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カテゴリ:ワークショップ告知 返信(121) 閲覧(7079) 2014/04/01 15:06
ヴォイス&アクターズ道場HPからレッスン生の日記をご紹介します。
演技レッスン講師をしていて強く幸福を感じた時間でした。
全くの未経験からデビュー出来たのは本人の努力に他なりませんが、その為に
技術面とメンタル面両方で、今の自分に伝えられるものに食いつき吸収してくれた手応えの喜びです。
「初舞台」(高橋岳則)
こんなに緊張と集中を継続するのは、いつぶりだろうか?
おそらく部活動以来の感覚だろう。
こういう一生懸命生きてる感覚が味わいたくて上京を決めたんだ。
と納得してしまった稽古の日々。
そして、そこはまさに演技を学ぶ者にとって経験と知識の塊でした。
もちろん沢山のダメ出しも頂きました。
それら全てを含め僕にとって初舞台は「夢の国」でした。
しかし、歩み始めたに過ぎない演者の道。
再び共演する時には「いい演技をするようになった。」と
言って頂けるように今回の経験を活かして日々励んで行きたいと思います。
【講師からひとこと】
初舞台おめでとう!おつかれさまでした。
何も経験がない状態でレッスンを開始して、みるみる変化を感じさせてくれて
これなら大丈夫と思ったとおり、実際のレッスンでの演技をスタッフに見てもらって
ぜひ出演をと話しが決まり嬉しかったです。
アドバイスはしましたが、プロの現場、創作過程に丸ごと飛び込んでもらいたかったので
おせっかいは避けて、顔合わせからリハーサルが始まってからはあえて遠巻きに見ていました。
共演者やスタッフから、ひたむきに取り組んでいる様子を聞く度嬉しく感じていました。
初日、堂々と演技して見える姿に、一年前の初レッスンで初演技に目を白黒させていた様子を思い出し感慨無量でした。
僕自身、こういう感覚が味わいたくて演技レッスンをしているのだと感じる時間でした。
出演中に次回作も決まり、新たな課題と遣り甲斐を見つけて前進してほしいと思っています。
ヴォイス&アクターズ道場
http://yuichisato.com/
「口を大きく開けることと口を大きく使うことの違い」
全くの初心者にも既にプロダクションや劇団に所属してプロとして活動している方にも
毎週レッスンしていて感じるのは、刷り込みの怖さです。
以前のレッスンで云われた抽象的なダメ出し(←この言葉自体僕は嫌いです。
外国の演出家の現場のように「アドバイス」や「お願い」の方がずっと好影響が出やすい)や
テクニックの差異を具体的に指摘出来ない担当者の、精神論のせいにする押し付けを
「自分が駄目なせい」の理由に真摯に受け止め過ぎてしまって、
出口のない袋小路に自分で自分を追い詰めてしまう・・・
演技中思うように表現出来ないと「ごめんなさい。」を連発してしまう・・・
僕の稽古場では演技が上手くいかなくても「ごめんなさい。」は言わないでほしいと伝えています。
誰に頼まれたわけでもない、演技表現の上達の為に
一生懸命やっているのは確かなことなのですから、
貴方は謝らなければならないようなことは何もやっていない。
レッスン中の「ごめんなさい」癖は付けないでほしいと思っています。
例外はもちろんありますが(笑)、演技者を志す人は基本的に真面目な人が多いと感じています。
真面目な人ほど、刷り込みをいつの間にかトラウマ化にしてしまい、
演技が思うようにいかない悪循環を生み出しがちです。
それを避けたくて、レッスンでは精神論よりも具体的なテクニックを優先して伝えるようにしています。
メンタルも大事。でも気持ちだけあってもプラス技術も伴う表現者には敵うわけがないと思います。
台詞回しのウイークポイント改善の為に、
「口を大きく開けて台詞を言うこと。」を刷り込まれている人の多さには驚きます。
短時間で大勢の受講者をベルトコンベアー式に扱う演技レッスンでは
一人ひとりの癖や傾向に寄り添うことが出来ず、こうしたザックリした指導になりがちです。
