近代演技術の父K. スタニスラフスキーの弟子であり、文豪アントンチェーホフの甥であるマイケルチェーホフ。彼は20世紀を誇る俳優であり、また演技教育者としても活躍しました。世代や国籍を超えていかなる俳優でも使えるテクニックを考案しました。
演技の基本は「心と体のつながり」です。今回の内容はマイケルチェーホフテクニックの基本である「サイコフィジカルエクササイズ(心理・身体的エクササイズ)」を行います。これは体の内面(心・エネルギーなど)と身体をつなげるエクササイズになります。心身の意識を高め、より感情や役が表現豊かにかつ鋭敏にできるようにします。
【講師紹介】
秋江 智文
俳優・演技講師・演出家
マイケル・チェーホフスタジオ東京代表
21歳のときマイケル・チェーホフの著作『To the Actor』を読み、強く感銘を受ける。25歳のとき渡英。英国アルテミス・スピーチ&ドラマスクールで、チェーホフテクニックのサラ・ケーン(Sarah Kane)および、校長のクリストファー・ガービー(Christopher Garvey)に師事し、チェーホフテクニックやスピーチテクニックを学ぶ。また『マイケルチェーホフロンドンスタジオ』(Michael Chekhov Studio London)の校長を務めるグラハム・ディクソン(Graham Dixson)にも師事する。現在ではウルリッヒマイヤーホーシュ(Ulrich Meyer-Horsch)を師として、日本でマイケル・チェーホフテクニックを体系立てて教えている。
【日時】
4月8日(土)18:15~20:45
※途中休憩があります。
※30分前に開錠です。
【定員】
5名
【場所】
K‘Sスタジオ新館
〒166‐0003
東京都杉並区高円寺南1-6-3
ISOビル4階
https://koenjiksstudio.wixsite.com/mysite/blank
【受講料】
1000円
※直前のキャンセルは「なし」でよろしくお願いします。
【申込方法)
HPのAPPLICATIONより申し込みください。
https://www.michael-chekhov-tokyo.com/application/
【ハラスメント防止のための取り組み】
ガイドライン
マイケルチェーホフ東京は、当団体が関わる全て企画のレッスン・ワークショップ・舞台制作を、その場にいる全ての人が出自や立場に関係なく尊重し合い、安心安全な環境で、みずからの想像性を発揮できるように、このガイドラインに沿って運営します。このガイドラインは、演技講師、ゲスト講師(海外講師も含む)、受講生、スタッフなど企画に関わる全員に該当するものとします。
■ハラスメント・差別の禁止
定義:ハラスメントとは、他者の尊厳を傷つける言動の総称です。他者に不快感や不利益を与える言動はハラスメントに該当し、行為者の意図とは関係がありません。
① セクシュアルハラスメント
性的な言動や性的要求によって相手に不快感や恐怖を与え、レッスン(指導)環境を悪化させること。性的関係や要求を、対価を示すことで求める。
・恋人や配偶者や子どもの有無など、プライベートに関する事を執拗に尋ねる。
・性に関わる話題や性的な嫌がらせの言動や行動。
・不快感を持つ状況を作り出すこと。(猥褻な写真、画像を見せたりする)
・不必要に身体に触る。
・ホテルや居酒屋など、適切でない環境下に誘い出し指導や稽古をすること。
・第三者の目が届かない状況で個人指導や練習を行うこと。
・執拗、もしくは強制的に性的行為や交際の働きかけを行うこと。
・性的関係を拒否されたことにより、共演や指導を拒否するなどの不当な対応を取ること。
・「男なんだから(男のくせに)」「女なんだから(女のくせに)」、性差別的な言動や行動を取ること。
・性的なシーンを合意のないまま進行する。
② パワーハラスメント
地位や権限あるいは優位性を背景に、適正な範囲を超えて人格と尊厳を侵害する言動で、精神的・身体的苦痛を与えること。プライバシーの侵害や威圧的な態度で脅迫や侮辱をする事。(心への攻撃も身体への攻撃も含みます)また対等な関係でも起こりうる。
・肉体的な攻撃
- 殴る・蹴るなどの暴行行為を行う。
- 個別の事情に配慮せず、身体的負荷が高い稽古を強要する。
・精神的な攻撃
- 脅迫する。
- 立場の違いや権力勾配を利用して無理な要求をする。
- 暴言を吐く、威嚇的な行動をとる。
- 人格を否定するような発言を繰り返す。
