変身

サンピリ（福岡県）

公演に携わっているメンバー：9人

団体紹介

サンピリは2006年に福岡で発足した、演出家・竹内元一と俳優・松田裕太郎による劇団プロデュースユニットです。「死ぬまでに傑作を残せるか」をミッションに活動しています。

作風は、「生活に蹴躓いて骨折しちゃうような不細工な人間達の“とんでもなく不器用なヤリ場のない愛”を日常の空気感と身体による誇張表現の両端から昇華させた身体会話劇」を得意としています。現在は役者が役者から離れ素の身体に切り替わる『ブレる体』に着目し、“ブレる体が創り出す演劇的世界観”を演出の核に据えて作品創作に取り組んでいます。

2011年より活動を再開したサンピリは「福岡市立青年センター くうきプロジェクトワンコイン実験シアター」の下、経験や能力、健康不健康を問わずメンバーを集める「NO AUDITION」や本番直前の演出事故「グリーンカード」などの実験公演を行い、現在の作品理念や演出手法に辿り着きました。

応募公演への意気込み

「変身」は兄妹のものがたりです。
過ぎていく日々に焦りを感じ変わりたいと願う絵描きの兄と、兄の為に変わっていく妹の兄弟愛を中心に、変わること、変わらないことについて描きます。

今回の出演者は新人演劇人をメインに、福岡で活躍するコンテンポラリーダンサーと舞台経験の少ない役者、実力派俳優というメンバー構成です。デタラメなパフォーマンスのパワーバランスと爆発力に懸けたキャスティングがどう転ぶか、必見です。

また、サンピリは今作「変身」で実験的な公演から評価される公演へとステップアップします。
それは実験公演を通して、演劇はいかなるときでも実験的であるべきであるという至極当たり前のことを演出家がようやく理解して踏み出す一歩です。
この作品で福岡演劇界に新しい演出家が現れたことを知らしめるような、情熱的な表現を込められたらなと考えています。

将来のビジョン

もっと演出や企画力を磨いて、社会を演劇で豊かにしたいです。

サンピリで会得した「NO AUDITION」というスタイルでのプロデュース公演の質を高めて、演劇未経験者だけでなくお年寄りや病気を持っている人、社会的弱者問わず全ての人へ舞台に立つ機会を与えられる団体になります。

発足当時のサンピリは「演劇部や劇団に所属しつつも役者をやれず、スタッフがメインの活動となっているメンバーに日の目を当てよう」と、代表・竹内元一が企画しました。

理念は今も変わっておりません。「演劇は観るものではなく、やるもの」だという強い確信があります。
時代も市民参加のコミュニティダンスやクリエイションWSが増え、演劇と社会との結びつきをより深める「やる演劇」に対して関心が高まっているように思えます。

そして「心身ともに健康な男女」とオーディション条件に堂々と記載する全演劇人に一泡吹かせてやれるような、強度のある傑作を素人のみで残し続けられるような作品を産んでいきたいです。