顔面体操のようにとにかく口を大きく動かすことをきっかけに、いつしか自分に合った
滑舌克服法を見つけられる人もいますが、口を大きく開け続ける非日常的行為は
演技的にはマイナスに働くことの方が多いです。不自然だからです。
口を大きく開けることと、口を大きく使うことは違います。
発声、滑舌が良く、声に感情が乗りやすくなることを目指しているのに
日常的な表情、リアルな感情の表出から遠ざかってしまうのは遠回りだし、勿体無いです。
以前他所で演技レッスンを受けた経験者の方が、
口を大きく使う簡単な練習法を、実際にやってみせると驚く人が多いことに驚かされます。
口を大きく使うことが滑舌を良くする基礎。
それさえも伝えてない演技講師が多いのは罪作りです。
ヴォイス&アクターズ道場
http://yuichisato.com/
アフレコは尺が決まっている分使える演技の引き出しが限られてきます。
得意でない引き出しの中身・演技テクニックが充実してきたことが、
同じ世界観の作品に再挑戦することで見えて来て成長が嬉しかったです。
レッスン生日記「同じような題材に再び挑む」(玉腰裕紀)
玉腰 裕紀です。
偶然なんですが、前にやった事がある同じような題材に再び挑む、と言う機会があったりします。
今回は声の稽古で、話数こそ違いますが同じタイトルのドラマをやってます。
なんだかこう言う時というのは自分と戦わされてる気がして…非常に気持ち悪い!
あの時よりマシなのか、どうなんだ⁉とドギマギする反面、今回はコレ試してみる?コレって前回出来たっけ?みたいなワクワクもちょっとあったり…。
良い機会ではあるので、試せる事は試してみようかと。終わった頃には前よりもっと明確に掴めるモノがある事を目指して。
以上、ありがとうございました。
【主宰からひとこと】
レッスンでは様々な作家のいろいろな作品を経験してほしくて
違う感触の役や物語を選ぶようにしていますが、
国が違ったり全く違う作者でも、例えば振られる彼氏、とか
友人との大喧嘩、など設定が被る場合があります。
アフレコ実習も様々なタイプの作品選びを心がけていますが、
今回、土曜のクラスで裕紀くんがやったことのあるドラマの別エピソードを
日曜のクラスでやってもらって、僕自身こういうレッスン展開は
初めてだったので発見が多くありました。
作品のタッチ、世界観が同じだからこそ、演じるメンバーの
成長ぶりがつぶさに分かるメリットです。
アフレコは尺が決まっているマイク・ワークなので
話し方の緩急や大小の要素より高低で演じることが多くなります。
その高低の匙加減が気持ちがノリにくいテイクでも
過剰になることがなく、高低を利用はしても頼りきってはいない
演技がテイクごとに安定している点に成長を感じています。
同じ世界観の作品を久しぶりにやるからこその変化の聞こえやすさです。
「感想レッスンの百害」
ヴォイス&アクターズ道場では、既にプロダクションや劇団に所属して、
この作品のこの役をゲットしたい、という目標が限定している方のレッスンや、
このプロダクションに入るには付属養成所に入るしかないから通っているが、
そこのレッスン内容の質と量に疑問を感じるので実質的な演技磨きは道場でやりたいという方のレッスンなど
各人の目的に合わせたレッスンも請け負っています。
志望校合格や希望するプロダクション所属の夢を叶えた報告を聞くのはレッスンを担当している人間として大きな大きな喜びです。
レッスンの質や量というのは比較対象がないと人は判断しづらいもので、
世の中には見学不可の演技レッスンも多く、飛び込まなければ分からないことが多いです。
道場のレッスンは「相手役のいる個人指導」、具体的に演技の改善点を提示していくというのがどんなレッスンなのか
それこそ具体的に見学してもらわなければ分からないので始める前に無料体験をお願いしています。
演技レッスンをビジネスと割り切って、その為には大人数少時間でベルトコンベアー式に次から次へと
一人ひとりにはほんの少ししか演技させず、アドバイスも最低限にするのが一番儲かる商法なのは想像出来ます。
それにしてもこれはないんじゃないかなと思う話しを大手養成所のレッスンでよく聞きます。
