ヴィンランド・サガ
舞台『ヴィンランド・サガ』2024製作委員会
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2024/04/19 (金) ~ 2024/04/29 (月)上演中
実演鑑賞
満足度★★★★★
DisGOONieの2.5次元が初めてとは知りませんでした。もうとっくにやっているものと思っていました。
私が見たのは「海の果ての果て」プレビュー公演ですが、明日が初日とは思えないくらいの熱が入っていて良かったです。橋本くんがカンフェティで語っていた「子どもの頃の表現」も、ああこれかと分かって納得です。みなさん、千秋楽までお怪我などなさいませんよう。
朝日に願え 春公演
朝劇三軒茶屋1年ロングラン公演
三軒茶屋orbit(東京都)
2024/04/17 (水) ~ 2024/04/28 (日)上演中
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/04/24 (水) 11:30
続いて、オールシーズンチームを観た。驚いた。役者が変わることで、こんなにも芝居が変わる!57分。
物語のスタートや展開は同じだが、冒頭から雰囲気が違う。決断から逃げた愛理(春 やまうちせりな/オ 守谷菜々江)を追って他の3人が来るのだが、春では冒頭でも攻撃的だった香織(益田有華)がオールでは浩司(世良佑樹)に変わったことで攻撃的には入らなくなった。恐らく男女の違いによるものだと思うが、それに合わせて春では唯一の男性だった島崎(佐瀬弘幸)のテイストが大きく変わった。これを演じ分ける佐瀬が見事。夏では島崎を堤千穂が演じ、4人全て女性となるので、これも観に行かなくては…、と、役者の違い、男女の違いで大きくテイストが変わる芝居を楽しんだ。
絶望という名のカナリア
甲斐ファクトリー
小劇場 楽園(東京都)
2024/04/23 (火) ~ 2024/04/28 (日)上演中
実演鑑賞
満足度★★★★★
「八月のモンスター」「愛犬家」と素晴らしい作品を送り出してきた劇団が、第10回公演として新作を上演した。久しぶりの新作なので、期待半分だったのだが、いい意味で裏切られた。記念公演として期待以上の出来だった。この劇団さんはいつも役者陣が素晴らしいのだが、今回も熱演!特にトラ丸さんは、人生に疲れた男がピッタリすぎるくらいで、今までの作品の中で最高の演技でした。
演出は、劇場の特殊性を利用して場面場面をきれいにつないで2時間がストレス無く、アッという間にラストまで。これ以上はネタバレになるので割愛しますが、とにかく、もう一度観に行きます!
まだ、4月ですが今年一番の作品でした。
朝日に願え 春公演
朝劇三軒茶屋1年ロングラン公演
三軒茶屋orbit(東京都)
2024/04/17 (水) ~ 2024/04/28 (日)上演中
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/04/24 (水)
9時開演の春チームを観た。巧妙な会話劇だが、朝から観る話じゃないってとこも…笑。いい芝居です。(5分押し)55分。
突然、始まる。4人の登場人物がほどなく揃い、「せっぱ詰まった」感にあふれた会話を始めるのだが、4人の関係が(説明がないのに)徐々に分かる展開は見事。扱われているのはシリアスな話題で、時に深刻にもなるが、4人の立ち位置の違いや、年齢や経験の差から来る思いの違いが現われ、最後は余韻を残して終わる。よくできた芝居だし、ちっちゃいカフェでの公演なので臨場感がある。場所を活かした演出も巧い。
絶望という名のカナリア
甲斐ファクトリー
小劇場 楽園(東京都)
2024/04/23 (火) ~ 2024/04/28 (日)上演中
王様と私
東宝
日生劇場(東京都)
2024/04/09 (火) ~ 2024/04/30 (火)上演中
実演鑑賞
満足度★★★★★
19世紀後半、ヨーロッパ列強がアジアに植民地を拡大していたころのお話。シャム(今のタイ)国王の子供たちの家庭教師となったアンナ・レオノーウェンズの回顧録が元になっている。それが小説となりミュージカルとなった。デボラ・カーとユル・ブリンナーが主演した1956年のミュージカル映画が有名である。主題歌の「シャル・ウィー・ダンス?」はだれでも知っている名曲だ。
