犬殺しターくんと非実在チーちゃん

オレンヂスタ（愛知県）

公演に携わっているメンバー：9人

団体紹介

2009年8月、名古屋大学劇団新生出身の、作・演出ニノキノコスターと、主宰・プロデューサー佐和ぐりこにより設立。名古屋を拠点に活動し、現在13名が所属。殺人事件・格差・人間関係の希薄化などマクロな社会問題を題材に、恋愛・家族など個人のミクロな視点から描き出し、歌・ダンス・笑いなどのサブカルチャー要素を交えてエンターテインメントに仕上げる作風。30人超の日替わりゲストが出演するアフターイベント、本編を「ニコニコ生放送」で生配信など一風変わった企画に取り組む。これまで４回の本公演の他、刈馬カオス氏の戯曲『恋愛耐湿』を刈馬氏演出とニノキノコスター演出で同時期に上演するコラボ企画や、劇団「チェルシイとバニーガール」と、共通のテーマでそれぞれ前・後編１時間ずつ計２時間の作品を上演する『ニコイチ』など、他団体とのコラボ企画も積極的に行う。2012年4月より、毎月30分程度の短編をインターネット動画配信サイトUstreamにて生配信する『12ヶ月連続Ustream公演』に取り組み、現在も実施中。

応募公演への意気込み

本公演は、座付き作演出家ニノキノコスターによる、2010年10月の第参戒公演以来、2年半ぶりの新作長編の発表となります。物語の主人公は、犬や樹や車などあらゆるものが人間に見える青年「ターくん」と、社会的支配者と戦う為、弱者を殺して男の娘「虐殺乙男チクロちゃん」に変身する少年「チーちゃん」の２人。「埼玉愛犬家殺人事件」、「北九州監禁殺人事件」、「尼崎事件」といった実在する事件をモチーフに現代における社会的病理を描き出し、歌、ダンス、アクション、映像などを用いてエンターテインメント性高く仕上げます。アニメ、マンガ、特撮、ライトノベルなどのサブカルチャー的要素の高い作品のため、普段演劇を見慣れていないがそれらのジャンルと親和性の高い方にも気軽に足を運んで頂けるよう、主人公２人のイラストをweb上にアップすると無料で観劇いただける企画も実施。また、現在実施中の「12ヶ月連続Ustream公演」内のにて、vol.9〜12の全４回を本公演関連企画とし、本公演の脚本の一部をプレ・リーディング、本番直前の稽古場レポート、番外短編をそれぞれ配信致します。劇場に足を運んで頂く前に、無料でインターネット上にて作品に触れる機会を設けることで、本公演の観劇への興味喚起を狙います。
これらの要素から、当団体において本公演はこれまでの活動の集大成と言える作品であり、当団体の代表作と位置づけられる公演となると考えています。

将来のビジョン

当団体の来年度の活動として、2013年10月に、名古屋を拠点に活動するコンテンポラリーダンスカンパニー「afterimage」との合同企画「SOM企画」として、国際芸術祭あいちトリエンナーレ祝祭ウィーク企画に出品予定、脚本をニノキノコスターが担当します。その他、ニノキノコスターによる外部での作・演出の活動の幅も広げる予定です。
これまで名古屋のみで公演を行ってきましたが、2014年以降に単独公演での大阪、東京、名古屋三都市公演を目標に掲げております。それを見据えた上で、現在実施のUstream公演などネット戦略を中心に、全国への知名度アップを図っています。
拠点としては今後も名古屋拠点にこだわり、アートでも大衆演劇でもない、名古屋発の全国区で通用する、サブカルチャーとしての演劇を発信する団体としての存在を確立する事を目標としております