「やる気なさそう。つまらなそう。」
ある養成所で3ヶ月間ひとつの課題に取り組んだ声優志望者に3か月分のアドバイスとして講師から渡された言葉がたったこれだけだったそうです。彼女の同期生から聞きました。
これのみ。これが全文。成績表として渡され、口頭などでの他の言葉のフォローも全く無し。
僕がこの生徒だったら、「自分のメンタルが悪いから自分は演技が上手くならないんだ。」と思ってしまうでしょう。
講師が感想しか言わない、印象しか伝えないレッスンだと、受講生で真面目な人ほど自分を責めてしまう傾向があります。
正確に言えばこれは
「(貴方の演技は)やる気なさそうに見える。つまらなそうに見えてしまっている。」
であり、これでもまだまだ言葉が足らず、
なぜやる気がなさそうに見えるのか。それは大抵の場合、役や場面が求めるテンションの高さや感情の強さが表出出来ず、
台詞が相手役にかからず演技が不発に終わってしまっている、ということで、
なぜそうなってしまうのか、
役の人物の気持ちがどこで変わっているか、台本に書かれた気持ちの折れが読めているか、
読めていてもその流れの分岐点で演技(台詞と動き)が変化出来ているかを分析し、
その変化が乏しいから「つまらなそう」な演技になってしまっているのだとしたら、どうしたら
動きにメリハリを付けて、台詞にテンポを出し、かつ言いたい思いを声で伝えるにはどうしたら良いか、
つまり台詞術のテクニックを伝えていくべきです。
ここまでやって初めて「レッスン」と言うべきです。
演技に限らず具体的方法を教えてくれないレッスンはレッスンとは呼べない。
講師の感想を伝えているだけです。
自分の演技が上手くいかない。活き活き演技出来ない。から
レッスンに来た人に「やる気なさそう。つまらなそう。」
感想だけ伝えてどうする・・・
レッスン料払って自主的にレッスンに来ているのだからやる気はあるに決まっています。
こんな「印象だけレッスン、感想だけレッスン」だと
受講者は出口を見つけられません。自分を責めて落ち込んで、演技の改善点にフォーカスした自主練の仕方も教わらないまま
また次のレッスンでも伸び伸びと演技出来ず・・・の繰り返し。
具体的なことを伝えれば、大抵、人はそれを試し、試せば実感出来、繰り返せば自分のモノにしていけます。
「やる気なさそう。つまらなそう。」は、ご本人の「演技がどうしたら上手くなるか分からない。」を
ただ言葉を変えて言っただけ。その方のメンタルが演技に問題があるようにも聞こえてしまう分、
言葉の言い換え方にも百害あるばかりです。
こんな言葉足らずのレッスンだけ受けて、自分には可能性がないんだと思い込んでしまって夢をあきらめ傷ついてしまう人がいるのは悲しいです。
演技が上手くいかないのは演技が上手くいかないだけの問題です。メンタルなんて関係ありません。
元々やる気はあるのですから。
気持ちが乗った方が演技が良くなることが多いのは確かですが、それだって技術の裏打ちがあってこそです。
演技の技術は
・気持ちの持っていき方の技術
・動きや台詞表現に活用出来る具体的なテクニック
の両方を指します。両方必要です。あった方が有利。
気持ちの持っていき方については特効薬はありません。
自分でもなかなか思うように付き合えないのが心ですから。
ただ、気持ちをその役の演技に有効なラインに持っていくエクササイズはあります。
それと、多くのケースや傾向を紹介することで、自分に響く「気持ちの持っていき方」を人は選べるようになっていきます。
そして動きや台詞を活き活きと見せる聞かせるテクニック。
これは力のある講師なら、その方の傾向や段階に合わせて具体的技術を伝えていくことが出来ます。
抽象的な「こんな感じで言って。」というリクエストではありません。
「貴方はこういう人物を描こうとしているけれど、動きのこの点、話し方のこのポイントがこうなっていることが成果の邪魔をしている。」
無意識に出てくるその方のクセ(クセも演技に利用出来るものとそうでないものがあります)の情報を共有し選別、
