様とともに持続的に成長していきます。

具体的には、アシロジでは年2回の定期公演が軌道に乗っているため、これを精力的に続けていきます。毎公演ごとにお客様の反響が大きくなり、公演規模もそれにともなって大きくなりがちですが、今後は私たちの表現に適切なサイズを模索していく予定です。
また、アシロジではこれまで、過去公演の再演をおこなったことはありませんが、アシロジらしい再演の方法を検討し、将来につながる作品を上演することは、必ずお約束いたします。

私たちは、まだまだやりたいこと、試したいこと、お伝えしたいこと、共感したいことが、たくさんあります。今後とも、末長いご愛顧を賜ればと思っております。
とかく一生懸命がんばりすぎて自滅しがちな小劇場演劇界に、新しい演劇のあり方を、アシメとロージーからご提案していきます。

公演に携わっているメンバー(7)

黒茄子

当日運営です。
たなかありす

ちょびっとだけ関わります。 よろしくお願いします!
のまち

役者をやらせていただきます。 わくわくどきどき
カルネ

チラシで帽子をかぶっている人が私です。前の人に被ってて見えないのも私です。
かとう

土日に稽古!
いしかわ
美術 制作 宣伝美術

土日で宣伝美術!
いずみ
脚本 演出

このページのQRコードです。

拡大