- 名誉毀損となるような言動を行う。
- 国籍、人種、信条、信仰、ジェンダー、性的指向、嗜好、身体的特徴等を理由に非難、侮辱、排除する等、差別的な扱いをする。
- 無視する等、存在を認めないような対応をする。
- 殴る真似などの疑似暴力を行う。
・人間関係からの切り離し
- 正当な理由なく、会場や稽古場等への出入りを制限したり、連絡網から外す。
- 必要な情報を意図的に伝えない。
- 特定の一人を集団で無視をし、孤立した状況をつくる。
・個の侵害
- 私的なことに過度に立ち入る。
- 断りづらい状況を利用して個人のプライベートな情報や持ち物に対して開示を求める。
③ ジェンダー・ハラスメント
性に関する固定観念や差別意識に基づく嫌がらせなど。女性、または男性という理由のみで性格や能力評価を決めつける事。(ジェンダー・ハラスメントは広義のセクシュアルハラスメントとされます)
・「男のくせに根性がない」「女性とは思えない」「女性は子どもを産むべき」など、特定の性別役割観を押しつける発言。
・セクシュアル・マイノリティ(性的少数者)に対する差別的言動について
- 相手の性的指向や性自認・性表現等に関する言葉による中傷、からかい。
- 性的指向や性自認・性表現等を理由に、不利益を与えること
③ モラル・ハラスメント
倫理や常識を超えた嫌がらせやいじめなど。特に優位性は関係ありません。そのため、同僚や受講者同士にも起きるケースもあります。定義としては、言葉や態度など“目に見えない暴力”で相手を追い詰める行為をモラハラと呼びます。
・無視する。その人にだけ発言させない。その人だけ懇親会に呼ばない。その人にだけメールを返さないなど。
・その人の噂話や容姿についての言動、からかいなど。
・過度に不機嫌な態度をとることで自分の意見を聞いてもらおうとする。
・周りの演技を批判する。
・相手が求めていない指導を行う。
・飲み会へん参加の強要。
6)レイシャル・ハラスメント
人種や国籍など、民族的要素にまつわる差別や嫌がらせ、文化や宗教 、生活環境の違いなどに理解を持たない発言や行為を呼びます。
・人種や国籍に対して何かする度に「やっぱ外国人だからね」「日本人じゃないから仕方ないね」などと紋切型の発言を繰り返す。
・合理性なく人種や国籍を分けて指導内容を変えたり、評価の仕方を変えたりすること。
□差別・ハラスメントをしないようにするために、関わる一人ひとりが次の事項について十分認識した上で企画に参加してください。
・お互いの人格や信条、信仰を尊重しあうこと。
・お互いが大切なチームのメンバーであること。
・言動に対する受け止め方には、個人間、立場等により差があり、ハラスメントに当たるか否かについては、受け手の判断が重要であること。
・親しさや好意を表すつもりの言動であったとしても、本人の意図とは関係なく、相手を不快にさせてしまう場合があること。
・不快に感じるか否かには個人差があるため、この程度のことは相手も許容するだろうという勝手な憶測をしないこと。(相手との良好な人間関係ができていると勝手な思いこみをしないこと。)
・相手が拒否している、又はいやがっていることが分かった場合には、同じ言動を決して繰り返さないこと。
・相手からの意思表示がない限りは差別やハラスメントには当たらないわけではないということ。
■どんな申し出や要求にも、「NO」と言える権利を尊重します。
芝居は人同士が深くかかわりドラマを生むという特性上、いくらハラスメントを禁止しても、台本のジャンル、演技の種類、危機管理上によっては厳しい言動や身体接触がありえます。また指導の合理性において、講師が受講生を触れる場合があります。その際、俳優が「NO」、「やめて」、「いやです」という権利を尊重にします。その瞬間にその俳優が感じたことなので、それが誰から受けたか、その必要性は何か、過去にはOKだったなどは関係なくその方の気持ちを尊重します。またそれによって、その後演技する機会が少なくなったり、演技指導の機会がなくなったりすることはありません。
■本人が希望する人称代名詞および敬称の使用
見た目や氏名でジェンダーを推測し「~ちゃん」「~くん」という呼び方をしたり、自分より年齢が若いという理由だけで呼び捨てにすることはしないようにしてください。相手によって態度を変えることは上下関係の強化につながり、フラットな関係性の上での協働の妨げになります。
基本レッスンの一番初めに、皆さんに「どのように呼んでほしいのか」を尋ねま