今の話し方のポイントをこう変えるとこう内面が変化しているように聞こえる具体的特長を多く紹介し、
その中でその方に響くテクニックを伝え、試していく。
何度も試して身体と心に馴染ませていく。
それは1回2回で終わるような簡単な道ではありませんが、人は漠然と自分をどうにかしたいと思うよりも
「貴方はあそこに行きたいのではないですか?」と具体的目標を提示した方が努力が継続しやすいです。
何か違うよ。ではなく、今の演技のここをこうするとこう印象が変わるよ。です。
その中で、段々と自分がこれからする演技が
・周りの人にどういう印象を与えるかを自分で選べる。
・選んだ表現を何度でも出来る。
ここに「新鮮に」というニュアンスが加われば鬼に金棒です。
一生懸命演技したのに
「やる気なさそう。つまらなそう。」しか言葉をもらえなかった彼女が
自分を責めていないことを祈ります。
やり方を教えず、印象・感想しか伝えないレッスンで成果が挙がらないのは受講生のせいではありません。
ヴォイス&アクターズ道場
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「活字になって」
何も経験の無い状態で演技レッスンを始めたメンバーが
昨年踏んだ初舞台が演劇雑誌「テアトロ」12月号と「悲劇喜劇」1月号に取り上げられ、
舞台写真と共に名前が活字になりました。
本人曰く、ほんの一年前は、雑誌に取り上げられることはおろか
プロの舞台公演に出演すること自体、予想もしていなかったそうです。
それが実現したのは本人のやる気と努力に他なりませんが、
毎週のレッスンで見る見る変化していったその成長のサポートを
自分のレッスンが出来たのだと思うと、喜びもひとしおです。
演劇評論家に取り上げられる、雑誌に写真、活字で残る
それが評価のすべてだなんて言いませんが、
応援してくれる家族や友人に喜んでもらえる素敵なことだと感じます。
僕自身は初舞台後、新聞の劇評に取り上げられたり雑誌に載ったりするまで
何年もかかり、またじっくり指導してくれる場に恵まれず遠回りしたことを考えると
初舞台が活字になった彼の今回のケースが、なかなかあり得ないことである覚えが強く、
本人以上に?興奮してしまいました(笑)。
よく喰らい付いてきてくれたと感じます。
昨日見学にいらした方もおっしゃっていましたが、
様々な演技活動をしてきた方からも、
こんなに細かいところまでアドバイスして何度も演じさせるレッスンは見た事がない
とよく云われます。
演技コーチと演出家の違い。
演出家は結果「こうしてほしい。」を伝える仕事。
それを実現するにはどうしたら良いかを一緒に考え、スキルを持っていない方には
具体的なテクニックをいくつも提示し、試し、そのケースに合うものを選べるよう吟味していく・・・
それが演技コーチです。
演出家による演技レッスンでは得られない、
各人のテーマを細かく掘り下げる、寄り添うレッスン。
印象や希望を伝えるのではなく、具体的なテクニックを教えていく、
言いっ放しではなく、テクニックが定着したか何度も演技して対応策を試していく。
僕自身、若い頃ここまでレッスンしてもらっていればもっと伸びたのにと、
振り返り感じるからこのスタイルを選択しています。
大人数・短時間や、固定マニュアルに受講生を当てはめていくベルトコンベアー式システムでは
決して出来ないことをしたい。そうでなければ僕がやる意味がないと考えています。
池袋駅から4分に108㎡の専用稽古場を持ち、ビックリされるような少人数で長時間つきっきりでのレッスンは
経済とのバランスを取るのは大変ですが、講師の遣り甲斐も大きい。
時に凹むこともありますが、今回の活字を見てこのスタイルを継続していきたい気持ちを新たにしました。
今週も前夜、今月の舞台公演を控えたメンバーからの相談があり、本来レッスンのない日に21時に稽古場で待ち合わせ、
時間外補講として言いづらい台詞がなぜ言いづらいのかを一緒に探して、メンタルと話術両方から
気持ち良く言えるには、の改善策を1時間40分1対1でレッスンしていました。月謝制なのでこうした個人レッスンは無料です。
