■ワーク・イン・プログレスの趣旨
このたび私たちは、Radioheadのアルバム『KID A』の創作手法を演劇に転用し、作品化するプロジェクトを始動します。
本公演はその創作過程を“途中経過”として提示するワーク・イン・プログレス公演です。
『KID A』は、従来の形式や期待値を意図的に裏切りながら、サウンドの分解・再構築によって、まったく新しい音楽体験を創出した作品です。
私たちはその試みを手がかりに、「完成された物語」や「意味の明快さ」から一歩距離を置き、行為遂行的(performative)な演劇のあり方を探ります。
本プロジェクトでは、演出プランや台詞、動きの全てが“決定されたもの”ではなく、ワークショップの対話と実験から導かれる“変化の途中”として形づくられていきます。
上演される内容もまた、あくまで過程の一部であり、未完成であること自体を肯定する試みです。
参加者の皆さんには、俳優としてだけでなく共同創作の担い手として関わっていただきます。
あなた自身の身体感覚や、そこから立ち上がる即興的な気づきが、このプロジェクトの核を成します。
客席からこの過程を目撃するみなさんにとっても、単なる観劇とは異なる体験になるのではないでしょうか。
完成ではなく、更新。
表現ではなく、変化。
逸脱と余白こそが、今この瞬間の創造を可能にします。
不確かさを楽しみ、共に進んでくださる皆さんを歓迎します。
■ワークショップ内容
「このAI時代だからこそできる“KID A”的創作論」
初回から数回にわたり、SAI独自のワークを実施します。
本作の創作に向けて、以下の3つの軸を中心に展開します。
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①「過剰と抽象」——演出基盤の共有
SAIの演劇理念である「過剰」と「抽象」を身体で理解し、表現の土台を作ります。
ここで共有されるのは“演劇的な文法”ではなく、“演劇をどう捉えるか”という感覚そのものです。
この基盤の上に、「肯定」「反発」「逆説」「同調」など、多様な姿勢を通じて作品を構築していきます。
身体と言語を両軸とした創作がここから始まります。
②「意図と偶然のあいだ」——AIとカットアップの再解釈
トム・ヨークは『KID A』の歌詞を、自らのノートをランダムに切り刻み再構成することで生み出しました。
それはある種の「人間によるアナログ生成AI」的手法とも言えます。
現代のAIは、KID A的な手法を一瞬で模倣できます。
しかし、「その行為に意味を持たせる」ことは、人間にしかできません。
このワークでは、AIやカットアップの手法を人為的に用いながら、
意図と偶然の交差点に意味を見出し、そこから表現を生み出すプロセスに取り組みます。
③「トランスと非トランス」——越境と理論の天秤
演劇の原初的な衝動を探るため、トランス状態の再現と、再現不可能なトランスの誘発を行います。
これは、予定調和でも単なる即興でもなく、
理論と身体のあいだを揺れ動く、“越境する創作”の試みです。
言語を超える瞬間と、理性を超える力の均衡をどう扱うか。
そこに、AI時代における「人間の表現性」が立ち現れると考えています。
■参加・出演に関するご案内
本プロジェクトでは、創作ワークショップおよびワーク・イン・プログレス公演にご参加いただける方を募集します。
ワークショップのみの参加/出演を前提とした参加、どちらも可能です。
下記の条件・参加費についてご確認ください。
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■ 応募条件
以下のすべてを満たす方を対象といたします。
・16歳以上の心身ともに健康な方
・舞台演劇に関わっている方
または、音楽・ダンス・朗読など、人前でのパフォーマンスに携わっている方
・本プロジェクトのワークショップに3回以上参加可能な方
・8月4日(日)・5日(月)の両日とも終日スケジュールを確保できる方
・所属団体・事務所がある方は、所属先の許可を得てご参加ください
・未成年の方は、保護者の同意を得てご参加ください
※ワークショップのみ参加の方には、上記条件は該当しません。
■ 参加費について
一律 3,000円 ※参加回数に関わらず定額となります。
【備考】
・出演希望でご参加いただいた場合でも、出演をお断りする場合もございます。色んな方と出会い共同創作したいと考えていますが、予めご了承ください。
・出演希望者には、チケット販売枚数に応じたチケットバック有。
・稽古/本番参加時の交通費は各自ご負担となります。
出演希望をされた方については、最終的な出演者を【7月15日(火)】に決定いたします。
ワークショップを通してマッチングしないと判断された場合、あるいは応募条件に適さないと判断した場合には、それまでの間に主催者よりご連絡させていただくことがあります。あらかじめご了承ください。
何かご不明な点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
ご参加を心よりお待ちしております。
■ ワークショップ日程と会場について
・ワークショップスケジュール
1. 7/5㈯ 18:00-21:00
2. 7/6㈰ 18:00-21:00
3. 7/12㈯ 18:00-21:00
4. 7/13㈰ 18:00-21:00
5.7/19㈯ 13:00-17:00 / 6. 18:00-22:00
7.7/23㈬ 18:00-21:00
8. 7/26㈯ 13:00-17:00 / 9.18:00-22:00
10. 7/30㈬ 19:00-22:00
11. 8/1㈮ 19:00-22:00
12. 8/2㈯ 13:00-21:30
13. 8/3㈰ 11:00-16:00
14.8/4(月)10:00-21:00 劇場リハーサル
15.8/5(火)10:00-21:00 劇場本番
・ワークショップ会場
豊島区、練馬区、中野区の都内施設
■上演会場
【上演】中野スタジオあくとれ
〒164-0001 東京都中野区中野2丁目11−2
サン中野マンションB1
https://nakano-actre.jp/
【観劇】
劇場観劇:2,500円
配信観劇:2,000円
※チケットは、7月1日(土)22時より受付開始。
■応募方法/期間
受付開始2025年6/24(火)19:00
受付終了7/14(月)20:00まで
ページ下記にあります応募フォーム、またはメールよりご応募ください。
メール ⇒ sai.theatrical@gmail.com
メールの方は下記内容を記載してください。
応募にあたっての質問事項(事前準備ガイド)
件名:『UnStageable』WIP参加希望 または ワークショップのみ希望
お名前(ふりがな)
生年月日・年齢
ご連絡先(電話番号)
メールアドレス(PCメール推奨)
参加希望内容(該当するものを選択)
・ワークショップのみ参加
・出演希望で参加(公演出演を前提に参加)
・興味あり(見学、一部参加希望)
パフォーマンス・創作経験(ある方のみ)
舞台・音楽・ダンス・朗読などの経験があれば、ジャンル/活動内容/出演歴などをご記入ください。
ワークショップ参加の志望動機
(例:KID Aに共鳴した/身体表現に興味がある/SAI作品が好き など)
顔がわかる写真の添付
※バストアップ程度、スナップ写真でも構いません。
不明点があれば、フォーム上またはメールにてお気軽にご質問ください。
応募フォームはこちら
https://forms.gle/dg2UcPDkmL2QZ1Hx8
【ハラスメント防止のための取り組み】
【SAIのハラスメント対策】
2023年の公演より、劇団独自でハラスメントガイドを作成し、稽古・ワークショップ参加前にガイドラインを踏まえて説明をさせていただいております。
暴言・恫喝・威圧的な態度・感情由来のマウンティングが発生しないように現場進行を行います。
演技指導上、身体接触が必要な場合は、本人に説明の上、納得して頂いた上で指導させて頂きます。