内容を一言で言うと魔法を使わないメリー・ポピンズである。もっともこのメリーの基準は欧米は進んでいてアジアは野蛮だということで、それを何のためらいもなく貫き通しているのが心地良いくらいだ。まあそういうことを教えるために雇われたのだから当然なのだが、違和感がしばらく脳内にとどまった。
明日海りおさんの歌声はスムーズで解放感に溢れていてお話が進むにつれどんどん調子を上げて行った。北村一輝さんはあのくどさというか脂っこさというか、そういう持ち味を封印して頑固な国王をコミカルに演じていてちょっと驚いた。また、シャムの装飾や衣装が実によくできていて感動的である。迷いつつのスタンディングオベーション。
ろりえの復讐
ろりえ
新宿シアタートップス(東京都)
2024/04/18 (木) ~ 2024/04/24 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
「ろりえ」って初めてで傾向が分からず、復讐のための伏線をバンバン張って最後に怒涛の回収という流れかと思いきや、全く違って大勢の若者が大はしゃぎするだけのお話だった。(私のような年寄りには)何の見どころもないのだけれど、最後の最後に突発する製作委員会3人衆の特大の悪あがきにノックアウトされた。そしてその後の娘の一言がツボで久しぶりに腹の皮がよじれるという感覚を思い出した。そこだけは☆4つ。
ろりえの復讐
ろりえ
新宿シアタートップス(東京都)
2024/04/18 (木) ~ 2024/04/24 (水)公演終了
ピーチボーイズ
Peachboys
シアター711(東京都)
2024/04/23 (火) ~ 2024/04/29 (月)上演中
予約受付中実演鑑賞
満足度★★★★★
本当にくだらない くだらな過ぎて しかもそれを凄く上手い演者さんがやるもんだから 頭がバグる 物語も破綻どころかそもそも無い 毎回思うがある意味熱海殺人事件と同じインパクトを受ける とても心地よい 伝わるかな?
ブルースが聴こえる
WAO!エンターテイメント
アトリエアーサム(大阪府)
2024/03/26 (火) ~ 2024/04/28 (日)上演中
満足度★★★★
安定感のある劇団 正統派で小難しいメタファーを使う事なく、スーッと入ってくる
政治家(市長)の考える幸せ=ホームレスの幸せではなく、人各々に幸せの基準が異なるのであるが…
市長も過去のプロセスや環境に基づいて信念を貫くのであるが…
過去のように泣かせる場面はほぼ皆無だが、人間の生について考えさせられた…
満足ですが、客入りは雨☔もあり10名程度 SNSをもっと活用すれば良いのに…
映画のパロディ
コンプソンズ
下北沢 スターダスト(東京都)
2024/04/18 (木) ~ 2024/04/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/04/14 (日) 13:00
当日パンフレットに断り書きがあるように映画のパロディに特化したワケではないコント集。
いくつものコントの途中にショートコント集を二度挟み、最後は長めのもので〆る構成にもさることながら一編のコント終わった後に「……というコントをやりたいんだが」と大宮さんが出演者の一人に相談/提案する部分が附加される前半で使った形式がバックステージ系の変奏のようで斬新。
そしてあれこれパロディを含んだ内容、笑った笑った♪
こういう「あれ、何を観ていたんだっけ?」なものも好きだなぁ。(爆)
ユリが咲く頃には
名城大学劇団「獅子」
G/Pit(愛知県)
2024/04/19 (金) ~ 2024/04/21 (日)公演終了
実演鑑賞
現代のおとぎ話とでも言えるような作品。
決して目新しくも突っ込みどころがなかったわけでもないけれど
学生さんらしい感性とやさしさに包まれた
小品ですが、いいお芝居でした。
朗読ユニットさざなみvol.6宮沢賢治名著
朗読ユニットさざなみ
MUSIC BAR道(東京都)