便の良い場所に専用稽古場がある利点を演技の遣り甲斐に還元していきたいです。
ヴォイス&アクターズ道場
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「アフレコの落とし穴 外画吹き替えの場合」
ヴォイス&アクターズ道場では、毎週どのレッスンでも必ず
専用音声ブースを使った声優演技の実習をやります。
声優を目指す方に
プロの現場と同じ手順で台詞量のある役をアフレコする
大変さと楽しさ両方を味わってほしいのと、
舞台や映像の顔出し演技を志望するメンバーにとっても
声の表現に自分の物差しを持つとはどういうことなのか、
逐一レクチャーしながらもう1回もう1回と
何度もマイク・ワークをすることは大きなプラスになるからです。
顔出し演技と声優の一番の違いは本番でも台本を持つ(てもよい)ことで、
記憶力が演技に及ぼす影響的にはそれは心強い味方ですが、
逆に台本を見ながら演るからこそ陥りやすい罠もあります。
・外国の実写作品の吹き替え
・外国のアニメのアフレコ
・日本のアニメのアフレコ
・オーディオ・ドラマ収録
・ナレーション収録
が毎週行う音声ブース・レッスンの5大柱です。
外画(実写作品)とアニメのアフレコの演技のサジ加減の違いなどは
それこそ経験してみないと実感出来ないもので、
アニメと実写ではこんなにやることが違うのかと驚かれることが多いです。
台本を渡して初見で台本を読んだ印象と
画面を観ての印象の違いを自覚することから始めます。
画面に合わせながらのリハーサル。まずは自己流でやってみる。
アフレコが上手くいかないケースにはいくつかの共通点があって、
それを紹介しながら、自分に当てはまるポイントがないか考えながら
何度もリハーサル、小返しを繰り返し、マイク前で収録をしていきます。
立ち位置の譲り合い、マイクを味方につける距離感の切り替えなどのマイク・ワークも
何度もテイクを重ねる実践の中で体得していきます。
外画は韓流ドラマなども手がけますが、英語圏の作品を取り上げることが多いです。
TVドラマなどで快活でナチュラルな魅力を振り撒くアイドルが
外国アニメの日本語吹き替えに挑戦したら
「何この棒読み演技・・・どうした〇〇!」なんてネットに書かれてしまうことがありますよね。
顔出し演技時の台詞だけ聞いていると活き活き話せているのに、
吹き替えになると棒読みに聞こえてしまうケース。
これにも理由があり、解説出来ます。
僕自身が通ってきた道だからです。
英語の原音を聞きながらだからこその演りやすさは外画アフレコ仕事の大きな魅力ですが
同時に落とし穴もあります。
英語と日本語の気持ちの込め方の違い。
よく外国人が日本語は最後まで聞かないと意味が掴めないと言うのを聞きますが、
これは日本語の文章の構造の話しだけでなく、
私たち日本人が声を出す時に無意識に選択する気持ちの込め方のことも指しています。
音感の違い。
原音を聴きながらの吹き替え作業だから無意識に耳が原音に引っ張られてしまい、
抑揚に自身で制限をかけてしまうケースが非常に多いです。
そこに「台本を持って演っても良い」という本来武器になるはずの条件が
逆に「読んでる感」を助長する台詞術の特徴を強調させてしまい、
顔出しの演技で輝いている方が吹き替えを担当するとあれ???と云われてしまう現象が起こりやすくなります。
特別なことではありません。
・音感を鍛えることと、
・原音に引っ張られた時に起こる話し方の変化の特徴
・読んでる時と話してる時の自分の何が違うのか
この3つの傾向と対策を(各人で詳細は違うので)
一人ひとり具体的にポイントを指摘し、何度もマイク・ワークを繰り返していくと
必ず人は進歩していきます。演技が変わっていくのを見るのは大きな喜びです。
アフレコ・レッスンも、収録を1回しかやらせてもらえなかったり、
台詞の数が10以下の役しか演らせてもらえなかったりすると
どうしても取り繕って自分の良いところだけを見せよう聴かせようとしがちになります。
ボリュームのある役を何テイクも重ねてアフレコ実習するレッスンの利点は
自分の演技のサジ加減を試し、失敗もいっぱい出来ることで、
失敗の遠因まで毎回各自に具体的に説明していくことが前進のサポートになると感じています。
ヴォイス&アクターズ道場
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「アフレコ演技レッスンの質と量とは」
演技表現そのものが自分の感性を仕事道具として
駆使する能力が求められるもので、顔出しの仕事でも
舞台と映像では出し方のテクニックが自ずと違います。
姿を見せない声の仕事は素材の個性だけでは乗りきれない
要素が強く、演じてるつもりなのに伝わらない可能性が高くなります。
声の仕事(マイク・ワーク)は特殊技能で、中でも
モニターを見ながら映像に合わせて台詞をはめ込んでいき
制約が多い中で自分の個性を打ち出し感情を噴出させていくアフレコ作業は
演技者の仕事の中でも特に「職人」感が強いです。
職人に要求されるのは技術。
やる気や感性がどんなにあっても「出し方」を知らなければ空回りしがちです。
しかし多くの養成所で行われている声優レッスンでは
一人あたり二言、三言の台詞しか言わせてもらえず、
それも一週にその少ない台詞を1回、多くて2回しか声に出せず、
講師のアドバイスもザックリ抽象的な全般的な印象を云われるだけのレッスンが多いです。
ヴォイス&アクターズ道場では毎回のレッスンで
質・量両方を重視した声優レッスンを開催しています。
質はレッスン環境とプログラム
顔出し演技用のシーンスタディ稽古場とは別に
専用音声ブースを備えた稽古場があり、
プロのアフレコ作業と同じ段取りで
初見→映像チェック→きっかけ取り→リハーサル→収録
を行い、各自の台詞術について具体的アドバイスとリハーサルをやりながら
収録も何テイクも繰り返し行います。
配役も異なる感情から感情への移行表現がたっぷり求められない役は役としてカウントしません。
外画・外国アニメ、日本のアニメ、オーディオ・ドラマ、ナレーション
それぞれ遣り甲斐ある役やテキストで毎週レッスンに取り組めます。
量はテキストの長さ、役の台詞の多さと繰り返すテイク数のこと。
実写・アニメ作品とも12分~30分の長さの場面を1~6名でアフレコするレッスンを毎レッスン行っています。
その間音声ブース内で緊張と戦いながら次々と台詞の応酬の流れの中を泳いでもらいます。
シングルキャストか多くてもダブルキャストでのアフレコ実習。
よく聞く何組も待たされてやっと自分の番が回ってきても二、三言の台詞を1回言って終わり。
待ち時間ばかり長いレッスンではなく、とにかく量の多い台詞を何度も演じる、
台詞の量と演技時間の量両方にこだわってレッスンしています。
ヴォイス&アクターズ道場
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「プロフィールと宣材写真の是非(前編)」
書類選考のみやオーディションが催される場合はもちろんですが、
制作スタッフとマネージメント担当者間で直に話し合い仕事が決まる場合でも、
プロフィール(人物紹介)と宣材写真(宣伝材料写真)は必要になります。
声優の案件でも写真は必要ですかと訊かれたことがありますが、もちろん必要です。
「選ぶ方も怖い。」
これを念頭に用意することを考えてください。
以前業界では「三本失敗作を撮ると監督は監督でいられなくなる。」と
云われた時代がありました。
それは昔。現在はそれ以上です。
どんな仕事でもわざとミスして喜ぶ人はいないでしょうが、この業界
キャスティング、する方も毎回真剣勝負です。
選んだ人が良くなければ責任が派生します。
「分かってるな。」、「センスがあるな。」
と思われる自己PRや宣材写真の用意をする必要があります。
それってこういう自己PR、こういう写真、と1パターンを紹介すれば
それが誰にも当てはまる簡単なことではないですが、
具体的例を紹介することで消去法で自分のプランを練ることは出来ます。
ヴォイス&アクターズ道場では、通常レッスンだけでなく、
毎週、希望者に1対1の補講を行い、