2024/04/20 (土) ~ 2024/04/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
<朗読ユニットさざなみ>は未見であったが、情感に溢れ 安定感ある朗読劇といった印象だ。今回は、宮沢賢治名著として3作品<①どんぐりと山猫 ②注文の多い料理店 ③よだかの星>の朗読であった。3作品のうち<どんぐりと山猫>は知らなかったが、なかなか皮肉と言うか辛辣なラスト。他の2作品は読んで知っていたが、朗読劇として聴くと、また違った味わいのある物語に思えた。小説は、自分の頭の中で平面的な空想を広げるが、朗読は役者の肉体(感情)を通して 物語が立体的に立ち上がるような感覚。さらにギターやフルートによる生演奏が情景を豊かにし、登場する者・物・モノが動き出すような躍動感が生まれる。
朗読するのは、小林千恵さんと中瀬古健さんの2人、演奏は 夜ヒル子さん。朗読は聞き取りやすく安定感がある。時に声色や表情を変え、物語に登場する者たちを息衝かせる。演奏は、朗読の妨げにならない程度の音(量)で賑やかさを出す。この絶妙なバランスが心地よい。
さて、ユニット紹介には「主に日本の近現代文学作品を表現する」とあり、「改めて日本文学を読もうと思ったのは宮沢賢治の『よだかの星』がきっかけ」とある。今回も「よだかの星」を朗読しているが、本公演では不思議と よだか が力強く生きていることが感じられる。勿論 よく言われる弱い者いじめや外見の美醜による差別といった 先行イメージを持っていたギャップによるものであるが、その状況に甘んじないといった何かが…。因みに、さざなみは2022年のコロナ過に結成とあり、云わば逆境の中での活動開始---その意気込みのようなものが朗読に影響しているのだろうか。
卑小、主催側の責任ではないが・・・。
(上演時間1時間15分)
S高原から
青年団
こまばアゴラ劇場(東京都)
2024/04/05 (金) ~ 2024/04/22 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/04/21 (日) 14:00
1991年の初演から30年以上が経っているが、変わらないのは
”死に近い人” と ”それを取り巻く人” との距離感の不安定さだ。
淡々としているようで、内心どれほど波立っているだろうと思わせる
役者の台詞と表情に、静かな演劇の真骨頂を観る思いがした。
Ulster American
本多劇場グループ
「劇」小劇場(東京都)
2024/04/17 (水) ~ 2024/04/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
出演者が3人でセリフが膨大な海外の現代口語劇(原作:デイヴィッド・アイルランド、翻訳:小田島創志、演出:大澤遊)。
劇場主でもある男性演出家(前田一世)の手配で、新進の若手女性劇作家(椙山さと美)が人気男性俳優(池田努)と初顔合わせ。彼は彼女の芝居に主演するのだ。明らかに男性2人が優位にある関係性だが女性は全く尻込みせず、全員が正面からぶつかり合う。
役人物の思惑を細やかに踏まえつつ戯曲の要請(明確な意図)にも応える必要があり、臨機応変に柔軟に、でも結果的には緻密に組み立てる演技が求められるのではないか。俳優は大変だったろうと思う。
胸襟を開き本音で語り合うことは美化されがちだが、他者を尊重し思いやる姿勢が不可欠なのだと改めて確認。誰かを傷つけるぐらいなら黙るべきだ。
男性2人は「(戯曲には)歴史が大事」等とたびたび口にする。人間(の歴史)を軽々しくネタにして作品にし、食いぶちを稼いだり名声を得たりするクリエイターのなんと多いことか。私自身、このことには敏感でいたい。
※車椅子で伺い(私は自力で階段の上り下りができます)、劇場の方々に心尽くしの対応をしていただきました。今まで公共劇場しか経験していなかったけれど、本多劇場グループの小劇場公演なら安心して観劇できると思いました。付き添いの家族も助かっていました。本当にありがとうございました。
『今宵、4杯のカクテルを』
劇団Nooooon!!