オーディション対策、自己PR講座のレッスンをやっています。
定額月謝制なので追加料金は必要ありません。
自己PRの内容のブラッシュアップや作戦はケース・バイ・ケース。
時間外補講も本人と相談して出来る専用稽古場があることが嬉しいです。
例としてとっても分かりやすい経験談を一つ。
僕が実際に関わった江戸時代劇の娘役のオーディション。
女性で髪の毛で眉までの額全体を隠し、両エラも隠し、
髪型で顔の輪郭そのものが分からなくしている方、多いです。
それは流行もあるだろうしその方の自由なのですが、
時代劇のオーディションでそれをやるのは損です。
幽霊役ならともかく、結い上げる髪型が一般的だった江戸時代の女性役を演じる時、
本番では髪をアップにする、顔の輪郭を出すことになるのは(特殊な役を除き)必須です。
その演技者を選ぶオーディションに、フルフェイスのヘルメットを被ったかのような
横を向くと覆われた髪の毛で表情も全く見えない、かろうじて目鼻口は確認出来るような髪型で
面接に来るのは「分かってないなぁ。」と思われてしまいます。
面接で、ちょっと髪上げておでこ見せてもらえますか?と云われても
なかなかやらず、やっても一瞬、眉毛が見えただけ・・・なんてオーディションを見たことがあります。
・・・・・勿体無い。
てか、ネットで「時代劇」で検索すれば江戸時代のドラマの女性役がだいたいどんな髪型を要求されるかなんて
電車一駅の間でも分かる時代なのに。仮に調べていたとしても、それでもフルフェイス的髪型で面接を受けに来るのは
・スタッフの立場になって創作の場に参加する
よりも
・私の欠点を隠して少しでも良く見られたい
意識が常にその方の中で勝っていることを、存在自体で宣伝している結果になります。
「分かってない。」、「センスがない。」そう思われることは致命的だと思います。
この人をこの役にキャスティングしたらどうだろう。
想像するのはスタッフの仕事で、その材料をこちらが提供するのがオーディション。
モデルの選考はまた別ですが、演技者の選考では
イメージを限定し、相手の想像力を拒否するようなやり方はマイナスです。
自分の個性、作品どんな役割を求められているのかが「分かっていない。」
自分らしさを正確に伝える、作品に何が求められているかを読み取る「センスがない。」
選ぶ方も怖がります(後編につづきます)。
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「プロフィールと宣材写真の是非(後編)」
「分かってない。」、「センスがない。」と
思われてしまうことの損について書きましたが、
わざとマイナス・アピールするオーディショナーは(恐らく)いないでしょう。
なのになぜそんな感想を持たれてしまうケースが多いのか。
僕自身、オーディションを「受ける」側を30年以上続けていて(もちろん現在もです)、
「見る」側の経験も20年近くになり、自分が両方の立場で業界の選考に参加するようになり
少しずつ、でもはっきりと分かってきたことがあります。
誰だって面接では自分を良く思われたい。当然です。
自分を出す難しさ。それは自身のコンプレックス、欠点(だと自分で思っているところ)は
隠さないとマイナスに働いてしまうだろう恐れがあるからです。
僕自身がそれに囚われ気にし過ぎていました。
正確に言うと、気に仕方を間違えていて、
良く思われたい、の「良く」が何を指しているのかを見失っていました。
せっかくのチャンスを何度も棒に振ってきましたが、今ならなぜ駄目だったかが分かります。
自分が失敗した後悔を無駄にしたくない。
オーディション対策、自己PR講座のレッスンを、時間外でも相談されれば
1対1でも長時間やっているのはその気持ちからで、だからこそレッスンへのパワーが出ます。
自分を良く見せよう。見せたくないところは隠そう。
それが意識の一番前に出てしまい、結局少しも自分らしさを見せられない。
卒なく、当たり障り無くまとめてしまったり、
素材としての自分を提示しなければならないのに、作り込み過ぎて失敗する・・・・・
若い頃の自分の宣材写真(宣伝材料の写真、プロフィールに使用するもの)を見ると
少しでも自分の目を大きく見開いて、顔を左右対称に見せようとし、小顔に見せる努力までして(苦笑)
自分を整えて見せよう見せようとしていた自分がいます。
・・・・・そういうキャラクターが似合い、売りになっている人は他に沢山いるのに・・・・・
自分らしくない何者かに見えたい、見せようとしてたのですね僕は。
それで個性を押し隠し自分らしい自分から程遠くなっていた。結局何者にも見えていなかった。
演技表現についても、クセを封じ込めることに気を取られ過ぎて
ほどほどにまとめがちの平均点テイクを連発していたと思います。
結果、何を求められて自分がオーディションに呼ばれたのか、
皆目分かっていないことを盛大にバラしていたようなものです。
その時々はオーディションを仕事に結び付けたくてただ必死だっただけだけど
今振り返ると恥ずかしいです。自分の無知と無理解が。
だからといってふてぶてしく開き直れば良いというものでもない。
自分らしさを等身大で「認める」ことと「出す」ことの難しさは一生の課題です。
俳優に自意識は必要不可欠。それを味方につけるか敵に回すか。
どちらにせよ自分の中に存在するものだけに厄介です。
俳優に限らず自分のメンタルともっと上手く付き合いたいと願う人は沢山いるでしょう。
僕自身がそうだったように、演技レッスンを受けることで
自分の傾向や幅を認め、前よりも楽に自分自身でいられるようになってほしい。
自己PR(面接)講座では
各個人の現在に合わせて、相手の知りたいこと見たいことを整理して
それぞれの、盛らない、間引きもしない自己紹介とやり取りを探っていきます。
演技実技のレッスンでは
クセを抑えることと個性を殺すことの違いを各ケースごとに具体的に比較。
行きたくない方向の表現にブレた時の自分の持っていき方のパターンを紹介、
実践してみることで「私らしい出し方」を選べることを目指してレッスンしています。
ヴォイス&アクターズ道場
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半年前にレッスンを始めた方のご感想を紹介します。
「濃い時間で」(佐藤重子)
この道場に入所させていただいて、早半年が過ぎているのにびっくりしました。
いつも濃い時間で、過ごさせていただいてます。
演技にふれて、いつも自分が少しずつ変わっていくのがわかるようになってきました。
それは演技もですが日常の過ごし方や感じ方、今までの何気ない会話さえも特別になってきました。
声のトーンや、一つ一つの音でセリフが会話が成り立ってるのがよくわかってきました。
こんな風に感じることができるようになって嬉しく思います。
これからも顔晴っていきたいと思います。
【講師からひとこと】
僕のレッスンは1レッスン4時間半と非常に長いですが、
実際には
・ウォーミングアップ&発声
・シーンスタディ(顔出し演技)
・声の表現に特化したレッスン
の3パートに分かれ、それ以外にもメンバーの希望や進行状況に合わせて
臨機応変にカリキュラムを組み合わせているからで、
実際には通常演技レッスンと呼ばれるものの2,3レッスン分のボリュームがあると思います。
それに加えて極めて少人数でのレッスンですから、
道場に来る前、大手養成所などで大人数短時間、ベルトコンベアー式のプログラムで
短い1、2分程度の課題を1回演じただけで次の人に交代。
週によっては自分の番が1度も回って来ず見稽古だけだったようなレッスンを受けてきた方は
皆さん大きく驚かれます。
でも1レッスン4時間半でも正直レッスンしていて伝えたいことが溢れてきて止まらず自分でも戸惑うほどです。
演技表現の探求ってそれだけ奥が深く、知らなかった自分と出会えるものだと感じます。
レッスンについて「濃い時間」と云ってくれて嬉しいです。
まだ今は入り口を入ったばかりですが、もっともっと沢山のことを喜んで伝えていきますからね!
ヴォイス&アクターズ道場
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