シアター風姿花伝(東京都)
2024/04/19 (金) ~ 2024/04/21 (日)公演終了
カレイドメモリー
maropi工房
VRChat (オンライン)(神奈川県)
2024/04/20 (土) ~ 2024/04/21 (日)公演終了
実演鑑賞
『カレイドメモリー』 VR chat(VR演劇)
2024.04.20 22時
ソーシャルメタバース空間「VR chat」で公演が行われたストレートプレイ。VR空間での演劇を行う劇団『maropi工房』の第二回公演となる本作。
第一回公演『チョイス』では30分のコメディであったが、今回は60分。そして関わるスタッフの人数も大幅に増え、規模が広がった。これがどのようになるのか、想像と期待が膨らむ。
内容としては地方の町を舞台とした、出ていく若者のぶつかり合い、町に生活をする年を経た者達を主軸とした一幕二場の物語である。だが、雰囲気はその町に生きる者たちの日常・生活であり、大きくドラマ性や葛藤、メッセージを主張するものではない。その場に生きる者たちの日常を観る、そんな感覚だ。
特に都会とは異なる人間関係の距離感での苦悩や喜びに対してフォーカスしているのだが、その描写は「日常」に向けた緩さに包まれている。「若さのぶつかりと・孤独」、「老年の枯れた具合と寛容さ・受け入れ」、これらを二場にて対比させるような舞台で第一場にて伏線を張りながら、第二場に緩やかにリンクしていく。ユーモアも含め私達の日常に近い舞台をゆっくりと観ていた。
演出が中々にユニークであり、現実で行われる舞台に近い感触を残しながらも、VR空間上で行われる特性を強く生かした演出であった。驚き、そして今後に行われるVR空間上での演劇の未来に対して、強く期待感を持たざるを得ない。
強い感触の内容の劇ではないのだが、それに反して「maropi工房」の今後の舞台製作に対してのコンセプトや実験的なモノを含む「挑戦」の印象が強烈に残る。本作は静かながらにも、その意欲性は観ているもの、そして舞台製作を行う他のVR団体にも波及するものであるはずだ。
規模感は増したものの、前回のような強いスラップスティックのようなコメディ性は若干弱い。だが、逆に弱めることによって近さや柔らかさが出ている。特にシナリオ展開でのユーモアは前回同様に多分に感じることができ。大笑いするようなものではないが、フフッと小さな笑いが所々にある。日常の中にある小さな笑い、それが一服の清涼剤のようでいて。改めて自分等の日常を見つめ直すきっかけともなりそうであった。
今後とも、どのような道を切り開いていくのか。第二回公演を通して、更に劇団の深さを観ることができた。まだまだVRの奥深さに対しての挑戦は続く。期待感を持って追っていこう。
朗読ユニットさざなみvol.6宮沢賢治名著
朗読ユニットさざなみ
MUSIC BAR道(東京都)
2024/04/20 (土) ~ 2024/04/21 (日)公演終了
実演鑑賞
演者二人の技量がとにかく高い!
これは高いスキルがないと成立しないでしょうね。
ぜひとも子供向けの公演を行ってほしいなあ、と。
特に「どんぐりと山猫」なんかは絶対うけると思います。
卯月のふたり
白猫屋企画
ステージカフェ下北沢亭(東京都)
2024/04/20 (土) ~ 2024/04/22 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
二作品とも、短い時間内にギュッと凝縮されたステキな作品でした。台詞の応酬にあっという間でした。予想を裏切る展開はさすがです。アフタートークで裏話を聞き、より、面白かったです。
トリスタンとイゾルデ
新国立劇場
新国立劇場 オペラ劇場(東京都)
2024/03/14 (木) ~ 2024/03/29 (金)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
イゾルデ役のリエネ・キンチャ、トリスタン役のゾルターン・ニャリとも途中交代の出演であったが、心配は全くの杞憂だった。バスのヴィルヘルム・シュヴィングハマー(マルケ王)もすばらしい。プランゲーネの藤村実穂子もよかった。私は「ワルキューレ」のフリッカで見た記憶がよみがえった。